第2話 黄金の瞳の猫?
大きな白猫を無視して、薄暗い森をひたすら歩いてるのだけど何故かあの白猫が後をついて来る。
しばらく放置して歩いていたけど、何処かに行く様子もなくただついて来る。
はっきり言おう……何故ついて来るの?!
正直な話、大きな白猫とは言ったけど……明らかに大きさ的に猫の部類じゃないよね!
どっちかと言えば、虎とかそっち系だよね!
あっでも、あれはネコ科だから一緒か……うん。
思い出さなかった事にしよう!
素晴らしき現実逃避!
後ろを振り返り「白猫ちゃん! いつまでついて来るの?」と言うと、首を傾げ私の頬を舐める。
あっこれは、諦めた方が良さそうなやつかもしれない。
そう言えば、皐月が良くやってたゲームで見た事あるな……えっと〜そう!あれよ!……。
あの職業よ!
そうよ!あれよ!
名前付けたら、仲間になっちゃいましたー!
みたいなあれよ!
「……」
とにかく名前ね!
ん〜白い身体に、黄金の瞳?
よく見ると綺麗な瞳だなぁ〜しかも可愛い。
どんどん話がズレて行く気もするけど、そこは気にしない!
いつもだったら「お姉ちゃんばか?」とか言われるけど、そんなことは無い!
「やっぱ寂しいなぁ」
いやいや、感傷に浸ってる場合じゃない!
ん〜黄金の瞳に白い身体……。
よし決めた!
「あなたの名前は華よ! よろしくね」
「安直過ぎな気がするんだが……紗希よ、それに私は猫などではない」
「華が喋った?!」
「念話をしただけだ」
ほ〜なるほど。
つまり、直接頭に話しかけていると。
ふむふむ。
でも、どうみたって猫でしょ?
「それで、なんで華が喋れる様になったの?」
「うむ、それは私と契約をしたからだ」
えっいつ契約したの?
どう考えたって、何もしてなくない?
あっ名前かな?
多分そうだろうな……よし、考えるのやめよ。
「混乱するもの無理ないが、とりあえず食料と水を確保した方が良さそうだな」
「お〜華ってば優秀〜! どの道お腹すいてたし、喉乾いたし、それに歩き疲れたし」
「では紗希、私に乗るといい!」
「はぁーい」
結局、華に乗せて貰って移動してるけど……まぁ良いよね。
颯爽と駆け抜ける華は、とても速く木々の合間合間を縫って進んでいく。
風で息が出来ないかと思ったけど、全然そんなことは無く普通に息できることに驚いた。
華のことだから、村には行かないだろうな? と思ったけどどうしてだろ?
「紗希、今向かっているのが森の奥深くに聳え立つ世界樹だ。そこで、果実や近くに流れる水を飲むといい」
「うん、わかった!」
それにしても、華の毛並みって気持ちいいなぁ〜。
気持ちいいし、暖かいから眠くなって……。
…………
「目が覚めたようだな」
あれ?いつの間に寝てたんだろ。
あっそっか、華の毛並みが気持ちよくてそれでいて暖かったからかも。
だめだ……もう少しだけ眠ろう。
「ごめん、華……もう、すこし……」
「そうか」
…………
夢を見た。
いつもの様に、お父さんとお母さん、それから皐月が朝ごはんを食べてる。
あ〜良いなぁ美味しそうなパンだな〜。
あっ皐月ってば、朝からプリン食べてる!
良いなぁ〜。
あれ? でもおかしいな?
夢なら私の座る席にも、朝食あるよね?
なんでないんだろう?
なんでかな?