第1話 出会い
拝啓……お父さん、お母さん、皐月、元気にしていますか?
私は今、この異世界に来て平穏な生活を送っています。
初めは前途多難だったけど、今は本当に平穏に暮らしてます。
色んな人達と出会い別れを繰り返し、新しい家族もできました。
あとは色んな場所を旅して、たくさんの新しい発見や楽しい思い出も出来ました。
もしまた会えるなら、その時は旅の話とか新しい家族の話をたくさんするね!
追伸、私は昔っから緑茶より紅茶派だからね!
紗希
………
目が覚めると、薄汚い服を着て片足に鉄球の付いた足枷を付けた小さな女の子達がいた。
周囲を見渡すと木の箱? の中に閉じ込められている。
時より激しい揺れを感じる辺り、恐らく馬車の中だろう。
いやいや、どこの中世時代よ。
それに、みんな小さな女の子じゃない!ってあれ?
ん〜自分の手を見ると、明らかに小さい。
「えー!」
私の大きな叫び声に周りの女の子達は、ビクッとさせる。
その直後に、「うっせー!騒ぐんじゃねー」と大きな声が外から聞こえた。
すると、女の子達は震え上がっていた。
あちゃ〜不味ったな、みんな震えちゃってるって言っても私もか。
と言うか、かなりやばい気がするんだけど。
とりあえず逃げよう! でもどうやって? ん〜。
考えていると急に馬車が止まった。
どうも外が騒がしい、「魔物だ、魔物が出た」と叫んでいる。
騒いでる人数からして恐らく5人? 6人くらいだろう。
ちょっと待てよ、これって逃げるチャンスじゃない?
私って、かなり幸運じゃない?
でも、どうやってここから出る? あ〜魔物が扉壊してくれないかな〜、でも都合良すぎるか。
次の瞬間、物凄い勢いで扉が壊された。
辺りは森?の中のようで、辺りは薄暗い。
暫くすると辺りは唐突に静まり返った。
「よし、これは逃げるチャンス!」
立ち上がり周りの女の子達を見るがどうも動く気配がない。
何でだろうと不思議に思って、1人の女の子の顔を覗き込むと廃人のような瞳をしていた。
仕方がない、これは1人で逃げるしか無さそうだ。
それに、またいつ同じように捕まるか分からないし。
奴隷生活なんてぜっ……たいに嫌だね。
そもそも、これって最近流行ってるラノベとかの異世界転生ってやつでしょ?
なーんで私がこんな奴隷からスタートなわけ?
ちょー意味分かんないんですけど!
文句を言っても始まらないのは分かってはいるものの、やっぱりムカつく。
「さて、降りますか」
幸運にも壊れた扉は、良い感じにスロープになっていて普通に降りることが出来た。
周りを見渡すと薄暗い森が永遠と広がっている。
とりあえず、この足枷の鉄球重すぎ!
鍵を探すのも面倒だし。
かと言って外さないと重いし。
「まぁなんとかなるかな?」
とりあえず、適当に歩いてたら村の1つや2つあるよね?
………
体感時間で30分程。
待ってこの身体、体力無さすぎじゃない?
これ無理、村に辿り着く前に倒れるわ。
休憩してまた暫く歩いていると、目の前に大怪我を負った大きな白猫が横たわっていた。
見るからに苦しそうで、今にも死んでしまいそうなそんな状態。
ん〜この子を治せたら私の足になってくれるんじゃない?
良いねそうしよう!
そしたら、薄暗い森から脱出出来そうだし。
でもなぁ〜どうすれば治るかな?
白猫に触って「治れ!」とか言って治ったりして……。
めちゃめちゃ警戒してる白猫をほっといて、私は大怪我をした白猫に触る。
「治れ!」
すると、何事もなかったかのように白猫は元気になった。
そして、私の顔を舐める。
えっ都合良すぎる。
なんでもありなの?
いやいや、流石にダメでしょ。
こんな都合良すぎる展開は、世間一般ではありえないって言うんだよ?
それがこうも都合良くなってしまうと……逆にこの先心配だな〜。
ならさぁ「足枷外れろ!」……もうなんでもありなのね。
「はぁ〜」
この際だ全部試そう!
先ずは「身体全体が綺麗になれ!あと今着てるのも!」
おぉー綺麗になった!
しかも、髪も綺麗になったし!
よしじゃあ「お金よ出てこい!」……まぁさすがにね、出てこないよね。
ちょっと残念と言うか、かなり残念だけど仕方がない。
一通りと言うか、試したかった事はやったから村まで行こうかな?
「ほら白猫ちゃん、さっさと追いき」
足にしようとは考えたけど、実際にするのは可哀想だしね。
無理矢理だと動物虐待にもなるし。
そうなると色々面倒だし。
今回、初作品になります。
のんびり更新していきますので、気長によろしくお願いします。
小説を書くことが初めてなので、感想やアドバイスなどお願いします。






