表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

学園卒業式前夜祭~第三王子っておつむ弱い?~

作者: 花朝 はた

学園の卒業を控えた前夜祭で、バカ王子が婚約者を冤罪で断罪して婚約破棄をしようと画策します。

王族として相応しい行いでしょうか・・・。ただ暴れたいだけの夫婦が登場して介入します。

 ここはオルランド国内でも一位二位を争う学園だ。能力は高ければ良い。高い能力を示すことができれば、身分によらず入学ができる。


 ただし、能力によらないでも入学を許される場合はある。


 王制を敷くこの国では、王族は能力が低くても入学を許されるし、その王族の側近候補となる者も無条件という言葉に近いのだが、入学を許される。


 だが、入学はできても、卒業できるとは限らない。側近候補だろうと、そして王族だろうと、卒業できないものは居る。

 そう、今宵のような卒業前日のパーティ後に卒業が取り消されるものもいるのだ。


 その学園の卒業前夜に行われるパーティは、学生が企画構成し、卒業生を送り出すためのイベントだ。かくいう私も在校生として企画し、そして卒業に際しては送り出してもらい、少しだけ、そう少しだけ感動して目頭が熱くなったものだった。


 「・・・何カッコつけてるのよ。大泣きしてたくせに」


 うおっ、こんなところでそれをばらすなよ・・・。


 「・・・いいんだよ、感動したのは事実だから・・・」


 妻がばらしたことで、カッコつけられなくなったのは事実だな・・・。立場があるんだよな・・・。


 「・・・?」


 軽やかなダンスのための音楽がざわめきと共に唐突に止まる。


 なにかあったのか・・・?妻に泣き言を言おうとしていた口を閉じ、正装して楽し気にダンスしていた学生たちの中央に進み出る影があるのに気が付く。


 「・・・あれは・・・」


 私の思わずつぶやいた言葉を引き取ように、妻が後を継いだ。


 「第三王子よねぇ・・・」


 「・・・歓談中のところ、申し訳ない。また踊っている最中に邪魔をさせてもらおう」


 第三王子は皆の視線が十二分に集まったことを意識しているのか、口の端を吊り上げ憎々し気に周りを睥睨するかのような視線と物言いで声を張り上げて、言っている。


 「なんだ、偉そうな物言いだな」


 思わず呟きが漏れる。


 「・・・あれ、自分が注目されているときの言い方よねぇ・・・」


 妻も彼の発言を軽んじたかのように微かに鼻を鳴らしている。・・・品性を疑われるから、それはやめろって。


 「でも中身大したことないのよね」


 妻の断言に苦笑してしまう。妻の表情は見なかったが、ニヤついているのだろう。・・・やめろって、ほんとに。お前が軽く見られると苦労するのは夫である私だぞ。


 「・・・私はこれまで我慢に我慢を重ねてきた!だが、もうそれも限界を超えた。ある一人の学生の振る舞いに、だ!」


 理解できない言葉を聞く。思わず愚痴めいた言葉が口をついて出てしまった。


 「・・・何言ってる?我慢なんてしたこともない癖に、我慢を重ねただあ?」


 「しっ!静かにして」


 「・・・」


 私が口を閉じると、妻が軽く頷いた。


 「それでいいわ」


 「・・・私の傍に来てくれないか、ルイーザ・コルシーニ嬢!」


 「はぁい、殿下ぁ」


 タキシードを着た長く伸ばした金髪を首の後ろで束ねた学生らしい背の高いが痩せて貧相な体の取り立てて目立つ要素のない男と、赤い髪の、胸と尻のデカいおつむの弱そうで品性を疑うような胸と背中の大きく開いた赤いドレスを着た可愛らしい表情の女子が、呼ばれて王子の傍らに立つ。


 「・・・なんだ?あの女の方は娼婦か?だが、学生以外は招待客だしな・・・。あんな気味の悪い学生が居るのか・・・」


 「・・・ふーん、なるほどねぇ。あれが、例の、なのね・・・」


 妻の呟きの意味が分からない。


 「・・・」


 王子が女子を見て鼻の下を伸ばしている。・・・なんだあいつ、あんなのが趣味だったのか・・・。ちょっと訳が分からんな、品性を疑うわ・・・、あいつの趣味、まるでエロ爺そのものじゃないか!  


 「・・・私はこの学園で勉学に励んできた」


 うそつけ!学園の噂を聞いたぞ。王子は勉学を軽んじていたと口々に言っていた。学生たちはもちろん、教師たちも王子には再三注意をしたようだが、王族だと開き直り、聞き入れなかったと・・・。学園の在籍者たちに同情するよ。


 「皆で課題に当たり、最善の道を選び、実践したのだ」


 ふーん・・・。本当ならよかったな、第三王子・・・。王族として他の者を率いたことすらなかったと報告されたが、あれはなんだったのかな?


 「だが、そんな私に従わず、反抗したものが少なからず居た」


 うん?その言葉の意味、分かって言ってるのか?誰も率いていないと聞いていたぞ。身勝手で、自分で判断をせず他人に判断させていたと聞いたのは、私の空耳だったか?


 周りの学生の反応を見る。・・・あ、やっぱりな。王子というだけで間違った判断をするのでは言うことは聞けないということなんだろうな・・・。露骨に顔をしかめるのが大半だわ。皆が王子と距離を取ってるじゃないか。こいつ、嫌われもんじゃないか!


 「私には入学後、親しくなった者が居た。王子という色眼鏡で見ないその者の姿は非常に好ましく思えたのだ。

 だが、その者を辱め、酷い虐めをしてのけた学生が居た。私はその者を許せなかった!その学生を、今夜、この場を借りて断罪したいと思う!今しばらく私に付き合ってくれ!」


 「・・・」

 「・・・」

 「・・・はあ・・・」

 「・・・嫌だって言いたい・・・」

 「・・・おばかよねえ・・・」

 「・・・婚約者の令嬢のこと、言ってんのか?」


 おおう。溜息ばっかり聞こえる。幸せが逃げるぞ・・・。皆嫌そうな顔になってるじゃないか・・・。本当にこの王子、嫌われているんだなぁ・・・。思わず遠い目になっちゃうぞ・・・。


 王子が周りを見回し、そして一人の学生に目を止めて、気味の悪い笑いを浮かべた。にたりと笑った様が、まったく嫌らしく、品性を疑ってしまう・・・、少なくともお前、王子だろ?


 王子が、この前夜祭のためにドレスを纏った一人の女子学生に近づく。


 「・・・やっぱりなあ・・・」


 ざわついていた学生たちが一斉に溜息をつく。


 近づいてくる王子を見ていた女子学生の方は表情を消している。だが、嫌そうな雰囲気は消しきれていない。ああ、彼女は・・・。


 目の前に立った王子を、彼女は一瞬だけ見返していたが、王子が口を開く前に流れるように礼をした。王族に対するその礼は、深く膝を曲げて頭を垂れるものだ。この場合、国王に対した時であれば、言葉がかけられるまで頭を垂れたままにするが、王子、それも第三王子では最上位にはなりえないため、膝を曲げて頭を垂れて動きを止めた後、すぐに元の姿勢に戻ることができる。


 深淵を覗き見たときのような吸い込まれそうに見える碧色の瞳の切れ長の目が涼し気で、整ってすぃっと伸びた鼻梁といつもはバラ色に染まった頬が可憐だ。小さめなピンクの形の良い唇から出る耳に心地よい声。さらには白く透き通るような肌の首の細さがいつも折れないかと心配になるほどだ。金色の髪は日の光が当たると赤くキラキラ輝く。


 そんな女子学生に対する第三王子は、王族と言われても到底信じられないような下卑て性根が腐ったような表情で、目の前に立つ彼女を見ていた。


 「・・・マリアンジェラ!貴様との間に結ばれた婚約を破棄する!貴様のような品性の低い女に、王子妃となる資格はない!」


 ちょっとだけ見目の良いこの国の第三王子が嫌らしい笑みのままで喚きだす。


 私はその喚き声に相当イラっとする。

 美しくない、それに迷惑だ。体を動かしかけて、何とか体を無理やりに止める。先程来の言動に腹が立ってきていたが、我慢だ。我慢、我慢・・・。


 「・・・ピエトロ殿下。このような席で、どうして婚約破棄などと・・・。他国の大使の方々や我が国のアドルフォ国王陛下が列席なされておりますのに、突然何を仰られているのですか?」


 おうおう、なかなか理性的ではないか、マリアンジェラ・パラヴィディーノ公爵令嬢。さすがは年間最優秀学生賞争いに顔を出すだけはある。生来の、物に執着しない性格が災いし、また面倒を嫌うところからいつも手を引いてしまう悪い癖が出て、賞を取ったことはなかったが。さらには案外恥ずかしがり屋でもあることから、目立ちたくはなかったのだろうな。


 隣の妻がイラついたように頭を微かに左右に揺らしている。横目でちらりと妻を見ると、妻も頭を微かに振りながら見返してきた。微笑んでいるが、目が笑ってないな。妻は何かを知っているようだ。視線を動かすと、体の前で握りしめた両手に、力が入りすぎ、血色がよいはずの手が白くなっている。視線を妻の顔に戻し、飛び出して行きそうな妻に、目だけで制止をかける。


 妻が軽く目を剥き、それからややあって微かに目を伏せた。まだ動く時ではないことを理解してくれたようだ。今までの言動では王子の失態とまでは言えないだろう?


 相当苦労しながら、妻が体の力を抜いているのを目の端に納め、視線を会場の中央辺りで公爵令嬢と対峙する第三王子に注ぐ。


 「貴様は、我が最愛のルイーザ・コルシーニ嬢に酷い虐めをしていただろう!言い逃れは許さんぞ!」


 「・・・さっぱり訳が分かりませんわ・・・」


 王子の言葉を聞いて眉を顰める公爵令嬢。さぞかし醜悪な表情になるかと思ったが、美しい少女は神にでも愛されているのか、醜悪には到底見えなかった。反対に、顰められた顔の表情は別な美しさを示し、その表情を見た貴族の男どもはまたざわめいた。


 「わたくしはそのようなことはしておりません」


 「・・・言い逃れをするなと言ったはずだぞ!貴様がルイーザを虐めていたことはルイーザから聞いてわかっている!虐めをするなど性根の腐った女め」


 ・・・なんだ?本人から聞いた?裏は取っていないのか?王子が自信満々なのは、裏を取ったということか?・・・いや待て、そんなこと前に、虐めだあ?いやいやちょっと待て。


 そうだ、虐めたとかのことよりももっと先に大事なことがあるよな・・・。そもそもそのルイーザとかいう令嬢って誰だ?コルシーニって?記憶にないんだが・・・。お隣の国の貴族か?それとも・・・?


 「・・・言い逃れなどは致しておりません。お聞きになっておられましたか?わたくしは、そちらの場違いな正装をしている方への虐めなどしておりません」


 「はっ!そう言うと思った。でが、お前が虐めをしているのは事実だ!」


 「・・・どうしてわたくしが申しあげることを、殿下は受け入れていただけないのでしょう?」


 軽いため息とともにこぼされたが、王子は聞き流すと決めたようだ。愚かだな・・・。


 「受け入れるも何も、虐めを認めない時点で、お前は嘘をついている。だから受け入れられないのだ!はっきり言え、はっきりと!虐めをしていましたと!」


 「・・・はっきりですか。わたくしの言葉を受け入れぬと言われている殿下に申し上げても仕方ないと思いますが、まあ、敢えて、申し上げましょうか・・・」


 可哀想に、公爵令嬢、虚しさで体中脱力してるじゃないか・・・。


 「そもそもわたくしはそちらのお方、ルイーザ・コルシーニと仰るお方のことを存じ上げないのですが・・・。こうしてお話をするのは、初めてなのです。わたくしが存じ上げないその方は、お隣の国の貴族の方なのでしょうか?」


 「なっ!どこまでルイーザを馬鹿にすれば気が済むのだ!こんなに可愛いルイーザを知らぬなど、有り得ないだろう!お前との婚約を破棄した後の次の相手にするつもりだ!」


 王子ってこんなにバカだったか?答えの焦点がずれてないか?


 「・・・殿下ぁ、わたしをぉ、次の相手にぃ?・・・うれしいぃ、ですぅ」


 王子も馬鹿だが、この女も馬鹿だわ。これはこいつらまとめて地に埋めた方がいいかもしれん。って、言うか、誰だよ、こいつ。説明しろよ、第三王子!この女の正体がわからないんだよ!


 「・・・平民よ。歳は王子の一つ下」


 隣で妻が囁く・・・。


 「・・・」


 「実家は比較的裕福で、家庭教師をつけて入学に必要なそれなりの知識を身に着けたらしいわ。ただ学園に入ってからは、玉の輿狙いらしく貴族のバカ息子に声をかけ続けて成績は最低になった様子よ」


 「・・・」


 「・・・彼女は次回の成績次第では、放校になるかもしれないわね。本人には学園から説明があったみたいだけど、王子と良い仲になれればもう学園に残らなくてもいいと考えている節があるわ」


 何んとか表情を動かさずに報告、というか説明を受ける。こんなことになってたら、遅すぎて工作できんじゃないか。どうしてもっと早く教えてくれなかったんだ。


 「・・・そんなこと一切知らないぞ・・・」


 「・・・学園長がちゃんと報告してたはずよ。第三王子の行動が相当危険水位に来てるって・・・」


 「・・・」


 「・・・あなたは第三王子の行動に関心を払わなすぎるわ。事情についてはわかってるけど、幼いころはあの子だって認めてもらおうと必死だったこと、私は知ってるわよ・・・」


 ちらりと咎めるような視線を感じるが、もう今更だ。私は第三王子の出自を歓迎できないのだ・・・。


 「・・・ははっ、そういうことだ、マリアンジェラ!私はこのルイーザに出会って、私の相手はルイーザが良いと切に思ったのだ!マリアンジェラの体もいいがな、ルイーザの方がさらにメリハリが効いていて、そそられるのだ!」


 あ、バカ王子の馬鹿な暴露が続いてたか・・・。王太子と第二王子はまともなのに、どうして第三王子だけ馬鹿なんだろうか・・・。親が育て方間違えたのだろうな・・・、いや、疑問じゃないな。間違えた、が正解だ!


 「・・・低俗な方だとは思っておりましたが、このような席でのそのような暴露など、何も考えておられないことは明白でしょうね。・・・もう婚約破棄は受け入れますので、二度とわたくしに構わないでくださいませ、殿下」


 公爵令嬢が話しながら半歩下がった。あれ、気味悪くなったんじゃないのか?


 「・・・嘘なのだろう?受け入れると称して、未練を残したお前はルイーザをまた虐めるつもりだろうが、そうはいかん!」


 話、聞いてないのかな、王子?お前は気持ち悪いと言われてるんだよ。もう構うなとか言ってるぞ。わかってる?


 「・・・マリアンジェラ・パラヴィディーノ嬢。王子に縋りつきたい気持ちはわかりますが、あなたはルイーザのような美しさも可憐さも持っていないのです!王子のお相手をするには、少々役不足というところなのですよ!」


 「・・・」


 誰だ?・・・ああ、あの王子の傍に立ってた奴か。・・・ていうか、誰だよ、あとからあとから変な奴ばかり沸いて出やがって。


 こいつもおつむ弱いのか?第三王子と公爵令嬢の話に口挟むなよ、不敬だぞ。・・・こいつ、どうしてこんなに偉そうなんだ、そしてどうしてこいつら、公爵令嬢の言うことを正しく理解しないんだ!


 第三王子、残念過ぎるな・・・、こんなのと一緒にいるのか。側近とかいう制度、考え直した方がよかないか?


 「・・・彼はね、第一騎士団団長タリアーニ伯爵の令息であるジェネジオ・タリアーニよ」


 妻の言葉が聞こえる。解説ありがとう、でも関心なかったんだよな、だからわからないんだよな・・・、決して歳のせいで記憶が衰えたとかじゃないよな!


 こいつら、学園でこんなことしか学んでないのか?もったいないよな。なんだか猛烈に腹が立ってきたな。茶番が長いよな。って、相当イライラしてきたから、昔のように振舞ってもいいかな?


 「・・・あなた、自分だけ、勝手ですよ・・・」


 妻がこっちを横目で見ながら、ほとんど口を動かさずに言う。


 「うっ・・・」


 妻にはかなわんな。良いところも悪いところも知り尽くしてるからなぁ・・・。


 って、近衛、いつでも動けるようにしてるつもりか?妻の手が届くところに妻の剣を捧げてるんじゃないぞ!ここで妻が暴れたら、修羅場だぞ!


 いうことを聞くかと思ったが、睨みつけると、周りの近衛が寄ってたかって妻の近侍の近衛を下がらせる。この馬鹿、左遷だ。辺境に送ってやる。ちらと顔を覚えるため近衛の顔を見ると、最近売り出し中の男前だ。ああ、こいつ妻の信奉者だったな・・・。なんだか一辺に空しくなったぞ・・・。


 「マリアンジェラ!もう一度言うぞ!ルイーザに謝れ!虐めたことを、だ!」


 また、王子の喚き声が響く。第三王子の独りよがり劇場、まだ続いているらしいな。・・・イライラも我慢しきれないところまで来てるぞ。


 来賓としてきたために、動けないのがもどかしいぞ。勝手に動くと学園の独自性が損なわれる・・・。それは許容できないが、このままなのも困るところだ。いっそ、障害にでも発展してくれないだろうか。そうすれば、介入できる。・・・ちょっと待て、学園長に国王が圧力かければいいんじゃないか?


 近衛たちへ視線を送る。なんだ、こいつら・・・。全員私の視線を外しやがった!・・・収容所にでも送るか、怠慢という罪状で。


 「・・・わたくしの言葉を聞かれていましたか?わたくしはそのルイーザというお方を知ったのはこの前夜祭においてですと申し上げました。学園で見かけることもないそのお方については、いることだけ知っているという程度です。そんなわたくしが、どうして虐めなどするのですか?」


 「・・・マリアンジェラ様ぁ、嘘をぉ、言わないでぇ、下さいぃ。私にぃ、罵声を浴びせたじゃぁ、ありませんかぁ・・・」


 こいつの間延びした口調はなんだよ!気持ち悪いな。もうでっち上げでもいいや、不敬罪で拘束しようか。


 「マリアンジェラ!ルイーザに謝れ!」


 王子が、傍らのタリアーニ伯爵のバカ息子に振り向く。あ、なんだか不穏だぞ。タリアーニ伯爵の家の教育はどういう教育なんだろうか・・・。おや案外動きだけは早いな・・・。まっすぐ公爵令嬢に向かったぞ。


 「あっ!」


 妻が思わずという声を上げる。


 「よし!やりやがった!」


 しまった、歓喜の声、上げちゃったぜ。だが、私は素早く来賓席から思いっきりパーティの中央に躍り出る。こいつら、目にもの見せてくれるわ!


 「こいつらを拘束しろ!王が動いたぞ!こいつら死なせるな!」


 焦った誰かの声がするが、もう、私は止まらんぞ!


 目の前には組み伏せられたマリアンジェラ・パラヴィディーノ公爵令嬢にのしかかるタリアーニ伯爵のバカ息子の姿がある。それに便乗するかのように、第三王子も床に伏せられた令嬢の頭の上に足を乗せようとしていた。このバカ王子め!婦女子の頭に足など載せようとするな!


 拳を握りしめ、第三王子を下から上にと振り抜く。


 あっ、しまった、私は魔導士だった!拳で殴っちゃった!


 そう思ったが、無事第三王子の身体が浮き上がり、後ろに飛ぶと床にそのままたたきつけられる。それを確認してからちらっと横を見ると、妻がタリアーニ伯爵のバカ息子のこめかみを上から打ち下ろすかのように殴りつけていた。


 そのまま手加減してくれると・・・。


 そう考えたが、妻はそんな気は毛頭ないようだった。ふらついた伯爵の息子の鳩尾に拳をめり込ませる。浮き上がって、そのまま令嬢の身体から離れた男の腕を掴んで振り回した妻が、腕を掴み腕を伸ばさせると、体重をかけた!


 悲鳴が上がり、ごきっと音が響く。折ったんだな・・・。こわっ。ま、まあ、婦女子を組み伏せるなど男のやることじゃないからな、妻が怒るのもわかると言うものだ・・・、本当か?自問しちまったよ・・・。やりすぎじゃないか・・・、って絶対言えんな。


 「いやーっ、誰よ、私ぃの王子様を殴りつけたりするのはぁ」


 騒ぎ立てるバカを尻目に、床に叩きつられたままの姿勢で動かない第三王子が意識を失っていることを確認する。傍らで、妻が気絶することなく泣いていたタリアーニ伯爵のバカ息子を蹴り飛ばして、床に伏せさせていた。これでもう動かんだろうな・・・。


 「マリアンジェラ嬢、ケガはない?」


 妻が伯爵のバカ息子の腕を折った時と違い、天女のような笑顔で令嬢の身体を優しく労わりながらゆっくりと起こしている。


 「あっ、誰よぉ、そのおばさん!マリアンジェラさんはぁ、私をぉ、虐めていた人だよぉ・・・それにぃ、ジェネ君を殴りぃつけたりしてぇ、ひどい人だしぃ。このおじさんはぁ、ピエトロ殿下ぁを殴ったりぃしたよぉ!不敬でしょうぉ。騎士さん、どうしてこの二人ぃを捕まえぇ、ないのよぉ?」


 ・・・あーっ、イライラするわ。これから語尾を伸ばす話し方する奴は不敬だと発布するか!そうすれば安心できるかもな!


 ざっと周りを囲んでくる近衛たちが無表情のままでいる中、一人が前に進み出て、目線で尋ねてくる。私が微かに横に首を振ると、一瞬だけ不満そうな眼をしたが、何も言わず引き下がる。ただ、公爵令嬢の傍に移動すると、長剣の束を片手で握りしめたまま不動の姿勢になった。こういうところが勤勉なんだよな、近衛騎士団団長はな。それに今は卒業式前夜祭だ。楽しみにしていた学生もいるしな。血で汚したら可哀想だろう?


 妻が公爵令嬢を立たせた後、伯爵のバカ息子に、妻に近侍していた近衛の男前から渡された捕獲用縄で手早く後ろ手に縛りあげている。・・・おいっ、そいつ腕折れてるんだぞ、鬼か。


 視線に気が付いた妻がにこりと笑う。・・・やっぱ鬼だ。視線を妻から引きはがし、不服そうな表情をしている馬鹿女に向き直る。


 「・・・ルイーザとやら、お前、この私がだれかわからんのだな?」


 努めて優しく馬鹿に声をかける。


 「知るわけぇ、ないでしょうぅ。誰よぉ、あなたはぁ」


 私はそんなに人気ないかなぁ。顔覚えられてないのか?ちょっとだけ落ち込むぞ。


 「・・・ふむ。ならば今から覚えよ。私はアドルフォ・オルマンドだ、この国の国王をやっている者だ」


 「・・・ひっ」


 ん?一瞬間があったな。私の名を理解できなかったとかか?え、まさか、この国の国王である私の名を知らないとか、あるのか・・・?


 「・・・ついでに言っておこうかな、お前がおばさん呼ばわりしたのは、私の妻であるクラリーチェ・オルマンドという。この国の王妃だ」


 「・・・」


 お、顔が白くなったな。だが、何故妻のことは知ってるんだ!


 「・・・そこで伸びてるピエトロ・オルマンドは私達の息子に当たるよ、一応義両親だが」


 「う、うそぉ・・・」


 あ、こいつ、私の言葉を疑いよった、不敬で捕えよう・・・。


 私の視線が団長に向くと、こくりと頷き、手まねで騎士にルイーザという娘をとらえさせた。


 「な、なにぃ、するのよぉ」


 「公爵令嬢に対する不敬罪で、お前を捕らえる。・・・お前はこのまま牢に入れられ、処罰が下るまで外には出られん。貴族たちによる協議に基づき、量刑が決められる。もちろん情状酌量されることもある。国王の裁定による減刑も、そして量刑を増すこともある。心しておけ」


 近衛騎士団団長が重々しい口調で彼女に告げる。王に対する不敬ではないのか、ちょっと残念だ。


 「な、なんでよぉ・・・」


 「貴族に対する不敬は重い罪なのだ。確かに民を守る立場にある貴族だが、そのために重い責任を負っている。戦では率先して戦うことが求められ、民のために死ぬこともある。そんな存在にお前は不敬をはたらいた。生きられるとは限らないことを理解しておけ」


 団長の言葉が重々しく響く。


 その言葉に、貴族たちは頷き、平民は息をのむ。それはルイーザという娘も同じだった。


 ちらりと団長が私を見た。肩をすくめてから頷くと、団長が低く騎士たちに命を下した。


 「連れて行け」


 拘束された娘と第三王子、そしてタリアーニ伯爵のバカ息子が騎士たちに連れて行かれると、所在無げに立っていた公爵令嬢に向き直る。


 「・・・」


 マリアンジェラ・パラヴィディーノ公爵令嬢がドレスの裾を両手で摘まみ上げ、片膝をほとんど地につけるように曲げて、腰を落とし頭を深く深く垂れる。


 「公爵令嬢、面を上げてくれ。そなたにそれだけの礼をされる身ではない。ピエトロは私の子ではないが、私とは血の繋がっているのは間違いない。そして、あのような相当おつむの弱いやつだとは思っていなかったのだ。

 ・・・いや、おつむが弱いことは知っていたが、あれほどの弱さだとは思っていなかった。誠に申し訳ないことをしたと思っている」


 一気に話した私の言葉に、体を伸ばし、頭を上げた公爵令嬢が笑顔で答える。だが、目が笑っていないため、相当怒っているようだ。・・・後で妻に懐柔してもらおう・・・。


 「・・・陛下にも思いもよらないことがあるのですね、安心致しました。ですが、わたくしはピエトロ殿下のお守り役として陛下に選定されてから公私に渡り支援してきましたが、それが殿下にはお気に召さなかったようです」


 「・・・」


 相当頭に来てるらしい・・・。婚約者にしたことで恨まれているとは思ってもいなかったぞ。


 「先ほど殿下より、婚約も破棄するとのことでしたので、今までの殿下がお気に召さなかったことを反省する意味も込め、我が公爵家の領地でこれからを過ごしたいと思っております。詳しいことはわが父から奏上致しますが、陛下、奏上されました折にはそれをご裁可下さって、許可して頂きますよう、お願い致します」


 「・・・いや、それを認めることはできぬ」

 

 「・・・そのわけをお聞かせいただけますか?」


 令嬢の目が細められる。


 「・・・そなたのことは私ではなく、王妃が裁定している。私から後日話させてもらうが、それは私の妻の考えだ。そして私は王妃の裁定に従う」


 私の言葉を耳にした公爵令嬢は、一瞬だけ呆気にとられた顔をしたが、その後笑顔になった。


 「・・・ふふっ、陛下は傭兵をなされていた時から、クラリーチェ様には頭が上がらないと聞いておりましたが、やはり今でもその通りなのですね」


 「・・・な、なんのことかわからんが、令嬢の裁定は王妃、令息の裁定は私と決めているのだ」


 一瞬だけ、言葉に詰まったことが周りにわかってしまったようだ。くっ、一生の不覚・・・。


 「剣姫クラリーチェ・カノーヴァ伯爵令嬢と言われた頃の王妃は、前に立ちたがる先代王の第三王子が傷つかないように常に兵達の先で戦い、王子を守っていたのでしたね」


 「・・・誤解ですよ、マリアンジェラ嬢。陛下は関係ないのです。わたくしは兵の前に立つことで傭兵としての稼ぎを増そうとしただけなのですよ。あの当時の第三王子など、傭兵としての腕はわたくしの足元にも及びませんでしたわ」


 公爵令嬢の言葉に、妻が口を挟む。何を言うのか・・・。確かに私の前に立とうとはしていたが・・・。だが、私の大規模魔術で先制攻撃して敵の数を減らしておいたお陰で、妻の危険は格段に減っていたはずだ。


 「それはない。私は魔導士だ。そしてクラリーチェは剣士。私の方が大人数を倒せる、魔術でな。だからいつでも前に立とうとしただけだ。そうすれば味方は傷つかずに済む」


 「・・・負けず嫌いなんだから」

 「・・・負けず嫌いなのですね」

 

 「「陛下は」」





 私が前夜祭を騒がせたことを詫びた。さすがに公爵令嬢は公爵家に戻ったが、それ以外の学生たちは、余興としてとらえてくれたのではないかと思う。というか、余興と言い切ったのが私なのだから、認識しろと言ってはいないが、認識しろというところだ。


 騒ぎの元であるピエトロは王城の地下牢に一時的に入れ、ピエトロが側近としていたジェネジオ・タリアーニは騎士団団長のタリアーニ伯爵に裁定を託した。


 当初伯爵は武人なため、自刃したがっていたが、王命でそれは止めさせた。団長の位だけ剥奪し、無役とはさせてもらった。長らく団長の位に居た伯爵だが、自分の子の教育を誤ったことの責任は軽くはない。前に言ったように、貴族は重い責任を負っているからだ。伯爵自身にも反省をしてもらいたい。


 それから、ピエトロの王子としての権利と義務を剥奪し、元の親元に返すこととした。と言っても、ピエトロの母親は、貴族としての自覚に欠けるということで一生涯を貴族牢で過ごすことになっていたため、父方の貴族家に預けられた。まあ、実のところ父方の貴族家は、ろくでもない人物なのだが、このピエトロを担いで、何かしらの動きをするのではないかと少しだけ期待している。


 策士というわけではないが、私に反感を持つ者達に連絡を取り、反対勢力を作ろうとしてくれれば王命でそいつらを潰せるし。


 ピエトロには反対勢力の炙り出しに本人の許可なしでだが、協力してもらおう。その先には、待っているものがあるかもしれないのだが。


 あの、なんとも間延びした話し方の娘の方は、リシーデとかレイーズとか言ったのだったか・・・、とにかくその娘は、王族を惑わせた罪で禁固刑とした。親の家も家財没収で禁固刑としたが、人知れず消えることだろう・・・。これは闇の中に葬り去られる類のことだ、興味を持つな。


 一連の騒ぎが収まった今、王宮のテラスで久しぶりにゆったりと時が流れている午後を過ごしている途中だ。


 「・・・ねえ、まだ許していないの?」


 妻が久しぶりに二人だけのお茶会を開いてくれたので、喜んで参加をしたのだが、憂い顔で尋ねてきた。


 ・・・許す?誰を?ピエトロか?ピエトロなら許すわけないだろう?私はマリアンジェラ嬢を好ましく思っている。あの公爵令嬢を王族に加えられるのならとピエトロとの婚約を推したのに、あの体たらくだ。


 「・・・ピ」


 「エトロじゃないわ。あなたのお姉さま、フィアンメッタ様よ」


 途中でぶった切ってくれたな・・・。だが、聞きたくもない名前を言ったな。


 確かにピエトロには王家の血が流れている、それも私と同じ血が。

 

 だが、ピエトロは私とクラリーチェの子ではない。あ、ちなみに私の浮気の子でもないし、妻の不倫の末に生まれた子でもないぞ。


 説明すると、ピエトロは私の姉フィアンメッタの不倫の末に生まれた子だ。私の姉は少しおつむが弱かった。


 私が王位に就いた後、一時期私に敵対する派閥の勢力が増し、対策に苦慮したことがあった。今は敵対派閥は徹底的に王権を振るって粛清したので表向きは大人しくしているが、粛清する前はまあ、割と意気っていた貴族が多かった。


 なので、そいつらが幅を利かせるためにシモの緩い姉に目を付けたのだ。容姿が少しだけよかった姉はちやほやされると舞い上がってしまう悪い癖があった。それで誑し込まれ、私がつけて婚約までさせてやった誠実な伯爵を裏切り、不倫をした。その不倫の末に生まれたのがピエトロだった。


 この国では貴族には貴族典範という規律があり、それで縛られているが、貴族の当主夫人の地位は貴族に帰属するものとしてあまり高くはない。ただ姉はさっきも言ったようにおつむが弱かった。見え透いたお世辞や男の見てくれにたいそう弱かった。


 貴族典範には当主夫人の不倫を認めていない。そして確かに私は姉の行状に気が付いていなかった。私がつけた伯爵は誠実な男だったが、私に対して遠慮が過ぎた。知らない間に不倫された伯爵は私に姉の行状を言えぬまま、クズ男の種をはらんだ姉をそれでも大事に養っていた。


 ピエトロが生まれたとき、私は愚かにも伯爵のとの間に生まれた子だと喜んだ。だが、伯爵家の親族から申告があり、それによって事実を知った私は怒りに任せ、即姉と逢瀬を重ねていたクズ男を背景を吐かせるために捕らえた。もちろん、誑し込まれた姉も私は許しておかなかった。伯爵は慰労したつもりだったが、まじめな男だった伯爵はそれを苦にし、伯爵はある日川に入水して亡くなった。伯爵が自殺さえしなければ、姉の処分はもう少し緩くしていただろうと思う。


 姉を誑し込んだクズ男は、口をきけなくし、去勢して、今は姉の世話をさせている。牢で姉を誑し込むことを命じた貴族を特定させた後、それを白状したことに免じて命までは取らないことにした。


 黒幕は裕福な領地を持った侯爵家で、私を表向きは支援していた家で、裏では反対派を束ねる存在だった。


 彼には同盟国に起きた国境付近での紛争の調停を命じ、その調停が不調に終わったことを理由に領地を取り上げ、さらに私腹を肥やした罪で侯爵位も取り上げた。ある程度の期間を設けた後、最下級の爵位を待たせた後、辺境地方の一地方代官として派遣した。その地方は自治を求めて運動していたところで、案の定強権的な統治を行った代官のせいで、武力闘争に発展した。闘争の最中、代官は襲撃されて討ち死にし、私は王として反対派の貴族たちに討伐を命じて・・・。まあ、駒として扱ったことで、反対派の貴族は紛争の末に軒並み名誉の討ち死にをしていったことになる。そういうわけで、反対派はもう今は虫の息だ。


 「・・・許す?あいつを?なぜ?」


 私が答えないでいると、妻は目に哀しみをたたえてため息をつく。


 「あなたが、レアンドロ・フォルキット前伯爵を失って悲しんでいることはわかるけど、もう許してもいいと思うのだけど?」


 レアンドロは私の乳兄弟だ。いや、だった。だから、私の側近として引き上げた。傭兵として戦闘に出ていた時は、背後を守ってもらったほどだった。


 私は敵対したことのない姉を大事に思っていたから、レアンドロなら姉をまかせられると思っていた。だが、姉はレアンドロを裏切り、そしてその裏切りで王となった私を裏切ったのだ。


 「・・・あいつを許すという言葉を私は持ち合わせていないよ。こればかりは、クラリーチェの頼みでも駄目だ」


 「・・・あのまま死なせるつもり?」


 その言葉に私は答えなかった。・・・だが、答えなければ答えないで、妻は私の答えを察するだろうと思う。だから、露骨に話題を変えた。


 「・・・そんなことより、マリアンジェラ・パラヴィディーノ公爵令嬢の相手は決まったか?生半可な相手じゃだめだぞ」


 「決めたわ」


 あっさりと答えた妻を見る。私の視線にひるむことなく見返してきた。・・・相当いい相手らしいな・・・。


 「お隣のオーギュスト・ギヴァルシュ王太子なんてどう?ギヴァルシュ大公国なら同盟国だし」


 私の脳裏にあの怜悧な風貌を思い描いた。銀色の髪に青い瞳の美男子だ。冷たい表情から、怜悧の魔導士とか呼ばれている。あ、いや、あの呼び名は私についた呼び名だったんだが・・・。いつの間にか違うものにつけられた呼び名なんだな。もう私は過去の人とでもいうよな感じだよなぁ。ちと寂しい。だが、ま、魔導士としてはなかなかのものらしいし、彼なら公爵令嬢の相手も勤まるだろう。だが、あの王太子が公爵令嬢を大切にしてくれるか?我が国の至宝だぞ、彼女は。


 「・・・いいんじゃないか・・・と思う」


 「歯切れが悪いわね」


 「・・・マリアンジェラ嬢を大切にしてくれるか?それが大事だが」


 「・・・あなた、オーギュスト王太子がマリアンジェラ嬢を見るときの眼に気が付いていなかったの?相当熱いものだったわよ」


 「・・・なるほど。大切にしてくれるだろうな、そういうことなら」


 「ええ。迷惑をかけたしね、あとはマリアンジェラ嬢が受け入れてくれれば、と思う」


 「そうだな」


 他愛のない話にそのまま移行した王宮のテラスには、またゆったりとした時が流れ始めている。こういうときがいつも流れればよいなと思う午後のひと時だった。


少々、最後のところが説明っぽくなってしまいました。ですが、第三王子がどうしてあんなに冷たくされていたのかを書こうとしたところ、あんな感じになってしまいました。長編にした方が良かったかもしれません。いずれ、自分の気持ちが決まったら同じ登場人物で書き直すかもしれません。ですが、話は違うものになるでしょう。その時は、よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ