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雲の上学園生徒会記録  作者: skyofnet
第7章『雲の上期末テスト』
90/119

90 桜邸で勉強合宿

椿に半ば強引に桜の家での勉強会を予定された桜は、その晩、勉強場所等の確保をするため、茜に相談をすることにした。


「茜さーん。」

「どうしましたか?」


夕食の支度をしている茜は忙しいため、顔を向けず調理をしながら話を聞いていた。


「あのさ、明日からテスト一週間休みじゃん。」


雲の上はテスト一週間前は休日となる特殊な決まりがある。

それゆえ、テストの難易度もあがる。


「ええ、もうそんな時期ですか。」

「それでね、明日からこの家で勉強合宿を開きたいんだけど…」


それを聞いたとき、茜はあまりの驚きで、目の瞳孔が開き、手が振るえ、手に持っていた皿を床に落とす。


「そ…そそ、そんな…。桜が勉強!!??明日は雷が雨のように降ってくるんじゃ…」

「いや、ウチの今まで勉強をすることがほぼ皆無だからってそんな反応…」

「あ、そうですね。喜ぶ事態なはずなんですが、ちょっと衝撃と目眩が…」

「ちょっと!目眩も!?」


茜はたまらず近くの椅子へと腰かける。


「ふう、でも桜が勉強をするなんて嬉しいわ。えっと準備でしたね。A会議室で勉強をするといいわ。それと客間と…、あ、ご飯の用意もしなきゃ。忙しくなるわ。」


茜は桜が自主的であるかは問題とせず、勉強をするという事実に喜んでいた。そのための準備をする顔はすごく嬉しそうな笑顔であった。




翌日の午後1時。合宿する者は桜の家へ集合する予定になっている。

さすがに自宅前集合なので、遅刻魔である桜も遅れることなく集合した。


約束の10分前、今来ているのは、

七海

浦島

乙姫

であった。


「あとは、椿だけか…、あいつが遅刻することはないだろうけど。」


意外にも発案者が最後であった。


すると、一台のリムジンが桜邸の前で止まり、中から黒服の執事が二人出てきた。二人で持っていた赤い絨毯ロールを転がして、レッドカーペットを作った。


「まさか…」


そのまさかであった。

リムジンの中から、白いドレスを着た椿が出てきた。


「ごきげんうるわしゅう。桜。」


道路の真ん中で車を止めてレッドカーペットを引いていたので、後ろで車が混雑していた。

ブーブーっとクラクション鳴っていて、椿の声などまったく聞こえなかった。


「なんちゅう、自己中…、さすが理事長の血を引いてるわ…」


椿はクラクションなどまったく気にしている様子がなかった。

さらにカーペットの上、つまり道路のど真ん中で止まり、扇子を取り、広げた。


「…………!!!」


いつものように、何かを主張し、桜へと扇子を向けている。


「聞こえねぇよ!!!つか早く来い!!」




そして、全員がそろった。


「それじゃあ、ついてきて。」


桜は家の会議室、つまり勉強部屋へと案内する。


「“くれぐれも”はぐれないでね。変な道通ると警備トラップが作動しちゃうから…」


桜は後ろを見る。

七海

椿

間宮


「っていつの間に間宮いたの!?」

「あら知らないの?」


椿が扇子を広げる。


「『間宮千は私の第一執事よ。』執事なら私の後ろにぴったりと張り付いて行動するものよ。」





「「「「はいいいぃぃぃ!!???」」」」


その場にいる全員が驚愕した。


「椿ちゃんの執事!?七海ちゃん知ってた?」

「そういえばいつも一緒にいたような!」

「間宮もなんで言わないんだよ!」


全員で間宮を見る。


「…聞かれなかったからだ。」

「いや、確かに聞かなかったが、けどよ…」

「あ、ちょっと待って。」


桜が間宮談を静止する。


「そうじゃなくて、いない人がいたけど、いるはずの人がいないんだけど…」


七海

椿

間宮


「乙姫と浦島がいねぇ!!!」

「まずい、桜捕獲用トラップのある場所にいったかも知れない!あれは一般人には危険だぞ!」


識と桜は冷や汗をかく。

ちなみに七海と南はその桜捕獲用トラップの破壊力は身をもって体験済みであった。


「まままままずいよぉ!死んじゃうよぉ!」

「桜!救出に行かないと!あ、でもあの二人行動力無駄にあるからな…」


ふうっと一ため息。


「よし、助けに行くか。」

「お待ち。」


椿が呼び止める。


「私と間宮も行くわ。」

「はぁ!?何言ってんの?危ないって!」

「私達の実力は知ってるでしょ。4人で探したほうがいいわ。」


桜は少し悩む。確かに椿と間宮は桜に匹敵するほどの身体能力を持っている。対して浦島と乙姫は運動音痴とまではいかないが、桜捕獲トラップで怪我をしないとは限らない。


「わかった!よし4人で行こう。南と七海は先に行ってて。場所は知ってるでしょ。」

「うん。わかった。でも桜の家って本当に危ない屋敷だね。私達は慣れたからいいけど。」


桜たちは走り、乙姫と浦島の救助に向かうのであった。

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