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雲の上学園生徒会記録  作者: skyofnet
第6章『西園寺家』
77/119

77 三連戦

識は一人下水道を通り、七海の監禁されているビルへと近づいている。


「臭ぇ~」


下水道特有の激しい刺激臭が鼻を襲う。

それに耐えながらも識は腕に搭載された地図を頼りに歩く。


「ここら辺か?」


識の目の前に梯子が見える。

これを昇り、ビルの一階へ潜入することを試みる。


梯子に手をかけたとき、


「っ!!」


殺気を感じる。

周囲を見渡す。


すると、闇の中から一瞬光が見えた。

その光は識へ向かい高速で飛んでくる。


「これは!」


反応が若干遅れたが、ぎりぎりのところで避けることに成功。

光っていたものは識の後方へと突き刺さる。

ナイフであった。


飛んできた方向を再び見ると、人影が。

大の男が、識の前に姿を現した。


「頼朝デハなかったか。」

「誰だ?」

「私は、劉。殺し屋劉と覚えるイイ。」


ところどころ片言になる所を見るとどうやら外人。容姿から中国、韓国人かなと思う。


「そうか、ターゲットじゃないなら見逃してくれ。」

「ソノ提案を拒否スル。」


やっぱりそうだよな。と思う。

劉は懐からナイフを数本取り出す。


「見られたラ、処理スルよう言われた。」

「そうか。じゃあ、俺もここでやられるわけにはいかない。」


識も構える。


構えると同時に劉はナイフを投げる。

識はあわてることなく、ナイフを受けとる。


「こんな曲芸じゃあ、俺は倒せないぜ。」


受け取ったナイフを天井へ投げる。


「ナラ、これは」


劉は新しいナイフを取り出す。

刃の部分が、緑色に光る。


「あの…それって…毒?」

「イエス、アイ、ドゥー」


投擲を開始する。

刃に毒が塗られているため、刃には触れない。


「避けるしか…」


ヒュッヒュ!っと避け続けるが、次第にもう少しで刃に触れそうになる。


「ソロソロ限界か?」

「お前無限に持ってるのかよ?」

「そんなワケない。」


よく見ると、移動しながらナイフを拾っていた。

それでずっと投げているわけだが、百本近くナイフを持っているのは間違いなさそうだ。


「仕方ない。ちょっと難しいが、頑張ってみるか!」


避けることを止めたように向き合う。


「避けなくてイイのか?」


ヒュッとナイフを一本投げる。


識は考える。

このスーツ。多少の傷なら治癒してくれるって説明書に書いてあったな。

毒はどうだ?やはり難しいだろうが、かけるか?

…時間がない。この騒ぎを他のやつらに知られるわけにいかないし、桜たちの陽動作戦を無駄にできない。


識はナイフに集中する。

そしてタイミングよく足を上げる。


キィンっと音がなりナイフは天井へと突き刺さる。


「…。デキル。」


劉はさらにナイフを投げる。

今度は三本連続。


識は足を使い、ナイフを天井、横壁へとはじく。


「このクツがけっこう丈夫にできていてな。ナイフだったらはじくことぐらいわけない。」

「だが、」


今度は両手合わせて十本を取り出す。


「コレは避けられるカ?」

「そ…それは」


識は後ずさる。

それを追い詰めるように劉は前進する。


劉は自分の優勢を確信し、顔から笑みがこぼれている。


「ところで…、」

「ム?」

「ここボロくね?」

「廃ビル街ダカラな。それがドウシタ?」

「つまり…」


識は大きく息をい吸う。

そして両手を太ももへ置く。まるで“しこ”をふむようだ。


「何が言いたいかワカランが!」


劉が両手を上げ、投げようと構える。


「粉ッ!!!!」


識は足を思いっきり地面へ叩きつけるように踏む。

ボロイ場所であって周りがゆれる。

その光景に劉は驚いて動きが止まる。


その時、


天井に突き刺さったナイフが、振動でゆれ、真下へ落下した。


そのまま、その場所へ誘導された劉のところへ、突き刺さった。


「なっ!」


毒が身体を一瞬で蝕む。


「に…」


そして膝をつき、まだ動く手をポケットへ移動させる。


「これが“大地印・振脚”。んでもって!」


そのまま、劉へ顔面蹴り、ノックアウト。



「ふう…。さて」


識は劉があさっていたポケットを探る。


(予想通りなら…。)


識の予想した物がポケットの中に入っていた。

それは小さな小瓶であった。


小瓶のラベルは何も書いていなかったが、識はそれが、『解毒剤』であることをほぼ確信していた。


「毒使いってことは、自分の毒があたったときの対策をするのがよくあるパターン。」


そう予測しての行動であった。





識は梯子を上り、七海が捕らわれているビルの一回へたどり着いた。


周囲には何もなく、殺風景な部屋であった。

ドアが一つだけ見える。




その数分前。

「よし!黒井君!作戦行くよ!」

「了解!では桜嬢、手はずどおりに。」


黒井は黒服の男たちの上空へと移動すた。

そしてヘリの底からミサイルを発射。


そのミサイルは地面へ着弾する前に“ガス”を噴出。

ガスを吸った男たちは地面へと倒れる。


「催眠ガス散布。引き続き外の敵兵に対して散布をし続けます。」

「OK。それじゃあウチは。」


桜はヘリから垂らされて、地面へとついているロープを掴み。


「んじゃ。ウチは内部をぶっ壊し…じゃなくて、七海を助けに行ってくる。」

「お気をつけて。」


ロープをつたって地面へと降りる。

どこかの特殊部隊のようにスムーズに降りる。

顔には催眠ガスを吸わないようにマスクを装着しているので余計、特殊部隊を創造させる。


桜としては、内部の敵に対しても催眠ガスで眠らせたいのだが、七海がいる廃ビルはミサイルをつっこませたら崩壊しかねないので、断念した。




そして識。

識はドアを通り、階段を見つけようと歩き回る。


ビルの見張りがあわただしい。

どうやら桜の作戦が成功したらしい。

見張りは外へと出て行くのを見た。


階段へはホールを通らなくてはいけないが、先ほど大量に出て行ったので、

今はホールには3人しかいない。


これなら何とか無力化できると思い行動に出る。



まず、近くにいた人物にスーツの内部道具の一つ、電気ワイヤーを投げる。

ワイヤーは男の首にかかり、電流を発する。


男は何も言わず倒れる。

その様子を見て、残り二人の男が駆け寄る。


その瞬間、識は一気に男へと跳躍して近づく。

そして確実に急所を攻撃してダウンさせる。


「よし。片付いた。」


ふうっと一安心するのもつかの間。

またしても殺気。

これは雑魚ではなく、先ほど戦った劉と同格の人物。

階段から一人近づいてくる。


「我こそは、九龍参幹部ぅ!孫であるぅ!」


声がでかい。


このままでは潜入がばれると思い、一刻も早く戦闘不能にするため、ダッシュで近づく。


「我が一撃とくと受けい!」


孫は後ろから大きな大剣を取り出す。

慣れた手つきでクルクルと振り回す。


「でいやあぁぁ!」

「うるせぇ!」


孫は大声を出しながら走ってくる。

識は迎撃するために構える。


「奥義をくらえええぇ!!虎ぁぁ斬りぃ!!!」


声が大きい上に振りも大きいので完全に隙だらけである。だが、識はその攻撃に威圧を感じた。


(これはマズイ!)


識は隙を攻撃するのを辞め、後ろへと逃げた。


孫の振り下ろした刃は地面へとたたきつけられ、激しい音と巨大な煙を上げた。

それは孫の攻撃威力を測るには十分な光景であった。


「おいおい…、まじかよ…」


煙の中から孫が再び突進してくる。


「虎ぁ斬りいいぃ!!」

「うわ!また!」


再び先ほどの力強い攻撃を繰り出す。

さすがに防御しても簡単に崩されるとわかっているので、とにかく逃げる。


「はああぁ!!」


突進。

まさにがむしゃらに突き進むとはこのことだろうと思わせるほど、激しい攻撃と、攻撃の連続。


「くそったれ!」

「でいいぃぃやあぁ!!」


こうしても同じことの連続だ。

識はどうにかして打開策を考えているが、考える時間も与えてくれないほどの連続攻撃。


「でえええいいい…」


ずっと逃げていると、孫が息切れしかかっていることに気づく。


(まさか…)


そのまさかである。スタミナ切れが近づいている。

あんな大きな剣を連続で振り回していれば、息切れもする。


「ぎ…貴様ああぁ!逃げるなあぁ!!」

「そんな大きい獲物振り回して逃げるなって無理だろ!」

「おのれぇ渾身のおおおぉ…」


今度はいつも以上に身体を反り大きく振りかぶる。

識もスタミナ切れを待とうかと思ったが、チャンスがめぐってきたので、足を踏み出した。


そして、足払い。

身体を反っていた孫は簡単に頭から転んだ。

追撃として、溝に打撃。


「へぶ!」


孫は気を失ったようで、倒れた。


「これで、やっと二回へ昇れる。もう出てくるなよ。」


んな淡い期待を胸に、二階へと上る。

やはり淡い期待だったようだ。二階にはすでに一人の男が仁王立ちで待っていた。


「今度は誰?」

「余は、九龍最強の男。曹である。」


顔には立派な髭を生やしている。

どこか偉そうにしているのが、腹立つ。


「愚民よ。余に挑むか。」


腰から普通サイズの刀を取り出す。


「いや、できればパスしたいんだけど…。」

「余を横切るというのか。その罪、万死に値する!」


また面倒なやつにでくわしたと識は落胆した。

先ほどの人物と同じく、ぶっ飛ばすしかないかと思い、両手を構える。


「うし、やるか。」

「余の前にひれ伏すがよい。」


曹は刀を振るう。

識にはまったく届かない位置で空振りをするように振るった。


識は何をしたのかまったくわからなかったが、ほんの一秒後、身をもって何をしたかを実感する。


ボォン!っと小さな爆発が識の胸付近で連続で起こった。


「ぐっ!」


完全に油断をしていたので、衝撃は大きかった。


曹の持っている刀は仕込み刀で、振るうと同時に小型の火薬を発射していた。


「お…お前、意外と細かい芸を…」

「勝てばよかろう。」


さらに剣を振い、火薬を出す。

今度は火薬を見逃すまいと、識は目を凝らすが、まったく見えない。

識の視力は公式に推定した結果5.0である。ちなみに桜は7.0


その識が見えないとなると、火薬は見えない物ということになる。


「まさか!?」

「そのまさかである。」


今度は腕を前に出して、爆発を防御する。

小さな爆発なので覚悟をしていれば、それほど脅威ではない。


「ステルスだと!?」

「九龍の技術のすべてを注いだ試作品である。」


ステルス機能。物体を不可視状態にする機能である。


「馬鹿な、そんな完全ステルス機能はまだ開発すらされていないはず!」

「うむ、確かに余も疑問はある。しかし、あの“小娘”。なかなかおもしろいものを持ってきてくれる。」

「誰だ?」

「ボスの娘だ。」

「優秀な娘さんだな。」


識は気がかりであった。


(俺の情報網ではあんな完全ステルス機能を作れるのはまだまだ先のハズだ。もし作れる企業があるとすると、そいつはかなり巨大な企業…。まさかあの“影の商人達”か?)


識には心当たりがある企業がいた。


「では続けてくらうがよい。」


曹はステルス弾を発射する。


「弾は見えなくても、斜線はわかるんだよ!」


識は持っていたワイヤーをムチのように振る。

ムチに弾があたり、爆発する。


だが、ワイヤーですべてを当てたわけではなかった。

識にも弾が当たり、爆発する。


「ほう、まだ対処ができていないようだな。」

「ぐっ…。」


確かにまだ対処できていない。

というか弾が見えても全て防げるかどうかも微妙である。

近づきさえすれば、一瞬で勝負がつくが、この爆撃の連続では近づけない。

距離をとられて、連続で攻撃されてたらと思う。


「ではそろそろ。余の前にひれ伏せ!!!」


曹は剣を連続で振り、弾を連続発射。弾がまったく見えないのでかなりの脅威。


識は知恵を振り絞る。


あれを連続で食らうとさすがにまずい。避けることができないので、防御体制をとってもいつかはやられる。


と考えているうちに識の身体中で爆発する。


「はっはっは!身動きできまい!」


ならば!っと識は秘策を考え出した。

地面を殴り、砂煙を舞い上げる。

さらに


「波あっ!!!」


地面をおもいっきり踏む。

さらに煙を上げる。


曹は気にすることなく、連続で発射する。


識は一瞬で曹の近くへと移動する。

そして、


ガシっと剣をつかむ。


「何を!」

「これなら弾が出ないだろう?」

「ぐっ。しかし、貴様、剣をつかんで手から血がでているぞ?」

「すぐ終わる!こんな近くなら俺の射程内だ!」


識は一瞬剣を離し、


「音速弾ッ!」


ドドンッ!っと両手で一瞬殴る。相手からは見えないくらい早く殴る。

速さ、そして威力もあり、曹は後ろへと吹き飛ぶ。

壁を突き破り、隣の部屋にまで吹き飛んだ。


「うし!一丁上がり!」


識はさらに上の階へと進む。




桜は外にいた…

「しまった!全員眠らせてしまったから、ぶっ飛ばす相手がいない!!」


先ほど、黒井がハイヤーで催眠ガスを散布してしまったので、起きてるやつがいない。


「早く、ビル内部にいかないと、識が全員片付けてしまう!つーか七海の救出しないと!あーもう!」


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