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雲の上学園生徒会記録  作者: skyofnet
第5章『the six school』
56/119

56 一回戦と二回戦

一回戦は早ときドリル。


使う場所は、普通のグランドである。


選手はジャージに着替え、スタート位置につく。

サポートとして、桜と識とついでに雪音がつく。


「氷柱…大丈夫なの?」

「え?」

「氷柱さん、体力がまっっっくないと思いましたが。」

「だ、大丈夫よ!100mくらい走れるわよ!」

「100mって…」


「えっと、あなたは、雪音さんでしたよね?」

「は、はい!ああああアイシングならできます!」

「ふふ、ありがと。じゃあ、試合後にお願いするわ。」


二人の仲は良好らしい。


コースは400mトラックを使う。

スタート地点から100mごとに机とドリルが用意されており、それを解いて走るという作りだ。


「相手は…あ、恋美だ。」

「そっちの生徒会長さんか。これは厳しい戦いになりそうね。」


実は恋美も優等生である。

たまに桜も勉強を教えてもらっている。


時間が来た。


「じゃ、頑張ってね。」

「ええ。」



スタート位置につく。

と言っても、スタート地点から問題を解くので、椅子に座っているだけである。


「よーい……」


パァン!と乾いた音がなる。


二人は同時に問題用紙をめくる。

問題はまず、世界史問題であった。


恋美はスラスラと鉛筆を動かす。


(世界史なら私の得意科目。スタートダッシュはいただきね。)


恋美は余裕な表情で氷柱の様子を横目で見る。


そこには驚愕の光景が写った。

氷柱は鉛筆を滑らせてはいない。


鉛筆を通しているというのか、まるでロールを上から下へゆっくり転がしていく勢いである。

その調子で素早く3枚の問題用紙を片付けて言った。

その間、恋美は1枚も終えていなかった。


(くっ、これは…)


桜たちは、勝利をほぼ確信していた。

氷柱に不得意科目はない。世界史が得意ということもまったくない。

他のどんな問題がきても問題なく、今と同じペースでいけるだろうと思った。


だが、悲劇が起こった。


氷柱が90m走ったところで…



氷柱は倒れた。


「ぜー…ハァハァハァ…もう……だめ…」


その後、ホフクしながら氷柱は机にたどり着くも椅子に座ることができず、負けた。




「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい…」

「いいって、仕方ないよ。」


みんなで励ましあいながら、雪音はアイシングをしている。

氷柱は病んでいた。


「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい…」



第二試合。???である。

「浦島頑張れ!」

「おう!」

「ごめんなさいごめんなさい…」

「ほら!氷柱!浦島がやるよ!応援しなきゃ!」


氷柱はまだ引きずっていた。


「よし、種目は何だ!」


相手は先ほど祐介会長に殴られた生徒であった。


「さっきは殴ってすまなかったな!頑張れ!」

「何回僕殴られてると思っているんですか。」


そして試合内容が発表される。


「さーて、試合内容は」


ダダダダダダン!


「“ギャルゲー”対決!」


全員何を言っているのかわからなかった。


「え~っと…桜?今なんて…」

「ぎゃるげー」

「いやなん…」

「ギャルゲ」

「…桜が選ばれればよかったのに」

「そ!そんなウチは別にSchool 〇aysをプレイしたり、〇eyのソフトを大量購入したりなんか!」

「私の圏外だわ。」


「ルールを説明します。用意されたギャルゲーをプレイしていただき、どちらがよりよいハッピーエンドを向かえるかを競っていただきます。」


普通にゲームをするようだ。


「うむぅ…」

「浦島?」

「わしはげーむなど、チャラついたものはせん。」

「向こうはどうだ?」


対戦相手の橘高校を見る。


「たしか次は会長ですよね。」

「…東海林。」

「はい?」

「ぎゃるげとは何だ?」


お互い知らないようだ。

お互い平等な対決に見えるが、浦島は恋愛を全敗無双中である。

それに比べ、相手の祐介は見た目はスポーツマンである。

これはもてるだろうと識は見ていた。


一方相手チームは


「会長…。相手が誰かわかりませんが、会長はロリコンですからかなり不利ですよ。近親相〇は犯罪ですし…」


恋美が肩を落とし、今回は負けたなと思った。



「じゃ、浦島。頑張ってこいよ。」

「うむ、わしは応用力はなかなかのものじゃから、どうにかする。識よアドバイスはあるか?」

「桜、アドバイスを。」

「へ?ウチ?」


いきなり話を振られた桜は驚いた。

適当に頑張れーと言おうとしたところであった。


「このメンバーだと、桜しかギャルゲーやエ〇ゲーをやってないんだから。」

「そうそう、今あの娘をどう落とそうか…ってこら!!暴露すんな!!」

「桜…」

「氷柱??何そのゴミを見る眼は?それに識!それだったらあんたのベット下の…」

「わああああ!!!!」


すると七海の眼鏡が怪しく光る。


「つーか…、なんで桜が中嶋君のベット事情を知ってるのかしら?」

「「はうっ!(しまった!)」」


そこでまた一騒動おき、結局アドバイスをもらうことなく浦島は試合をする席に行った。



「あの大うつけども…」


浦島は恨み言をポツリと呟いた。


二人は席につき、司会から浦島に手渡されたのは、コントローラー。一般的なモデルである。


「ふむ…」


浦島はコントローラーを触ったことがない。

まるで未知の生物を丁重に扱うかのように触る。


「これで、そのげーむをやるのか…」

「浦島ー!コントローラー逆さ!」

「む…」


あわててひっくり返す。

その様子を見て、対戦相手である祐介は相手がゲーム素人であることを確信した。


「さーて、ではルールは先ほど説明した通り。どちらがハッピーエンドを迎えるか!スタート!」


地味な対決が始まった。


二人のプレイ状況は、グランドの特製モニターで映し出される。


「浦島はどうなると思う?」

「ウチの予想では、まぁ浦島だから、ハッピーエンドは難しいだろうね。」


浦島は女の子にフラれまくり常習犯である。



10分後


「なにー!!!妹が二人!!どどどどちらを選べば!!」

「あー…うちの会長が馬鹿してる~」


「む!女に手を出しすぎて修羅場化しとる!」

「あいつ…二人のヒロインを同時攻略しようとしてる…」


二人は混迷していた。



20分後…

二人はゲームを終え、エンディングを迎えることができた。


「ふう、わしも全力を尽くした。」

「俺の妹ハーレムの完成だ。」


片方は問題ある発言だが、そこはスルーして、二人のエンディングが順番にモニターに流れる。



橘祐介ED

主人公「ははは、待てよ。」

妹A「こっちよ~お兄ちゃん~これ買って!」

主人公「おいおい引っ張るなよ。」

妹B「次はあっち行こう!あとこれ買って!」


たかられている。

だが、どうやらハッピーエンドの部類に入るようだ。



「これは、浦島がまともなハッピーエンドを向かえないと負けるな。」



浦島ED

主人公「♪」

女A「♪」


二人は手をつなぎながら歩道橋を歩いている。

前から別の女が二人に向かって近づいてくる


女B「こんにちは」

主人公「あ…、ああ」


主人公はあきらかに動揺している。

眼が黒くなっている女B。

すると、右手に持っていた鉈を女Aの首へ…


女A「死んじゃえ。」

女B「え」


モニターが真っ黒になり、“鮮血の結果”という文字が浮かび出た。



「ヤンデレバットエンドか!!」




雲の上は現在0勝2敗となった。

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