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雲の上学園生徒会記録  作者: skyofnet
第5章『the six school』
53/119

53 大江戸大付属高校

京都駅から数駅離れた場所にある“大江戸大付属高校前駅”という駅で下車する。

駅からすぐ歩いた場所に大江戸大付属高校がある。


高校に行く前に、各高校の選手たちは、それぞれの指定された宿へと向かう。


“宿”というのは、一流ホテルである。

ホテルの場所は駅の裏にある15F立ての立派なホテルである。


雲の上学園の生徒と教師はそれぞれの部屋に荷物を置く。


その後は明日まで自由行動となる。


だいたいの学生は大江戸高校で開催している文化祭に行くか、観光名所を歩くといったことをしている。


桜・七海・南・氷柱の四人は学園祭へ

識・浦島は京都散策へ

エヴァはどこかへと

椿と間宮は学園祭へ行くと思ったが、大江戸高校の校舎へと入っていった。



桜たちは……

「おいふぃ~~(美味しい)」

「桜…アンタそれ何個目?」


桜はフランクフルトやらたこ焼きやらを両手に持ち、口いっぱいに含んでいた。


「ちょ!桜ちゃん口から飛んでるよぉ」


まさに女の子とは思えない食いっぷりである。


「学校でやるだけあって、大江戸の生徒が屋台を出しているのね。」


出ている屋台は全て学生が出しているものである。

大江戸高校で大会が開催されるので、そこの学生にとってはお祭りも同然である。


「お祭りだけでなく、この高校は校舎も一工夫されているから開放しているのね。」

「まるで、江戸時代のお城だよねぇ~」

「ほら、桜!城の方行くって!」

「むがふぁい」


四人は屋台が出ている中庭らしきところから、校舎である城へと歩く。

校舎はまさに江戸時代の城そのものである。


「パンフレットには…。」


氷柱は入り口で貰ったパンフレットを開いた。


「頂上の天守以外は行けそうね。それから、中には鎧があって…。戦国ショーもやるらしいわ。」

「えっ!本当!私見る見る!」


社会関係のものが好きな七海はうれしそうに言った。

七海はいわゆる歴女である。


「まだ時間があるから、あの城からの景色でもみましょう」

「「賛成~~」」

「むがふ~~」

「まだ食ってるの!?」



所変わって、城の最上階より一つ下の階。

「うちの生徒会室よりいい眺めだねぇ~~」


そこからの眺めはまた特別であった。

今日は天気がよかったので京都の芸術が一望できた。

しばらく時間が流れるのを忘れ、風景に見入ってしまっていた。


「あ!いけない!戦国ショー始まる!」

「うわ!」


時間を忘れていたせいで、次の予定までの時間が押してしまった。

四人は急いで城を降りて、中庭の野外ステージへと走る。



「はぁはぁ、私たちいつも走るなんてことしないから…、つかれた…」

「でもどうにか間に合ったわね…」

「あれ?桜ちゃんは?」


肩で息をしている三人は桜を探した。


「あれ?」


三人はしばらく考える。


「「「ちゃんなら大丈夫か。」」」




桜は一人で迷子になっていた。

走っている最中、混雑の中三人を見失って適当に走ったら離れらしき場所にたどり着いた。


「ここは…」


周りは森、どうしてか森の中にいる。

そして目の前には道場が一軒。


「ん~…、まずは場所でも聞くかな?」


桜は道場の中へと足を運ぶ。


「すいませ~ん…」


「うりゃー!!」

「だりゃーー!!」


どうやら剣道場らしい。

木刀を持った人たちが、打ち合っていた。


「そこの女。体験入部だな。」

「はう?」


桜の後ろには、体格のよい男性がいつの間にか立っていた。


「よし、近藤。実力を見ろ。」

「あ、ちょっと!」

「安心しろ、使うのはチャンバラ刀だ。当たっても怪我はしない。」


雰囲気的に、この人物は部長らしい。

桜は言われるがままに、チャンバラ刀を持った。

このチャンバラ刀は振っても曲がらないが、当たっても怪我はしないものであった。


「動きも見たいから、防具はつけん。」


ザッと全員が道場の端へどく。

近藤という人物が正座をして、待っている。

どうやらやるしかないと思った。


「よし…(でもあまり本気でやると後々面倒だな…)」


桜も位置に立つ。


近藤も立ち、刀を構える。


部長が二人の間にたつ。


「では、今回は特別仕様。体に刀を当てればよし。では始め!」


合図と同時に近藤は刀を振る。

桜は反射的に防御をとる。

近藤も防御をとりやすいように緩く仕掛けていた。


続いてさらに打ち続ける。


(もう!こんな緩いことしてると…)


正直桜はお遊戯をやっている気分であり、少々イラついていた。

そして、近藤は大きく振る。

まさにそれは大きく隙を見せているので、打ち込んでくださいといってるようなものであった。


(っ!!)


つい打ち込んでしまった。

しかもつい、調子に乗って、本気目で。

近藤は宙に舞った。


ドスンという大きな音と共に、近藤は床に背中から落ちた。


当然周りは驚いている。

素人かと思った人物がベテランを吹き飛ばしたのだから。


(や…やっちゃった~~~~)


あわあわとしている桜。

部長が近づいてきた。


「女。只者ではないな。俺と勝負しろ。」

「織田部長!」


どうやら部長の名前な織田というらしい。


(織田…織田…どこかで…?)


「女、位置につけ。」


織田の目は本気であった。


「う…、仕方ない。」


桜も構える。

織田の構えを見て、桜は只者ではないことを悟る。


「近藤!合図を!」

「は…はい!始め!」


合図をすると、織田は一瞬で桜との距離をつめる。


「うっ!」

「遅い!」


織田の一閃。どうにか防ぐ。

だが、直ぐに次の攻撃が来る。


「ちっ!」


今度も防ぐ。


「むっ。ならば!」

(こっちも!)


恐らく周りでは一回の攻撃にしか見えなかっただろう。


だが、実際は違う。

一瞬で上下ニ撃。超高速の斬撃である。


斬撃がくる。上段は防ぐ。だが、下段が空き、一撃を貰う。


「ぐっ!」

「なっ!」


織田の下段が入るのと同時に桜は織田の頭に刀を命中させていた。


しばらく静寂の時が流れる。


やがて、口を開いたのは織田であった。


「相打ち…か。」

「そうね…。」


すると、道場の引き戸を勢いよく開けて中へ入ってくる人物が一人。


「織田君。何をしている……ん?」


その人物は桜を見て反応した。

桜もその人物を見て、少し前のことを思い出した。


「たしか…、この前…」

「東海林桜さん…だったな。」


桜が以前街中で助けた少女であった。


「その格好を見る限りだと、雲の上の代表選手のようね。織田君は馬鹿だから服にはまったく気づかなかったのね。」

「む…」


織田はどうやら、桜の服は一切気にしていなかったようだ。

普通に考えれば、桜の服を見れば、大江戸の学生ではないことが一目瞭然なのだが。


「私の自己紹介がまだだったな、東海林桜。私は徳川海。」

「徳川!!」

「雲の上に通っている空兄様の妹だ。」


なるほど、どうにもこの人物からは独特なオーラのようなものを感じるわけだ。

徳川空のような、普通とはことなる感じがする。

桜は野生の感に似たアンテナで考えていた。


「と、いうわけで、織田君。これからミーティングをするから来なさい。それと東海林桜。こんな所にいるということは迷子かな。案内しよう」

「ばれてたのね。それと、あなた達二人が大江戸高校の代表選手?」

「ああ。自分で言うのも何だが、私は生徒会長。織田君が副会長だ。」


そして桜は自分の宿まで案内され別れを告げた。


一人桜はボーっとしていた。


(徳川空の妹か…。それから織田だっけ。あいつまだ本気ではなかったかな?)


やれやれと頭をかきながら桜は部屋へと戻っていった。




そして一方識と浦島は…



次回へ続く…

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