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雲の上学園生徒会記録  作者: skyofnet
第4章『雲の上学園のお遊び』
44/119

44 木刀 vs 拳

識と桜が衝突し、あたりの木屑が反動で吹き飛ぶ。


桜の木刀を、識が両手の手甲ではさみこんでいる。


お互い同時に離れる。


そして、先に識が動いた。

閃光のように走り、桜へと右ストレートを繰り出す。


桜は木刀の上下を両手で持ち、防御の構えをとった。


予想以上の衝撃であったため、桜は少し、後ろへと下げられた。

その機を逃さず、識は左ジャブを連続で繰り出す。

桜も完全に防御に回ったと思い、まずは防御に専念する。

一撃一撃見極め確実に防御する。


連続で攻撃を受けているが、そのうち、桜は次にくる軌道を読んだ。

そして、攻撃に合わせて、身体を動かし、素早い突きを出す。


これを手甲にまともに受けても、手にダメージを負うと考え、避けることにした。

わずかに避けそこね、かすり傷を負う。


これ以上ここにいたら、追撃をくらうと感じ、識は一気に引き下がる。

それを追うように桜は構えながらダッシュする。


そして、木刀を一振り。これもどうにか避ける。

桜は振り下ろした木刀をそのまま上げる。

今度は避けることをせず、裏拳で受け止める。


一瞬で桜は木刀をずらし、横切りをする。


再び、受け止める。


「けっこう・・・痛いじゃねーか!」


識は蹴りを入れて強制的に離れさせる。


「うわっ!」


バランスを崩した桜へと識が近づく。

それを感じた桜はジャンプして、近くにあった銅像に着地する。


「逃がさねぇ!!」


識は銅像まで飛び、桜にとび蹴りを繰り出す。

桜はそれに応えるように、木刀をフルスイングする。


蹴りと木刀が衝突するが、着地している桜が有利であったため、識が飛ばされた。


宙に舞い上がっている識を桜が木刀で切り上げながら突撃する。

識は防御して凌ぐ。


そこから、桜は連続で切りつける。

それと同じように識も木刀に拳をぶつけてはじく。


「っ!!今っ!」


桜が一瞬をつき、上から兜割りのような攻撃をし、防御した識を宙から下へと叩き落す。


「ぐあっ!!」


そのまま背中から地面へと落ちる。

マンションの二階ほどの高さから叩き落されたので、地面にひびが入った。

さすがに大きなダメージを負った。


「やろぉ!これは痛いぞ!」


落ちてくる桜を向かえうつため、身構える。

桜は、また兜割りをするため、上段に構えながら落下。


互いが衝突する刹那。識は行動を変えた。


今いた位置から、高速で桜を中心に半円を描くように周りこみ、完全に桜の背中を捕らえた。


「やばっ!」

「遅いぜ!」


識は両手を広げ、突き飛ばす。

桜はその位置から離れた壁にまで吹き飛ばされた。


そして壁にほこりを上げながら、壁に埋められた。

もともと、もろい壁であったので、埋もれたのであろう。


しばらくして、手をピクッと動かし、壁を壊して、歩き出した。


「いや~さすがに今のはかなり痛いよ~。」

「お前だって、さっき上から叩き落したじゃないか。俺じゃなかったら入院してるぞ。」

「ウチも本気だったからね。」


桜は木刀を握り締める。

識は拳を握り締める。


「いくぜ!」


跳躍して一気に近づいてきた。

勢いをつけた右ストレートを桜へと向ける。

木刀で払う。


そして、桜は攻撃をだすが、識が飛んで避ける。

そして背後へと周り、手刀を出す。

桜はそちらを一切見ず、木刀を後ろへ回し、凌ぐ。


「おいおい・・・嘘だろ・・・後ろに目でもついてんのか?」

「単純な行動だってことよ。」


識の着地と桜が振り向くのは同時であった。


二人は同時に攻撃。

今度は武器と武器がぶつかることはなかった。

お互いの脇に直撃した。


「っ!!!」

「っ!」


二人はその場で耐えた。

識は反動で動けない。

だが、桜は違った。


「せいや!!」

「でっ!!!!」


識は桜の攻撃により、横へと飛ばされる。

が、転ぶことなく、受身をとる。

その間、わずかに桜から目を離したのが、過ちであった。


識を攻撃した後、


「今だ!・・・」


桜は目つきを変えた。それは鋭く、冷たい目であった。


「秘儀・・流巻ノ太刀」


少し走り、足を曲げ、跳躍。うねるように身体を回転させながら木刀を両手で持ち、勢いをつける。

そして、識へと勢いを殺さず刀を叩きつける。



ドオオオン!!!と大きな音と、煙が上がる。


識のわずか右の地面を綺麗に切っていた。


「おいおい、先に聞かせてもらおうか。」

「何?」

「さっき脇腹をお互いぶつけただろ。なのにどうして・・・」


桜は服をめくり、脇腹を見せた。


「あ!それは!」


そこには聖書があった。


「地形を把握して上手く利用しなきゃね♪」



バンという音が教会の中に響いた。





「これで、ウチの方が強いってことだよね♪」

「くっ・・・」


言い返す言葉もなく、黙ってしまった。

桜は満面の笑みで、銃をクルクル回している。


「じゃあ、アンタはウチの優勝でも祈っててね~バイビ~♪」


手のひらをヒラヒラと動かし、桜は去っていった。





教会から、100m離れた通り

「うわっ!」


一人の青年が真っ黒になっていた。

その人物を見つめているのは、徳川空であった。

勝負の様子を見ていたのは、大和・命であった。


「ごめんごめん。ついついやりすぎちゃったよ。」

「徳川様。その人物は鈴木太郎です。残る相手は・・・たった今、残る相手は、東海林桜二年生のみとなりました。」

「東海林桜・・・?あ~たしか生徒会だっけ?」

「じゃあ、行こうか。」


徳川、大和、命の三人が歩き出す先には教会があった。




次回予告

氷柱「ところで、七海?あなたいつアウトになったのか、一行で書かれてただけだったわね。」

七海「作者曰く、忘れていたらしいよ。だから、とっさに一行でパパッと済ませたらしい」

氷柱「はぁ~。さて次回だけど、ついに決勝戦ね」

七海「桜と、え~っと徳川って人?私はよく知らないんだけどね。」

氷柱「そうね・・・。Sクラスの中でもよりエリート集団というのがいて、その中でも、ナンバー1,2を争う人よ。」

七海「それって・・・雲の上で一番すごい人だよな・・・」

氷柱「そうね。でも数学なら私のほうが成績上よ♪」

七海「氷柱もバケ・・・」

氷柱「最近ムチを発注したのよね。誰で試そうかしら?で何七海?」

七海「いや~~さすが氷柱だなぁ~~」

氷柱「ありがと♪ではまた来週。」


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