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雲の上学園生徒会記録  作者: skyofnet
第4章『雲の上学園のお遊び』
42/119

42 間宮千 vs 徳川空

間宮千・・・彼は椿と識とチームを組んではいるが、椿と最低限の連絡をとるくらいしか連携をとっていない。

その彼が、一時間ぶりに椿から連絡が入り、無線をとる。


「こちら間宮。」

『間宮ね。今の状況だけど、識君が20人討ち取ったわ。で、間宮がさっきので20人。そこをまっすぐ北へ行くと無勢力でバラバラのやつらがたくさんいるから狩れるわ。』

「了解。」


最低限の会話をし、間宮は通信を終わらせた。

間宮も、識たちと同様一人で歩いているので、先ほどからたびたび勢力を持っている者に狙われているが、簡単に返り討ちにしている。


この学校で、間宮と対等に戦えるのは、おそらく識や桜。それからSクラスの人間ぐらいであろう。

だが、Sクラスはあまり登校していないので、今日は10人くらいしかいない。だいたいはやる気がなく開始と同時にリザルトしている。


間宮は北へと進み、教会エリアに出た。教会エリアとは、雲の上学園中等部から高等部をつなぐ道にある。



「うちとっ!」

「くらいやー!」


バンバン!


二人ほど間宮を見つけ飛び掛ってきたが、背中を向けたまま射撃し簡単に撃退をした。


「・・・・」


勝利後も相変わらず無言で歩く。


その姿を見ていたものが一人。


「そこの方!お待ちください!」


背後から声が聞こえ、振り返った。


ベレー帽をかぶり、迷彩の服を着た女の子であった。

こんな超特殊な人間であったが、間宮は今まで見たことがない。

恐らく、新入生、又はSクラスの人であろうと間宮は思った。

その女の子は続いていった。


「私は千里命軍曹であります!」


背をピンと伸ばし、敬礼をしていた。

軍事オタクかと間宮は思う。

相手にしないで間宮は先に進もうと思い、再び歩き出した。

背後から撃とうとすば殺気が生じるので問題ないと思っていた。


「お待ちください!あなた様にご紹介したい人物がございます!」


その言葉に興味を持ち、再び女の子を見た。

だが、そこにいるのは女の子一人であった。不思議に思い、間宮は珍しく声をだした。


「そいつは何処にいる?」

「は!あなた様の前にいらっしゃいます!」


間宮は急いで前を見る。

するとそこに二人の男子が立っていた。


先ほどまで前を向いて歩いていたが、人影一つなかった。

いつの間に前に現れたのか。間宮は理解できず、警戒の態勢をとり、距離を開けた。


千里命となのる女子はその人物を紹介しようと、話し出した。


「そちらの二人。間宮殿から見て左から、“千里大和”様二年生。“徳川空”様二年生であります!」


千里大和という人物は恐らく命の兄弟であろう。

容姿は190以上の高身長であり、かなりいいルックスの持ち主である。

アフロといった目につきやすいヘアースタイルをしており、これもまた命同様めずらしい。

命と違い、服装はいたって普通の私服であった。


その隣、徳川空。

大和よりは身長が低く、普通の170mくらいの高さである。

髪はパーマをかけてるだけで、大和とくらべると普通といえる。

容姿スタイルはモデルレベルといえる。何かやさしい印象を受ける人物である。



「さっきの戦い見てたよ。」


先に喋ったのは徳川空であった。


「それを見てな、徳川がお前と勝負したいって言ってるんだ。」


大和は笑いながら言った。


間宮としては断る理由はなかった。

喋る代わりに、銃をとりだし、合意の合図をした。


「やってくれるようだね。ありがとう。あ、自分から自己紹介しなきゃいけないね。僕は徳川空。」

「俺は千里大和だ。そうそうあっちの命と三人はSクラスにいるんだ。」


大和と命は道の外れにそれた。


間宮は構える。

徳川は銃を取り出しただけで、一切構えていない。


「いいのか?」

「ん?何が?」


あまりに無防備であったため、間宮はたまらず問いかけてみた。


「ああ、大丈夫だよ。」

「そうか・・・。」


間宮は考えていた。

こいつはタダものではない。

今までの雑魚どうよう余裕こいて射撃していたら、返り討ちにあう。

そう思い、最初から全力近くを出すことにしていた。



しばらくお互い動かぬまま時間が流れる。

その間、命も大和も一歩どころか、ピクリとも動かない。


どこからか、パァーンと音がした。


「っ!」


その瞬間、間宮が動いた。


徳川へと向けて、ジグザグにフェイントしながら移動する。

かなりの早さで移動している。


今だ徳川は構えすらしない。


接近中、一度発砲してみた。

顔面を狙う。


徳川は何事もなかったかのように、首をそらしてかわす。


(余裕か。)


次は胴体へと射撃すると同時に高速連射で足も狙う。


まず胴体の玉。それをちょっと横を向き、かわし、

足の玉も同時に横を向きかわす。


間宮は徳川と距離が近くなり、少し危険を感じたため、飛び跳ね距離をとる。


「君、足早いね。」


徳川は嫌味などまったくなく、純粋に感想を述べていた。

それに関する回答もせず、間宮は次の行動に出た。


間宮は徳川を中心に円を描くように走る。

かなりの早いスピードで走る。


そこから連射して徳川を狙う。


玉は正確に徳川に照準を定めていた。


だが、徳川は決して自分の周りを回っている間宮を見ようともせず、銃を胸のあたりまであげ、間宮が撃った玉を全て玉で迎撃していた。


さすがの間宮も驚いた。

玉を補充する目的もあったが、危険を感じ、再び距離を開ける。


「うん。僕を正確にとらえている。そろそろ、僕も動こうかな?」


徳川はここにきて、始めてその場を動いた。



間宮は何か威圧力を感じ、後ろへ一歩引いた。

間宮は自分の意思で動いたわけではなかった。本能的に一歩引いてしまった。


「すごいよ!君!僕が“威圧”してるのに一歩しか動かないなんて、大和以来だよ。けど」


徳川は間宮へと真っ直ぐダッシュした。

間宮はそれに合わせ、横へとダッシュした。


「追いかけっこかい?受けて立つよ。」


それから一般人なら姿が認識できないほどの早さで縦横へと激しく動いた。

間宮が逃げ、それを徳川が追うような形であった。


それを見ていた大和が感想を漏らした。


「おお、あの少年できるな。俺もやりあいたくなったな。あの時間違って自分に玉を出しちまったから、できないのが残念だな。」

「兄上。私もそれにつられ自血したのを少し、後悔しております。」



ガシッと空中で徳川は足をつかんだ。


「ほら、捕まえた。」


まだ、余裕といった感じだった。


「次は俺が鬼だ。」


間宮は足を振りほどき、近くの電灯に足をつけ、さらに倍速で動く。


徳川は地面に足をつけた。

その瞬間、倍速で動いていた間宮に背後をとられた。

間宮は徳川の背中に銃をつきつけ、発砲しようとする。


そして、トリガーを引いた。



バンッと乾いた音が宙に響く。

静かな場所であったので、よく響いた。


徳川は動かず、背中に間宮の銃撃を受けていた。





「それ、水玉だよ。」


徳川の背中は水でぬれただけであった。


「で、君。のお腹黒いよ。」


間宮は自分の腹部を見て驚いた。

自分は打たれていた。

いつ撃たれたのかまったくわからなかった。

まったく覚えがない。


「僕はけっこう強いからね。ごめんよ、間宮千君」

「・・・・」





「・・・・負けた。」

『そうね。映像見てたわ。』


負けた間宮は椿に結果報告をしてた。


『正直映像を見ても、すごい早い射撃だったわ。あなたが速度をあげて、徳川さんにとどめをさそうとした刹那だったわ。後ろを向きながらの射撃だったわ。』

「そうか」


そして間宮は無線をきった。


「自分で負けた瞬間がわからないとは・・・」


間宮は椿のいるセキュリティールームへと歩き出した。


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