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雲の上学園生徒会記録  作者: skyofnet
第4章『雲の上学園のお遊び』
41/119

41 東海林桜 vs 村瀬サリサ

「ぎゃあああーーー!!!」


桜は逃げ回るが、中等部の校舎をグルグルと回っていたのがまずかった。

回っているうちに桜包囲網が完成しつつある。


「まずい・・・。何とか撃破しないと・・・氷柱に連絡をとろう。」


桜はまずジャミング装置をどうにかしようと考えるが、どこにあるのかもまったくわからない。

だが、幸い今は校舎付近にいる。校内に忍び込んで放送室で生徒会室と放送をとろうと考えた。


さっそく窓から忍び込む。

中には誰もいないので、早々と放送室まで行く。



「つらえも~ん、た~~すけて~~~。」

『だれが、“つらえもん”よ。』

「逃げられないよぉ~~。」

『厳しいわね。南、何か銃とか隠されていない?』


先ほどからスナイパーライフルなどが、出てくるが、これらはいたるところに隠されている。


『銃はないけど一つだけ方法があるよぉ~』




そして桜は指示を聞き、屋上にへと来た。

桜はスゥっと大きく息を吸い



「東海林桜はここにいるぞーーー!!!!」


校舎屋上から、大声で自分のいるところをアピールした。

徘徊していた村瀬兵士は屋上へと駆けつける。


「ウチを討ち取りたいやつはかかってこーーーい!!!!!」


さらに挑発し、兵士全員を集めようとする。


一分もしないうちに兵士全員が屋上へと集まった。

雲の上の屋上なら、30人ほど簡単に入る。


全員が集ったところで、桜は屋上の貯水タンクへと登る。


「一つ聞いておく!!なぜ村瀬につく?」


集団の中からリーダーと思わしき、デブ眼鏡の人物が出てきた。


「ぼぼぼ・・・僕は村瀬団リーダーの油伊でありまっす。お前を倒せばむむむ村瀬さんに、ご褒美をもらえるであります。」

「な~るほど。」


村瀬は色気でこいつらを手駒にしたのかと納得した。

あの大人の色気ムンムンとフェロモンを放出している村瀬なら、こんなことは簡単にできると思う。


「なら、残念だね。村瀬さんにおしおきされな!!!来い村雨ぇ!!!」


空から木刀・村雨が舞い降り、桜の手元に飛んできた。


「うおおおおおぉぉぉ!!!!!!」


まるでバットをフルスイングするかのように、振り、貯水タンクに大きなひびを入れた。


「くらいな、MAP兵器。」


ひびの入った部分を木刀でチョンっとつく。

するとひびの入った部分は崩壊し、中から水が爆発的に一斉に溢れ出す。


そこから出る水はただの水ではなかった。

“黒墨”の水が貯水タンクの中に入っていた。


桜は南からそのデータをもらい、一斉に撃破しようと全員屋上へと集めたのだった。



「うわあああ!!」


屋上にいた人、桜以外の人は全員墨だらけになり、失格となった。

失格となったものは、通信以外の行動は禁止されるため、桜の障害ではない。


失格となったものを一瞥する。

そこには男性しかおらず、村瀬がいなかった。


屋上入り口から、靴の音がカツンカツンと聞こえてくる。


まだ姿は見えないが、今からくる人物は容易に想像できた。

その想像通り、やってきた。


「わたくしの下僕・・・もとい協力者を・・・。簡単には殺しませんよ。」

「来なよ。メイドさん。」


村瀬は制服の中から、六本の小さな棒を取り出し、それを全てくっつけて、2mほどの棍棒にした。


「銃撃戦ってわけじゃないの・・・?」

「簡単には殺しませんと、・・・・言ったはずです!!!」


屋上入り口から、破壊された貯水タンクの上にいた桜の元まで跳躍。

そして桜めがけて棍棒を一閃。

それを桜は木刀で防御


(っ!意外と重い!?ただのメイドではないね。)


そして村瀬は舞うように貯水タンク下へと着地。


「こちらにおいでませ?怖がらずともよろしくてよ?」


それはあきらかな挑発であった。

桜はその挑発に乗ってしまい、貯水タンクを飛び降りて、村瀬へと襲い掛かる。


縦一閃


村瀬は桜の力量を測るためにわざと受けた。


(!?さすが、理事長のお気に入りね!!)


攻撃を凌ぎ、村瀬は後ろへ下がる。

お互いは一定距離を保つ。


先に動いたのは桜であった。


(相手の方がリーチが長い。それをどうにかしないと・・・)


お互いの武器がぶつかる。


「東海林さん。ちょっと侮ってましたよ。」

「それはウチもだよ。ただの女王様かと思ってたよ。」


力押し合戦になった。

わずかに桜が押す。それを察知した村瀬は、一瞬で棒を地面につけ、棒高跳びをするかのように跳躍する。


予想外の行動に桜の動きが流れた。

それを見逃さず、村瀬は攻撃にでる。

桜も攻撃される予感はしたが、今は距離がある。

お互いの武器では届かないはずであった。


村瀬は空中で棍棒を桜へと向ける。

そこから、棍棒の先端部分が飛び出た。

飛び出た棍棒は本体とワイヤーで繋がっていた。


それを避けることができず、桜はダメージを負う。


(っ!!!重い!!!)


先端部分とはいえ、見た目以上の重量ある武器であった。

桜はバランスを保つことができず転倒。


村瀬は地面に着地し、桜を追撃しようと、飛び出た部分とは逆方向の棍棒を桜に向ける。

再び発射。


転倒しながらも桜はその行動をしっかりと見ており、すぐに立ち上がり、木刀で叩き落す。

叩き落した棍棒はすぐに本体の棍棒へと戻る。


(遠距離もできる・・・。けど、叩き落すのは簡単だ。)


桜は何もしかけがない木刀。対する村瀬はしかけ棍棒である。

桜はまだ何かあると思い警戒をするが、考えても仕方ないと思い、また先に行動する。


村瀬は、リーチを生かすべく、突きをする。


かなり正確な突きであったため、桜は急停止し、後ろへ下がる。

そのまま村瀬は突きを繰り出しながら前進。


「東海林さ~ん。どうしましたか?怖気づきましたか?」

「な・・・わ・・・け・・・ないっしょ!!」


桜は村瀬の棍棒が下がる一瞬を狙い、しゃがみながら一回転し足を狙う。

だが、リーチの差もあって、桜はしゃがみながら少し、村瀬に接近しなくてはいけなかったため、わずかに村瀬が逃げる時間を与えてしまう。

そして村瀬は後ろへと跳躍。


後ろへ飛ぶことを読んでいた桜も同時に跳躍。

村瀬との距離は近い。


棍棒が如何に長かろうが関係ない距離だ。

飛んでいる間、二人の激しい打ち合いが起こる。


二人が地面に着地。

村瀬は横へと一閃。桜はそれを受けず、状態を異常なほど、マ○リックスのように避ける。

そこから、腰の反動を使い、木刀で突き攻撃。

目標は村瀬の棍棒、しかも連結部分であった。


「いっけええぇぇ!!」


桜の異常な筋肉があればこその威力であった。

村瀬を後ろの壁へと吹き飛ばし、壁に背中がつくと同時に、棍棒が真っ二つに折れた。


「まだ終わっていません!!」


だが、村瀬はあきらめてなかった。

二つになった棍棒を両手に持ち、先端部分を桜へむける。

そし一つを発射。

時間差でもう片方も発射。


最初の棍棒は叩き落すが、もう片方はワイヤーが木刀に絡んだ。


「これには仕掛けがありまして、電撃を流せる仕掛けになっておりますよ」

「ちょっと、まずいかも・・」


村瀬はスイッチと思われるものを押す。


「ポチッと・・」


桜は木刀を離そうとした、だがその時。



「おやおや、これはこれは。タンクが壊れてるではありませんか」


後ろから呑気な声が聞こえてきた。


「倉田様♪」


戦闘時の顔とは違い、満面の笑みを浮かべる。

その隙に桜は


「今だ!そぉれ!」


木刀を引き上げ、ワイヤーごと村瀬の棍棒を宙に上げた。


「ああっ!!」

「もらうよ!」


桜は後ろから銃を取り出し発砲。


「きゃあ!」


見事ヒット。

村瀬は失格となる。




「悔しいですが、私の負けですわ。」

「そうですね。でも楽しめましたか?村瀬さん。」

「ええ、東海林さんとはまた戦いたいと思います♪」


楽しそうに、村瀬と倉田は会話している。

ラブラブだなぁと桜は見る。


(ウチ勝ったのに、何か悔しい・・・)





次回「間宮編」


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