40 乱入者?
中嶋識は現在、森エリア(雲の上は敷地がドデカイので、森林エリアなど、多彩なエリアがある。)でうろついていた。
識の無線がなり、椿から連絡が入った。
『中嶋君。聞こえて?』
「ああ、聞こえる。」
『今のエリアから、中等部の校舎棟エリアにいくと、巨大勢力と鉢合わせするわ。』
「巨大勢力?」
『ええ、村瀬さんと倉田さんよ。』
「はぁ?」
まさか、村瀬と倉田が出てくるとは正直驚きだった。
『村瀬さんが主に指揮をとっているわ。』
「めずらしいな。」
村瀬という人物は、いつも倉田の後ろで隠れているだけの人であったため、驚いていた。
倉田も目立つタイプではなく、先陣をきって何かをするタイプではない。
『村瀬さんが、色仕掛けで数人引っ張って、人数を増やしていったのよ。』
「なるほど。たしかに色気はあるし、胸は大きいし、尻もキュッとしまってて、さらに・・」
『それを女である私にまだ言う気?』
「ごめんなさい。」
『とにかく、団体戦をしたくなきゃ、そこから食堂棟のほうに向かってちょうだい。そこなら、一人でうろついている人がいるわ。』
「わかった。向かってみる。」
識は無線をきり、食堂棟に向かった。
食堂棟の前についた。
食堂棟の前は広く、見通しがよいので、誰がいるのかよくわかる。
食堂前にテラスがあり、その先が食堂への入り口となっている。
情報では、誰かうろついているというが、生徒は誰もいない。
テラスに教師が一人ティータイムをしている。
「すみません。」
識は教師に誰かいなかったか、聞いてみることにした。
「何かしら?」
その教師は、女性であり、とても綺麗な大人な顔立ちをし、綺麗に整った金髪の長い髪の持ち主であった。
歳はだいたい20代後半であろうか。
さらに識はスタイルを見た。まだに“パーフェクト”。ボン!キュッ!ボン!といったボディをしていた。
格好を見ると、おそらく科学先生であろうか。白衣を着ていた。ナース服ではない。
「あの・・・」
識はその身体に見とれていて、しばらく我を失っていた。
「はっ!すみません。え~っと・・・」
「君はここの生徒ね。」
こちらが質問しようとすると、先に質問をされた。
「はい、二年の中嶋です。」
「あら、よろしく。中嶋くん。私は“鏡レイナ”。保健室兼科学教師よ」
「レイナさん。よろしくお願いします。・・・ってそうだ!」
自己紹介をしたところで、やっと本題に入る。
「ここらへんで、生徒が一人うろついていませんでしたか?」
「さあ?さっきからここには誰もいないけど?」
「そうですか。」
識は、礼をいい、無線で、もう一度椿に連絡をしてみた。
「椿か?誰もここには来てないってよ。」
『何言ってるの!?今後ろにいるじゃない!参加してるのは“生徒だけじゃないのよ!!”』
「へ???」
まぬけな声をだし、後ろを見たらその場にはレイナの姿はなかった。
そこには影が一つ。上を見ると、高くと飛び上がり銃を構え識に照準を合わせていた。
「????」
「あ~~~ら、ごめんなさいねぇ♪」
「うぎゃああ!!!」
バババババ!!!っと連射。
識は必死に横飛びでかわし、テラスにあった机を盾に銃弾を回避する。
「あああああんたっ!!参加者だったのか!?」
レイナはオーッホホホホと笑い上げ
「そうよ。参加資格は希望すれば教師でも参加できるわ。もちろん優勝すれば理事長になんでもお願いできるわ。」
「ちなみにあんたは何をお願いするんだ!?」
戦う前にまったくの気まぐれであったが、とりあえず聞いてみた。
「給料アップよ!!」
「まったく、ありがちな理由だな!!」
識は銃を取り出す。
銃はリボルバー式なので、両手を使うので、机を盾に攻めることはできない。
先ほど、レイナは銃を連射したが、おそろしい速さで撃鉄を引き、もう一つの手でトリガーをひいていた。
レイナもタダ者の人間ではないことが容易にわかった。
「ねぇ~。中嶋くん?もし私に勝たせてくれたら・・・お姉さんが、い・い・こ・と・お・し・え・て・あ・げ・る」
「え、まじ」
『中嶋くん。バカなこと考えてんじゃないわよ。』
「うおっ!!!」
今の会話を全て聞かれていたようだ。
識は一瞬、レイナの悩殺攻撃に負けそうになったが、椿の一声で我を取り戻した。
「よし、一丁やるか。」
識は飛び出し銃を構える。そして識は見た。
レイナは今手に持っているのは、銃ではない。
注射器を指の間に4本両手持ちしていた。
「あの・・・それなんですか???」
「硫酸お注射よぉ♪これなら机だろうが溶けるわ!!!」
レイナは器用に一本だけ識に向けて投げる。
識はよけ、注射は後ろの机に刺さる。その注射の針が刺さった部分が溶ける。
「ここここここれ!!!当たったら死ぬでしょ!!!」
「あら~そんなの関係ねぇって一昨年の流行語よ!!」
「変なボケすんなぁ!」
レイナはさらに投げる投げる。流れ弾がたくさんの机に当たり、机がたくさん溶け始める。
識も抵抗をしようと思うが、一発でもあたれば溶ける=ヤバイ。
こんなゲームで溶けるのはごめんである。
「避けちゃいやよ~。私のために当たって頂戴~♪」
「おことわりっ!!!」
識はまだ形をまともに保っている机の上に乗る。
そこからレイナとは逆方向に跳躍する。
跳躍中、身体を縦に半回転し頭を下にしながら、銃を構え、発砲。
レイナもその攻撃は予測していたので、簡単にヒラリとよける。
レイナが避けて、攻撃の手が休んだ隙に飛んだ先にある大きな机を転がし盾にした。
「盾は無駄だってわかってるでしょう!!!」
レイナは硫酸注射器を投げ、大きな机を溶かし始めた。
「さあさあさあ!!出てらっしゃい♪!!」
予備の注射器を取り出し、まだまだ投げつける。
いきおいよく投げつけるので、机を貫通して、地面に注射が突き刺さる。
レイナは片手に4本持ち、それを一斉に投げる。
なくなれば、どこからか補充をしている。
「くそ!!!」
たまらず識はその盾を放棄し、逃げだす。
「まだまだまだまだまだよ!!!」
「そうかな?」
識は反転し、近くにあったカーテンを掴み破る。
さらに近くにあった机を蹴り飛ばし目隠しに使う。
「そんな目隠しごとき!!!」
レイナは飛んできた机を手で払いのけ、識に向けて注射器を投げようとする。
だが、それより早く識は行動していた。
持っていたカーテンを広げていた。あくまで目隠しであった。
レイナの注射器はそのカーテンをも貫通する。それは机を貫通させたのを見ればわかることであった。
ブスブス!!
っと貫通する。
貫通する前に、識はさらにスライディングをし、避ける。
「何度も同じ手は効かないわよ!」
それを読んでいたレイナはカーテンの下に注射器を投げようとした。
先ほどから、識の連続フェイントにより、今手元にある注射器は一本だけであった。
補充をしようとするが、恐らく、今からでは識のスピードには追いつけない。
一本に集中し、投げる。
眉間にめがけて一閃。
一本なら識の動体視力・運動神経を持ってすれば、取ることは容易であった。
今のレイナは何も持っていない。
識は手に持っている銃でレイナを狙う。
「もらった!!!」
一方、桜。
桜は中等部エリアの中庭にいた。
「ふんふんふん!!」
桜はそこで、銃を撃ちまくっていた。
かれこれ30人撃破を達成したところであった。
次元並みの高速連射を習得し、今は三人同時に撃破した。
「ふう・・・。やっぱり一人で歩いているとカモられるよね。」
先ほどまで七海は先ほど、疲れたから休むといって、自転車から降りた瞬間撃たれた。
「それにしても、まだGとSクラスの連中には遭遇しないわね。」
桜が先ほどから戦っているのは、A~Fクラスの人達であった。
なので、まったく苦戦することなく、勝利を収めてきた。
「今、どうなっているのだろう?」
桜は状況確認するため、一度氷柱たち作戦本部と連絡をとることにした。
『そうね、そこにいるとかなり危ないわ。』
「どういうこと?」
『村瀬勢力ってかなり大きい勢力が近くにいるわ。早めに逃げて。』
「そうね・・・。ウチはリボルバーしかないから大多数相手はまずいわね。」
桜は中等部を離れようとした・・・が
ピキーン!!!(○ュータイプ音)
「危な!!」
桜は何かを予知し、避ける。
それは壁にあたった。その壁を見ると黒く染まっていた。
恐らくスナイパーがいる。
さらに玉が飛んでくるが、まったく的外れな所に玉が飛んでいった。
おそらくドヘタなスナイパーであることを察し、特攻してさっそく撃破。
「まったく・・・っ!また!」
撃破した地点でまた狙撃された。
桜は簡単に玉の軌道を読み、狙撃ポイントを察知し、再び撃破。
「っまた!」
同じことがまた続き、撃破。
そこで、桜は思った。
(あれ?まさかウチ誘導されてない?)
危険を察知し、氷柱に連絡をとってみることにした。
だが、携帯を無線をとるとノイズが聞こえるだけで、連絡がとれない。
「まさかジャミング!?」
「その通りよ、東海林さん。」
声がした。
まさか、と思い声がした方向を確認すると、一人の女性と多くの男性集団30人ほどがいた。
「あなたは・・・たしか村瀬さん?」
「会話するのは始めてですね。私は村瀬サリサです。倉田様のメイドをしつつ、学校に通学させていただいております。」
「ご丁寧な挨拶どうも。」
会話をしながらも桜は周囲を警戒観察していた。
周りの包囲網はまだ完成していない。
今なら、逃げられる。
「東海林さん。逃げようとしてるわね?」
「なっ!」
「逃がしません。皆さんよろしくお願いします。」
「「「「サー、イエッサー」」」」
村瀬の後ろにいた男性集団が一斉に襲い掛かってきた。
桜の見た目では、A~Fクラスの人間がほとんどで、Gクラスの人もわずかにいるような感じであった。
たくさんの玉が飛んでくる。
セーフである水玉も多いが、ほとんどが黒墨玉である。
「こんなのに負けたくないな・・・。つーか・・・」
桜は必死に走る。
それを男集団が追いかける。
「これは多すぎだろ!!!!」
逃げる桜。果たしてこの集団を負かすことはできるのか?
次回、「桜無双」