表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
雲の上学園生徒会記録  作者: skyofnet
第4章『雲の上学園のお遊び』
39/119

39 賽は投げられた

12時のチャイムが鳴り、ゲームがスタートした。

桜たち3人はまず時計台の生徒室に向かい、氷柱を仲間にしようと考える。


最初、スタートしたときは武器を持っていないので、迅速な行動が求められる。

武器の所持している相手に遭遇したならば、防戦一方になってしまうので、なるべくA~Fクラスの者に遭遇したくはない。


このゲームの範囲は雲の上中学・高校の敷地を使うので、かなりの広さになる。幸運にも桜たちGクラスは、時計台まですぐの距離なので、誰にも会うことなく生徒会室にいけるであろう。


桜たちは周りに誰もいないことを祈りながら、時計台の下にまで行った。


周りで、パンッパンッと音がする。

恐らく、銃を持っている者同志で打ち合いをしているのであろう。

勝負がついて、こちらにこられてはまずいと思い、桜たち三人は一層早く行動する。


誰にも気づかれず、どうにか時計台下にまでたどり着いた。

エレベーターを使い、生徒会室にまで行く。


チンっと音が鳴り、ドアが開かれると、そこには、いつもの光景、氷柱が生徒会長の椅子に座って、新聞を読んでいる姿があった。


「あ、やっぱり来たのね。」

「ウチらも氷柱ならここにいると思ったよ。ここは生徒会メンバーしか入れないしね。」


そうして、氷柱に近づくと、衝撃の事実がわかった。


「つ・・・氷柱・・・。」

「ごめんなさい。私打たれちゃったの。」


氷柱の腹部に、黒い後。打たれた後があった。


「やっぱり・・・氷柱って腹黒いから血が黒いのね」

「ぶっころすわよ♪」


あくまで笑顔で殴る。


「でも、ゲームに負けた後でも、自由に動いていいらしいから、助かったわ。」

「あ、いいの?」

「ええ、通信役とかはやっていいらしいわ。」

「じゃあさ、ウチらと組もう。」

「ええ、いいわよ。それと、拳銃一個あったわよ。玉は六発。大事に使ってね。」


そして、役割分担をした。

イヤホン型の通信機を桜に渡し、

通信兵 南

戦術予報士 氷柱

移動手段 七海

戦闘兵 桜

といった風になった。


「私は~通信役だから安全だねぇ~」

「そうね。それに生徒会室にいれば、攻撃は受けないわ。」

「外の様子はどうかな?」


南は外の様子を伺おうと、生徒会室の大きな窓から外を覗く。時計台の最上階に生徒会室はあるので、そこからの景色は絶景であるし、周りがよく見える。


だが、顔をだした南に


一弾の黒墨が飛んできた。


「きゃあっ!!」


その場で後ろへところんだ。


「南っ!!!」


全員が駆け寄る。

南の顔は墨だらけになっていた。


「馬鹿な、銃では、こんな高さまで玉が届くはずが・・・」

「違うわ。恐らく、理事長が隠していた、“スナイパーライフル”よ。」

「「スナイパー!?」」


桜たちは、まさかそんなものがあるとは思えず、まぬけな声で反応した。


「武器を隠しているって言っていたけど、まさか、銃だけでなく、そんなものまで用意していたとは、理事長恐るべし・・・。」

「確かに、スナイパーライフルなら、この距離の説明がつくな。氷柱。対策は?」


氷柱は身を乗り出さず、大きな窓を見て、考える。


「この方角、南が打たれた方向角度から考えると、時計台の1階エレベータ門の前に隠れている感じね。」


時計台エレベーターは1階にあり、そこから生徒会室にまで行く設計である。

階段もあるが、最終的に、エレベーター前に下りることになるので、結局は狙い撃ちされる。


「これは、あきらかに私たち生徒会を狙った行動。やられたわね。エレベーター門から前の茂みまで50m。私たちは武器なし。絶望的ね。」


そこで、南が目を覚ました。


「むきーー!!!やられたよぉー!!!」

「あ、やっと起きた。」

「仕返ししてやるぅ~~~」


南は生徒会室のパソコンへと向かった。


「南?何を・・・」

「私のパソコンでハッキングをかけて、相手の正確な場所、生徒情報を丸裸にしてやるぅ~~~」


南のキーボードを叩くスピードは尋常ではなかった。

キーボードが壊れるくらい強く、早く、正確に叩く。


「出たよぉ!!」


パソコン画面には、生徒の写真名前と、現在位置が出ていた。


名前は、××椿

現在位置は、氷柱の予想通りのところであった。


「相手は椿か!!!」

「確かに、椿さんは移動しながら戦うのは格好的に不利。だから待ち伏せってわけか。」


さらにデータを見ると、現在の撃破数が20人となっていた。

待ち伏せで倒した数であろう。


「氷柱ちゃん。これスナイパーライフルのデータだよ!」

「・・・・これじゃあ、ロシアンリボルバーってのじゃないわね。だけど見て。これは一発ごとにリロードが必要よ。」


スナイパーライフルでは、打った後に玉を装填しなきゃいけないようになっている。

玉を取り出す→玉を入れる→レバーを引く→

などの手順がある。

それにライフルを持っているのは素人なので、時間がかかることが予測される。


そこで、四人は作戦を立てた。




(南と氷柱を当てたから、後は七海と桜ね。桜さえ倒せば、一気にこのゲームはチェックメイトをかけるものだわ)


椿は茂みに隠れて、銃を構えていた。その先にはエレベーター門。


スコープを覗き、時に生徒会室の窓を見、椿は辛抱強く待つ。


ふと、エレベーターの階表示のランプが生徒会室から下へと移動している。


これは、覚悟を決めて、特攻を決めたのかと思い、スコープでエレベーターから出てきたところを狙い撃ちすることにした。


チンと音がなり、ドアが開く。


椿はトリガーに力をこめようとする。

だが、ドアが開き、中は無人であった。


(フェイク!?)


椿は生徒会室窓を見る。

これをオトリに別方向からの攻撃を予測した。

だが、何も・・・


と思ったとき


ギュルルル!!!!


何かが回る音が聞こえる。


そこでは、七海が自転車に乗り、後輪部分に桜が乗っていた。

そのまま、突撃。

乗り物の運転が神レベルの七海が操縦しているので、加速が早い。


遅れて、椿が銃を構える。

これなら間に合う距離であると思った。


トリガーを・・・


「とりやああぁぁ!!!」


七海は自転車でジャンプをした。

だが、椿は動じることなく脅威である、後ろに乗っている桜に照準を合わせる。


(二人は無理でも、桜だけなら・・・さよなら!)


トリガーに力をこめる。

銃弾が飛び出る。


それより、一瞬前であった。

後部に乗っていた桜は七海を踏み台にし、もう一段ジャンプをした。


椿は桜のジャンプまで反応することができず、後部座席の位置に射撃し、はずした。


「いっけえええぇぇぇ!!!桜あぁ!」

「うおおおぉぉぉ!!!」


椿は銃を構えなおそうとは思わなかった。

今から玉を装填しても間に合わない。

あきらめの表情を浮かべ、桜に打たれた。




「この猿桜・・・」

「えっへっへ。椿一丁あがり。」


負けた椿は汚れた顔面をハンカチで拭きながら悪態をついていた。


「で、そのライフル頂戴♪」

「これね・・・」


椿は手に持っていたライフルを・・・

ガチャガチャといじり銃口を曲げた。


「あーーー!!!何壊してんだよっ!!!敗者のクセに!!!」

「あらあら、桜に使われるくらいならこうしたほうが、武器のためよ。そのかわり、玉くらいあげるわ。」


桜は椿から玉だけもらい、その場を去った。



桜は通信機で南と氷柱に連絡をとる。


「氷柱。状況は?」

『今の場所だと、近くにだれもいないわ。とりあえず、今いくつかの勢力があるわ。そのうちの小さい勢力から潰していきましょう。』

「わかった。」




そして、椿は・・・・

「やられたわ。けど・・・」


椿は時計台の隠れ扉をカードで開く。

地下階段をくだり、薄暗い部屋に入る。

そこはセキュリティールームであった。


「椿嬢!お疲れ様です!」

「ありがと、じゃあ・・・さっそく・・・」


椿はコントロールパネルをいじり、トランシーバーで連絡をとる。


「中嶋くん。間宮・・・間宮千。聞こえて?」

『こちら中嶋。聞こえる』

『こちら間宮。良好』

「では、狩を始めるわよ。」


椿は不適な笑みを浮かべ、モニターを見ていた。





次回予告

椿「桜に負けたわ・・・」

間宮「・・・・・」

椿「きいいぃぃーーくやしいーーー!!!」

間宮「・・・・」

椿「桜を黒墨だらけにして、あられもない姿にしたかったわぁ」

間宮「・・・・」

椿「アンタいい加減喋りなさいよ!!!」

間宮「次回、椿チーム編」

椿「そこだけ!?」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ