37 四章『雲の上学園のお遊び』
新学期。桜は二年生となり、今日は初登校の日である。
先日、桜家の執事となった、中嶋識と一緒に登校している。
校門をくぐり、高等部棟まで、校内電車にて移動する。
今は登校時間なので、ほぼ満員状態であり、座らず立っていた。
「・・・眠いよぉ」
桜は目をこすりながら、ぼやいた。
それは、今日はたたき起こされた識へ向けた言葉であった。
「仕方ないだろ。今日は遅刻したら理事長に何されるか・・・。しそれとさっき言ってた理事長へのお土産持ってきたのか?」
「それはもちろん。忘れたら、一年生にゲットバックヒアーされるよ。あの理事長だから
。」
桜は理事長に散々な目に合わされているので、すでにおおよそ何をされるのか、検討がついている。
「あ、ついた。」
校内電車は、高等部棟につき、乗車していた学生は一斉に下車した。
「クラス分けのボードはっと」
今日は初登校の日なので、学年ごとにクラス分けを行われている。
このクラス分けはA~F組までは区別なくランダムに振り分けられる。
だが、G組とS組は別である。
G組は“特別クラス”といわれている。
理事長が認めた、何か特別であったり、成績優秀者であったりすると、このクラスになる。
S組は、悪く言
えば“異常者クラス”よく言えば“超人・エリートクラス”である。
かなり特別な才能を持っていたり、常人では到底なしえないことをできる人物が該当するクラスである。
このクラスの者は基本的に登校の義務はない。テストも自宅で受けることができる。たまに登校しなくてはいけない日があるだけで、ほぼ自由である。
ちなみに氷柱はこのクラスの人間である。
なので、このクラス分けはS組から外れる者もいればS組に昇格する者もいるので、この日をまちわびている生徒もいるのが事実。
桜はとくに気にしてはいない。
「ウチは・・・Fかな?」
一年生のときは、Fクラスであったため、なんとなくFかと思い、2年F組の生徒ボードを見た。
しかい、自分の名前はなく、友人の名前もなかった。
A~Eを見た。
「七海も南の名前もないな。ってことは・・・」
まさかと思い、G組を見た。
「あった。」
「何?」
「ウチG組だ。」
桜は特別クラスの生徒になった。
「おい、桜。西園寺(七海)や、南嶋(木葉)もG組だぞ」
「あれま。生徒会メンバーがたくさんいるクラスになったわね。」
「ピンポンパンポーーーン」
チャイムではなく、人の声による放送のチャイム音であった。
識は何事かと思っていたが、桜にはこの声に聞き覚えがあった。
「この声の主は・・・」
「生徒諸君。私は理事長こと“黒雛理事長”である」
桜はやっぱりと思い、肩を落とす。
「まず、今日は、新入生に対し、我が校を理解してもらおうと思い、レクリエーションを用意した。11時に説明をし、12時からはじめる。全員強制参加である。サボるものは退学処分に処する。」
周りがざわめく。
ふざけるなーなどの声が上がる。
おそらく、理事長のことを知らない、一年生であろう。
二年生以降のものなら『またか』と思い、ほぼあきらめムードになる。
「以上である。それと、東海林桜。スリーサイズを公表されたくなければ、今すぐ私の下へこい。ちなみに東海林桜の胸はA・・・」
「わあああああぁぁぁああぁぁーーーー」
「などと言われたくなければこい。」
「すでに大事なとこ言ってんじゃねーかっ!!!!」
顔を真っ赤にしながら、理事長室へと走る。
「くおおぉぉら!!理事長!!」
桜は、扉を蹴破り、理事長室へと入った。
「あら、桜じゃない。」
ソファーに座っていたのは、椿であった。
コーヒーを片手に、先ほどまで、理事長と会話をしていたようである。
「あ、椿!!ウチのスリーサイズを教えたのアンタだろっ!!」
「そのとおりよ、さすがわ私と以心伝心。心も身体もつながっている仲だわ。」
「そんな仲、鉈女を呼んで、否定させてやる。」
「むちゃくちゃなツッコミね。」
「東海林桜っ!!!私を無視するとは、いい度胸だ!!」
理事長は無視されることが、非常に嫌いなので、怒りだした。
「○○沢症候群をばら撒いてやろうかぁ!!かなかな?」
「最後の部分がキモイです。40代。」
「ぶちまけられてぇかぁっ!!!」
「理事長、○ぐらしネタはそろそろにして、本題に入りましょう。」
「む、そうだな。」
理事長は持っていたスタンガンを机において、落ち着きを取り戻した。
「東海林桜よ。放送は聴いたな。」
「あ、よくもウチのカップを!!」
「そこではない!私にツッコミをさせるとはやるな。レクリエーションのことだ。」
理事長は、紙を一枚取り出し、桜に見せた。
「いいんですか?それ後で配る紙ですよね。」
「かまわないさ。貴様らには一つ特別ルールがある。それを該当するものに伝えてもらうために見せた。」
「は!?」
紙にはルールの他“※”で追加ルールが書いてあった。
(※Gクラスの者はハンデとして、最初から持たないものとする)
「なんです?持たないって?」
「見せられるのはここまでだ。このことをGクラスの連中に伝えておけ。」
「まったく・・・。わかりました。では」
「待て。」
「なんです?」
「お土産。」
始業式を始め、桜たちはクラスにてホームルームを始めていた。
クラスには一年F組の友人がたくさんいた。
クラスメートは、七海・南・識・間宮・村瀬・倉田・椿などなど。
「そういえば、椿は何で理事長室にいたの?」
「私?そうね。ひ・み・つ♪」
椿はよく理事長とコンタクトをとっている。
一応だめもとで聞いてみたがやはり、ダメであった。
「よ!桜!」
「桜ちゃん♪」
南と七海が近づいてきた。
「二人もGクラスなんでね。」
「私たちも驚いたよ。」
「わたしたち基本サボりだからぁ~、Gなんて考えてもなかったよぉ。」
この三人も成績はだいたいが下の下。
桜は英語だけは上の上
七海は社会は上の上。
南は数学が上の上。
これだけ飛びぬけて成績がよいが、他が終わってる。
「おいおい、お前らこの教室のテスト大丈夫かよ。ヘタな点数とったら補修だぜ。」
このクラスの住人である、識がやってきた。
「そういえば、識くんって~、今~」
「ん、なんの話?」
「「わああぁぁぁぁ!!!!」」
識と桜が南の言葉を遮った。
どうやら、南は識が桜の屋敷で執事をしていることはしっているらしい。
一応念のため、周りには識が桜邸で住んでいることは秘密にすることにしてるので、口止めに入る。
「何さ~気になるよー」
何のことかわからない七海が桜を揺さぶってきた。
「いや~なんだろな~・・・」
「嘘がヘタすぎだろ。中嶋くん?何があったのかな?」
「え~っと。あ!先生来た!」
「あ、コラ!」
識は言い訳を作り、席へと着席した。
担任教師は、紫部であった。
「おーし、席につけ。出席とるぞー」
「あれ、紫部先生。Fクラス担任だよね。」
「あー、Gクラス担当の芦辺が入院したから、私がG組の教師になった。」
出席をとり、時刻は10:50.皆11時に何かがあることを知っているので、理事長からの伝言を伝え、全員何があるかわからない精神状態で、座っていた。
時間をもてあまし、識と椿が雑談をしていた。
「椿。理事長が何をやろうとしているのか、本当にしらないのか?」
「知らないわよ。」
「じゃあ、何をしそうだ?」
「そうきたのね。そうね・・・。あの方のことだから、最初から死にそうになることはしないと思うわ。まぁ桜単体ならワニと戦わせるくらいはしたと思うけど。」
「そうか。まぁ一年生もいるしな。」
すると、校内放送がなる。
これから、理事長が何をいうのか、全校生徒が緊張し、聞く。
次回予告
南「私たち久しぶりの登場だね~」
七海「東海林家編って桜メインじゃないのよ!」
南「何気にぃ三章では識くん出てたからねぇ。」
七海「今回は活躍できそうね。」
南「それから、情報では今回、あの久しぶりのキャラが出てくるそうだよぉ!」
七海「っということで、次回は『理事長の発言!』だ!」
南「お楽しみにぃ♪」