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雲の上学園生徒会記録  作者: skyofnet
第3章『東海林家の一族・前』
36/119

36 花びら舞う桜の木

最近更新スピードがバラバラです。


すみません。


せっかく読者を増やしていたのに、申し訳ありません。


では、東海林家編最終回スタート!!

翌日、


今日の夜には全員帰宅する予定である。

午前中に報告などは全て終わらせていたので午後は自由である。


桜は、ある用事があり、茜、黒井の三人で島の端っこの岬に来ていた。


森を抜けた岬には花畑がある。その先に十字架の墓があった。


桜は花束を持っており、その墓へと近づいていった。

先に誰かが、来ていたのか、酒瓶が一升置いてあった。



「母さん。お久しぶり。」


その墓には、“HANA SYOZI”と書かれていた。

つまり、桜の母の墓である。


「最近は楽しい毎日だよ。使用人も増えて・・・、生徒会に入って友達も増えて、いろんなことやって・・・でも」


下を向き、涙を流さぬよう、我慢する。


「・・・・・お母さんがいてほしかったかな。」


しばらく、桜は黙って、下を向き、考え事をしていた。


「ごめん、少し弱音を吐いたね。お母さんがいなくても、ウチは元気に、親父の分も含めて生きていくよ。」


そこで、後ろから茜が声をかける。


「桜・・・、私たちは少しあたりを見てきます。」

「わかった。」


お祈りを済ませた茜と黒井は桜に母の墓と二人きりにさせてあげようと、その場を離れた。



桜は立ち上がり、そこから見える海を見た。


「母さんはこの景色が好きだったな。よく連れてこられてたものだ。」


桜は感傷に浸る。

すると後ろから音がした。


ガサガサっと。


「誰?兄貴?恋美?」


この島には東海林家の人間しかいない。なので顔見知りなので警戒はしなかった。



その者は近くの大きな桜の木の後ろに隠れている。

木からは、腕と肩しか出ていないので顔がわからない。


桜が近づこうとしたとき、その人物は声だした。



「桜。」

「っ!!(知ってる声じゃない!!)」


東海林家の人間ではない。

親族の声ならわかる。

もし、今回来ていない祖父でも声くらいはわかる。


「誰!!」


先ほどとは違い、警戒心のある声をだした。


「大きくなったな。これも花のおかげだな。」

「まさかっ!!!」


あまり、接したことがないので、今まで、思い出せなかった。

その声の正体。


まだ、木に隠れた状態であったが、その人物が誰なのか理解した。


「親父・・・生きてたのか。」

「おいおい、勝手に父親を殺すもんじゃないぜ。」


その人物は桜の父、天津であった。


「その、ウチに対するふざけた口調。いつもそうだ。」

「悪いな、昔っからだから、いまさらだ。」

「なぜ、今になって出てきたの?」


桜はあくまで落ち着いて話をしようと試みている。

内心かなり動揺している。今、行方不明であった父と話しているのだから仕方ない。


「今日は、花の命日だ。夫として当然だろ?」

「じゃあ、なぜウチを残して・・・残して・・・」


桜は突然、悲しくなった。

昔を思い出していた。


母が死に、その翌日急に父がいなくなり、一人ぼっちになった。


「今は話せない。」

「なに!?」

「実のところ、今桜と話しているだけでも少し危険なんだ。だから俺はもう行く。今日は話せてよかった。」

「待て!!!」


桜は木に向かって走る。相手の肩へと手を伸ばす。


そして、肩を掴む。


すると


パっと、まるで空気に素振りをするかのような感触、何もつかめなかった。

それどころか、触る直前、姿が消えた。


桜は呆然と立ち尽くす。


桜は考える。


「あれは、・・・・そうね、親父がこんなとこにくるわけないよ。きっと、母さんのことを思い出していたから、幻でも見ちゃったんだろう。」


周りを見渡すが、とても、一瞬で隠れることができる場所ではない。


桜は一度、墓を振り返る、屋敷へと戻っていった。



墓の上には、桜の木から落ちた花びらが一枚乗っかっていた。







「桜~帰りますよ~」

「うん。今いく。」


夕方。桜たち全員帰宅するためジェット機に乗っていた。


大人たちは、なぜか皆重い表情をしていたが、特に気にしなかった。


「さっくらー!!」

「うわ!!」


後ろから抱き着いてきたのは、恋美であった。


「なになに??」

「ちょっと、頼みがあるんだけど、」

「何?」


恋美は誰にも話を聞かれまいと、あたりをキョロキョロと見渡す。


「じ・・・じつは」

「桜姉さま」

「はうわああぁぁ!!!」


恋美は飛び跳ねた。

あれだけ周りを警戒していたのに軽々警戒ゾーンを突破した人物に。


愛歌であった。


「桜姉さま」

「なに?」


愛歌はポケットからポケベルをだした。


「識様にこれを渡してください」

「ぽ・・・ぽけ」


あまりに懐かしすぎる物を見たのでかなり動揺したが、受け取った。


「では・・・」


そして愛歌が自分のジェット機に乗った。


「あれ恋美??」


恋美と話をしようと思ったが、いなかった。


「何を話そうとしたんだろう?」




桜も帰ろうとジェット機に乗る。


だが、


「おい桜。」

「ばばばば婆ちゃんっ!!!!」

「お前はまだ返さないよ。ほら」


御春はどこからか、鎖を取り出す。


「いやあああああああああぁぁぁ」

「観念しぃー!!ってやつよ!!」


鎖でグルグル巻きにし、桜は付近の森へと消え去った。


そこに茜と黒井は残された。


「仕方ありませんね」


桜たちはもう一泊(桜は森のなかで徹夜でトレーニング)をしていた。










次回予告

桜「あのババァ・・・、猪に徹夜で追わせやがって・・・、途中から追ってくる動物増やしやがって・・」

茜「まぁまぁ、桜。」

桜「とにかく生きて帰ることができてよかった。」

茜「そうですね。では明日から学校ですよ。」

桜「あっ!!そうだ!!忘れてた。」

茜「さて、次回からは“新学期編”ですわ」

桜「あの理事長に会うのか・・・憂鬱だ・・・」


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