32 いざ東海林家へ!!
新年あけましておめでとうございます。
最近は忙しくてなかなかアップできませんでした。
すんません。
さて、東海林家本家編です!
年度末報告会当日
「え~っと、では雪音さんと識くんは申し訳ないのですが、今回はお留守番をお願いします。」
「はい、茜さんもお気をつけて。」
「いってらっしゃいませ。」
午前6時。
東海林家本家へと行くため、桜と茜と黒井が本家に行く準備をしていた。
屋上では、本家からやってきたジェット機が待機している。
黒井と茜は準備ができているが、桜がまだ来ていなかった。
「桜遅いですね。識くん、見てきてくれますか?」
「はい」
識は桜の部屋へと行った。
「で、茜さん。あの中嶋はどうなんですか。使えそうですか?」
「昨日軽くテストをしたのですが・・・」
昨日
「では、識くん。何ができるか見たいので、とりあえず掃除をしてもらえますか?」
「はい、わかりました。」
「大丈夫ですよ、そんな緊張しなくても。使えなかったら、路上に捨てるだけですから♪」
「全身全霊をかけて頑張ります!!!」
識は食事部屋の掃除を頼まれた。
これが初の仕事となるので、緊張をしていたが、今の言葉で余計緊張した。
10分後。
「識くん、できましたか?」
「茜さん。はい、バッチリです!こう見えても、昔、宮殿の掃除をやらされたり、漁船の掃除とかもやりましたから、掃除は得意です!」
「あらあら、それは奴隷・・・じゃなくて下僕・・・じゃなくてお仕事仲間として期待できますわ♪」
「茜さん、ツッコミしていいんですか?」
次はキッチンに案内された。
「では、お料理お願いします。」
「では、出雲の山で身に着けた包丁捌きを!」
識は魚を空中に投げ、包丁でスパパパッ!と切り、刺身の造りが完成。
「包丁捌きでは桜並ですね。正直バケモノですよ♪」
「あまり褒められて気がしないのはなぜ・・・?」
そして現在。
「っという具合に、結構できる子ですよ。」
「そうですか。あとは執事としての心得を叩き込むだけですね。」
話していると、あわただしく桜と識が屋上へとやってきた。
「ひ~、何とか間に合ったか?」
「いや遅れてるからな。」
桜が来たのを知り、ジェット機からパイロットが出てきた。
「桜お嬢様。おはようございます。」
「あ、おはよう。今日はよろしく。」
「はっ!」
本家の人間に挨拶をすると、時間が推しているのか、さっそくジェット機に乗った。
空いた窓から茜が残る雪音と識に言った。
「では、大鷲と不知火のことと、火元はお願いしますね。」
「はい、いってらっしゃいませ。」
桜、茜、黒井の三人は遥か彼方へと飛んでいった。
屋上では雪音と識が残されていた。
調理場
「お料理♪お料理♪今日は洋食にしようかな?」
識は調理場で野菜を切っていた。
「今日は、三人分・・・じゃなくて四人分か?」
識、雪音、白井、あと忘れがちだが、執事長である田中の四人が今、桜邸にいる。
「そうだ。時間があるから、何か嫌いな食べ物がないか聞いてくるか。」
庭
「・・・そういえば、まだまともに自己紹介してませんでしたね。」
「そういえば、昨日はバタバタとしてましたからね。」
お互い自己紹介して、雪音はペットの餌に、識は朝食作りに行った。
「今日も寒いですね~~~。」
「お前雪女だろ。本当に珍しい奴だな。」
庭で話していたのは、雪音とペット狐である不知火である。
不知火は妖怪の一種なので話せるらしい。
同じ妖怪なので、雪音とはたびたび話をしている。
逆に人間である、桜や茜には話せることすら知られていない。
「で、昨日ちらっと見たが、新しい奴入ったらしいな。」
「ええ、中嶋さんですが。・・・なんだか私より・・・いろいろとできちゃう人で・・・私なんか・・・」
目が虚ろになり、あたりが吹雪いた。
「うお!寒い!やめろ!やめてくれ!寒いって寒い!!そのうちいいことあるから!」
「本当ですか!」
顔がパアっと晴れ、あたりの吹雪が止んだ。
(コイツ本当に怖いな。気分で吹雪を無自覚で起こすからな。)
「で、さっさと飯よこせ。」
「あ、忘れてた。今日は、うにご飯ですよ。」
ご飯にうにが混ぜられている。
「これ・・・まさか」
「はい、私が作りました。それに特製ドレッシングをかけておきましたからね。」
(死ぬかもしれない。)
不知火は以前、この“特製ドレッシング”を舐め、全身麻痺した。
「私が一人で住んでいたときに、よく使っていたドレッシングですよ♪どうも人間の方には合うかまだ試してませんが。」
「・・・今日は・・・草を食ったから、おなかいっぱいだ。」
「あ、ダメですよ。ちゃんとご飯食べなきゃ!もう!」
「草って意外と栄養あるんだぜ。」
「雪音さん。嫌いな食べ物・・????」
識がやってきた。
そして固まった。
(狐が話している。普通に話をしている????)
識は頭の中で情報を整理していた。
ここに雪音さんがいて狐がいて話していた。
いたってシンプルな答えであった。
「あのあのあのあのあのあのあのあのあのね、ししししししくらめんくん!!!」
「いや“しくらめん”って誰だよ?ってかパニくり過ぎだろ。」
「狐がツッコミ!?」
そして雪音が説明をする。
時々パニくって何を言っているのかわからなくなったら、狐こと不知火がフォローをする。
「なるほど、二人・・・いや雪音さんと不知火は妖怪だったということか。」
「隠すつもりはありませんでしたが・・・」
「まぁ、妖怪は基本的に身分を隠すものだからな。雪音もヘタレ妖怪だが、妖怪ってだけで、人間から差別される歴史があんだよ。」
「いや、怒るつもりもないし、差別なんかしないさ。ちょっと驚いただけだ。妖怪だろうが人間だろうが、俺はかまわないさ。」
「・・・時代ってのは変わるもんだな」
識は不知火が言ってる“時代”ということがよくわからなかったが、今は聞くときではないと思い、あえて聞くことはしなかった。
桜がいない間にそんなことが起きていた東海林家であった。
次回予告
識「次回からは東海林家編だから出番ないそうですよ」
雪音「あら?じゃあ今回で私たちしばらく退場ですか?」
識「まぁそうですね。そろそろ東海林家について触れておかなきゃいけないらしいんで」
雪音「私たちも東海林家関係者のはずですけど・・・やっぱり・・・私が・・・仕事できないから呼ばれないんですよね・・・わたしなんか・・・」
識「雪音さん!!なんだかすっごく寒い!!これ雪音さんのせいでしょ!?」
雪音「わたしなんか・・・わたしなんか・・・・」
識「死ぬーーー!!!」
不知火(あのバカ二人は何やってんだ?)