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雲の上学園生徒会記録  作者: skyofnet
第3章『東海林家の一族・前』
31/119

31 My Girl

屋上。

桜がついた時には、ねずみと三葉は空中から垂らされている紐にしがみついていた。


「アンタこんな移動手段しか用意できなかったのかい!」

「これしか雇えないんですよ。姉御がケチるから。」


しがみついている紐は上で五羽のカラスが足でつかんでいる。

ねずみが桜に気づいた。


「やべぇ!あのヤローだ!おいカラス!急げ!」

「桜ちゃん。そういうことだから、ごめんなさいね♪」


そしてカラスは飛び出して、紐にしがみついていたねずみと三葉も浮き出した。


「させるかあぁぁ!!」


桜は飛びだつ紐をギリギリ端を掴んだ。

そのとき、恋継も屋上へ現れた。


「三葉さん!桜!」


恋継は桜の足にしがみつく。


「ちょっと!兄貴何してんの!?言っとくけど、今高いよ!高所恐怖症でしょ!」


今は屋上を少しはなれて、今紐を話したら、死ぬかもしれない高さである。

高所恐怖症である、恋継は目をまわして桜の足から手を離してしまった。


「きゅう~~~~」

「恋継さん!!」

「“きゅう”じゃねーー!!バカヤロ!!」


三葉は思わず声を出してしまった自分に驚いた。


桜はなんとか手を伸ばして、救済できた。


「姉御!そいつら落とせませんか?」

「え・・・・。」


三葉は悩んでいた。

この高さから落としたら、確実に死んでしまう。

恋継を殺してしまう。

そう悩んでいた。


「姉御!ヤバイです!早く“軽く”してください!」


上で飛んでいるカラスが予定異常の重量で苦しそうに飛んでいた。

そして五羽のカラスがひそひそと話し合っていた。


「やつら裏切ります!!」

「「は?」」


カラスは口を開けて告げた。


「安い賃金で雇われてるのにこれ以上やってられねぇよ!あばよ!」


カラスは紐を放した。


4人はそのまま高度から下へと落下した。


「「「あ~~~~~!!!」」」



ドオオォォォン



4人は落下したが、偶然下がボロ家がありクッションとなり助かった。

何重にも重ねられて天井を突き破り、ボロ家の中へと入っていった。


「いった~~~。兄貴?無事?」


恋継は桜の隣で気絶していた。

桜がいたのは居間付近であった。

居間の中は机とタンスしかなかった。

そこから、キッチンが見え、そこにねずみと三葉が倒れていた。


「三葉さん。・・・」


三葉は目を覚まし、桜と恋継を見て話し出した。


「そうよ。私はコイツと同じ、泥棒稼業よ。恋継さんに近づいたのは恋継さんの財産目当て。」

「そう・・・。」


桜は悲しそうに言った。


「でもね、私たちはある人に東海林家のことを聞いたの。遺産相続に関することをね。」

「遺産相続?」

「あなたにはまだ、その遺産相続に関する本当の価値がわからないでしょうけど。」

「どういうこと?」

「いずれわかるわ。それとどうして私がここまで話すと思う?」


三葉は笑い、ポケットから大き目のカプセルを出した。


「これはね、睡眠カプセルよ。事前に対抗物質を撃ってるなら効かないものよ。半径10mってとこね。握りつぶせば・・・・よ。」

「もう逃げられるってわけね。」

「ごめんなさいね。・・・にしても何かくさいわね・・・。」


よく嗅いでみるとガスくさかった。


桜はキッチンを見た。


コンロが落ちた衝撃で壊れていて、ガスが部屋に充満していた。


「ちょ!まずくない!?」

「そうね。眠らせた後、外に避難させてあげるわ。殺したくはないから!」


三葉はカプセルを高々と上げ、握りつぶそうとした。



「三葉さん。」



桜の後ろで声がした。

恋継が立っていた。


「三葉さん。俺はウスウスではあったが、あなたが俺を見ていないことは気づいていた。」

「え・・・」

「でも、俺は、三葉さんのことが、」


そこで一旦、話すのを止め、ポケットから


タバコを出し、


ライターを出した。



「「やめぇぇてぇぇぇぇ!!!!」」

「あなたがす」


話したのは、ほぼ同時であった。



ボロ家は大爆発し、家は木っ端微塵になった。




ボロ家跡地には、誰も立っていなかった。

瓦礫の中から、桜が出てきた。


「兄貴~。生きてる~?」


桜があたりを見回すと、恋継の足があった。

足を引き上げ恋継の顔を確認した。


「さくら~?何が起きたんだ?」

「アンタが家を爆破した。そんだけ。」

「三葉さんたちは?」

「生きてるよ。あっち。」


桜の指した方では気絶をしたまま、倒れている二人がいた。


「家いいのか?」

「アンタが爆発させたんでしょ。」



その後、三葉とねずみは警察に捕まり、巻物は無事桜家に帰ってきた。

当然、恋継の結婚式は中止。恋継は笑いながら帰っていった。


「じゃあ、桜。またね。」

「識様・・・さよなら。」


二人も恋継と帰っていった。


「識?まさか愛歌に!」

「いやいや!やってないよ!手を出してねぇよ!」




後日談

次の日、休日ではあったが、生徒会メンバーは午前中だけ用事があり、集合した。

識がかなり落ち込んでやってきた。


「はぁ~~~~~」

「どうしたの?中嶋くん?」

「昨日・・・、家が“爆発”して木っ端微塵になった。」


全員固まった。特に桜は固まりついでに冷や汗がどっとでた。


「なんだか、爆破後からは泥棒が捕まったらしいから、泥棒がうちを爆発させたんだろうって。」


桜は、恐らく、東海林家の力で桜たちはあの場にいなかったことになったことを察した。


「おかげで、今日は川原で野宿・・・まぁこのまま寝たんだけどな。」


誰も何も言えなかった。


「家がないとバイトもできないだろうなぁ。」


場の空気が暗くなる。


「あ、いやごめんごめん!大丈夫さ。俺けっこうサバイバルやってるから!」


氷柱が心配そうな顔をしながら、かつ気まずい顔をしながら


「あのね・・・。家がないと・・・在校もむずかしいかも・・?ほらうちは特別な学校だから。」


識は卒倒した。


「中嶋くん!!しっかりして!!」



その様子を見て桜はあることを決めた。





東海林桜邸

「っということで、“また”人拾ってきました♪」


桜は識を連れて東海林家にやってきていた。

目の前には“超”笑顔で立っていた。


「ってことで、こいつを“執事”にし・・・」

「さ~く~ら~!!!」



「ぎゃあああああああぁぁぁぁ~~~!」


こうして、あらたに識は、桜の家で住み込みの仕事をすることになった。




次回予告

桜「ってことで、識が執事になりました!」

識「いいのか?本当に。」

桜「いいっていいって。・・・実は爆破したの・・・ウチにも責任があるし」

識「はぁ!?お前かぁ!?」

桜「さて、それは置いておいて、次回から“東海林家の一族”本編。じいちゃんの家に行きます!」

識「置いておくってな・・・。」


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