3 七不思議の不思議
4時45分…
寝起きの桜たちは図書室についた。
雲の上学園の図書室は4時45分まで開いている。
時間になると、図書委員が鍵を閉め、その鍵を職員室へと持っていく。
図書室の扉を開くと他の生徒たちは帰り仕度をしていた。
薬師寺は、図書室のカウンターで整理をしており、図書室へ入ってきた桜たちに気がついた。
「…あの…薬師寺さん…遅れてごめんなさ」
「い」を言おうとしたとき、薬師寺は笑顔で顔だけ桜たちに向け
「いいえ、全然気にしてませんよ。私の予想では授業後に来てくれると思いましたが、まさかこんな帰り際の迷惑な時間帯にくるとは思わなかったなんて思っていませんから…ね」
桜たちは正直かなりビビッていた。
この威圧は氷柱のものと同じ種類だと三人は察していた。
やられる…そう思った。
「では、ちょっと今日はあまり時間がないので帰り道でお話しましょうか」
「「「はい!是非何卒よろしくお願いします」」」
三人は全身全霊で懇切丁寧に言った。
その後、三人は薬師寺と帰りながら話を聞くため、校門にて待っていた。
薬師寺は職員室に鍵を届けるので10分くらい待つように言ったのであった。
三人は適当に話していると、一人の女性が近づいてきた。
桜は薬師寺が来たかと思い声をかけた。
「あ、薬師寺さ…」
その女性の顔を見た瞬間、急に桜の顔が険しくなった。
「あら、薬師寺さんとやらじゃなくてごめんなさいね、桜」
その女性はどこから取り出したのか、黒い扇子を綺麗に広げた。
「なんだ椿…。いたの」
「つれないわね。私と貴方の仲じゃない。あの夜を一緒に過ごした関係なのに」
「過ごしてないわよ!あんたの妄想にウチを登場させるな!」
この少女の名前は、黒雛椿。桜たちと同じ一年生。
身長は桜と変わらないが、胸が大きい。制服がきついそうだ。
髪は綺麗な金髪で軽くロールを巻いている。後ろ髪は長くたれている。
とても綺麗な顔立ちをし、プライドの高そうな顔をしている。
「ところで、桜。聞いた話によると何かめずらしく生徒会の仕事をしているそうじゃない」
「そうだよぉ!桜ちゃんのぉ目安箱に手紙が入ってね。そのオシゴトしてるんだよぉ」
「そういうわけだから、それじゃ」
桜はどうにか椿を追い返そうと手を振った。
「相変わらずね。まぁいいわ。それじゃまた何かあったら私の部屋にきなさい。」
「極力いかないようにするわ」
椿と別れたすぐ後に薬師寺がやってきた。
「ごめんなさい。あなた達ほどではないけど、お待たせしてごめんなさい」
(((いやむしろこちらがごめんなさい)))
「では、いきましょうか。家はすぐなので早くお話します」
「七不思議は七つの不思議があると思ってませんか?」
「違うんですか?」
「たしかに七つあるらしいのですが、今はいくつか変な話があります。順に説明しますね。
第一の謎がよくある花子さん的な存在
第二が夜走る銅像
第三がエリーゼのためにを引く人体模型
第四が首なし
第五が欠番
第六が花子さんの次の住人
第七が欠番」
「第五以降がなんだか変ですね。」
「わたしも同意見。欠番も気になるけど、第六の話もおかしいですね。」
「ですが、この話はすでに捨てられたという本に書いてあった本当の話らしいです。欠番というのはまだいないということらしいです。なので実際は五不思議です。ですが、書物によると欠番も数に含まれ、七不思議となると書かれていたらしいです。これは信頼できる方からの情報なので間違いないと思います」
「で、なんですけど、この七不思議でイタズラしている人がいるらしいんですよ」
「不謹慎なイタズラですね。本当にでたらどうするんでしょう」
その瞬間桜と七海が笑い出した
「あっはははは!お化けなんているわけないでしょ!!」
「あははっは、ウチもそう思う。」
薬師寺は少し怒ったような顔になったが、すぐに笑顔になり
「じゃあ、お願いできますね。イタズラの解明を直接していただくこと」
「「えっ」」
「では、私はここで曲がりますので、ではおねがいしますね」
一方、中嶋識も調査をしていた。
桜たちとは別に、ある人を訪ねていた。
「こんにちはー!先輩生きてますか?」
識は学校の近くにある 真道神社 というところを訪ねていた。
ガラッと扉を開けて頭を丸めた青年がでてきた。
「なんだ、識か。あまり時間がないんだが用があんのか?」
「先輩はたしか去年まで図書委員長でしたよね。それで聞きたいことがあるんです」
「ん…本のことか?」
「七不思議ってしってます?最近それでイタズラするやつがいるらしいんですよ」
その瞬間、顔が変わった。
「なに?あの学校でそんなことをするやつがいるのか?」
「そうなんですよ。で七不思議ってどんなのかなって…って先輩かなり顔ヤバイことになってますよ」
「ああ、すまん。俺の卒業した母校でそんなことをしているやつがいると思ったらついな」
どうにか青年は顔を元にもどした
「で、そいつらを懲らしめたいので七不思議教えてもらえません?」
「いや…、ちょっとわけあって今はダメだ。明日でいいか?」
「…わかりました。」
識は真道神社を後にした。
一つの疑念を抱え、同時に一つの決心というほどではないが、決めたことがあった。
「今日にでも夜の学校にいってみるか。」
次回、七不思議解決編 前編
次回予告
桜「そういえば私たちの名前の読み方を説明しましょう」
識「そうだな、東海林とかわからない人もいるかもしれないからな」
桜「東海林桜
西園寺七海
南嶋木葉
北皇子氷柱
中嶋識
黒雛椿 だよ」
識「さて今回の話ってか七不思議編はグダグダだよな」
桜「しょうがないわよ。だって作者は次の話から考えていたんだけど、次の話は最初の話としては、あまりよくないのよ」
識「まったく…」
桜「ってこで、また次回!次は椿と…またウチっ!?やだよー!!」