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雲の上学園生徒会記録  作者: skyofnet
第3章『東海林家の一族・前』
27/119

27 三度目の愛

「しっかし、あの兄貴本当に結婚できるのかな?」

「不吉なこといっちゃダメですよ!」


二人は恋継の家に行く準備をしながら話していた。


桜がこんなこというのには理由があった。





結婚式一回目、三年前。


「はっはっは!見たか桜!俺もついに結婚だぞ!いつもバカバカ言いやがって、

そんな俺もついについに」


礼服に身を包んだ恋継はよほど嬉しいのか、控え室で桜に自慢しながら泣いていた。


「でも兄さんバカだから愛想尽かされるんじゃない?」

「ばっ!何を言うか!一葉さんは俺のバカなところも、あの人そっくりで好きだ

って、どこか遠い方を見ながら言っていたぞ!」


桜は白けた。


「その…あの人って誰?」


恋継は幸せの絶頂で、躍りながら話し出した。


「そんなのどうでもいいじゃないか♪たしか友達って言ってたけど。たまに食事

するなかだって♪」

「へ~…(ドラマチックな展開が起きなきゃいいけど)」



「汝は妻を最愛の…」

と言った瞬間…


「一葉!!!!!」


バンッとドアを勢いよく開けた一人の男性。


「俺と…今まで言えなかったけど俺と結婚しよう!!」一葉は走りだし…

「一朗!!」


と抱きついた。


「もう、二度と話さない。ずっと一緒だ!!」

「ええずっと永久に」

「さあ二人の門出だ!」


と言い式場を出ていった。

残された恋継は立ったまま気絶をしていた。




二回目、一年前。

同じく控え室で


「今度は大丈夫なの?」

「桜よ…。手痛い同じことを二回やるのはバカだぜ。」

「バカじゃん」


クールに決めた恋継にクールに桜が答えた。


「今度の二葉さんは大丈夫だ!浮いた話なんて周りから一切聞かない!」

「へ~」

「今時珍しいねとても清楚な方でな…。あなたといると疲れるしけど、楽しい時

もあると…」


そこまで話した時


コンコン


ドアを叩く音

その日雇った、ボーイが入ってきた


「新郎様宛に新婦様からお手紙を…」


桜は恋継よりも早く手紙を奪った。


「恋継さんへ

あなたについていけません。

二葉」


ふらふらとよろめき、恋継は椅子へと座った。


「桜よ・・・燃え尽きちまったぜ・・・・」


それから数ヵ月は真っ白に燃えつきていた。





そして時間は現在に戻る。

「次は金目当てで結婚しようとして捕まるパターンかな」

「もう、桜。そんな不吉なこと言ってはいけません。」


桜は紅茶を飲み一息ついて。


「さて、私はバカを笑いに行こうかな。じゃあ行こう!」


と席を立った桜に


「あ、それと桜の友人も式に呼びましたよ。西園寺さんと、南嶋さんと、北皇子

さん。中嶋君はつかまらなかったから、三人ね。」

「識はどうせバイトだろうし仕方ないよ。じゃあ、兄貴の家に行ってくるから

、ヘリ出して。」


東海林家ではヘリ移動が普通らしい。


「今は移送用が結婚式の準備で使ってるので、ハイヤーしかないですけどいいで

すか?」

「ん~。ハイヤーは使いにくいけどいいか。黒井君補助運転お願い。」

「はい。かしこまりました。」


桜の執事黒井は30分ほどハイヤーを操作し、東海林恋継の屋敷に行った。

桜の屋敷ほど大きくはないが、明らかに金持ちの家である大きさだ。

屋上にはヘリポートがあるが、恋継宅にはヘリはない。主に親戚の為に作ったも

のだった。

桜はヘリポートに着陸した。

そこに出迎えのメイド、執事がいた。


「お久しぶりです。桜お嬢様。」


落ち着いた声、容姿の執事。不破(65歳)が一番に声をかけた。


「不破さんもお久しぶり。兄貴は?」

「若は、服を選別中です。自室にいます。」

「ありがとう。黒井君は不破さんと話でもしてて。私はバカと話してくる。」

「バカは・・・ではなく、若は今回の結婚はいつもとは気合いが違います。見ていただくとわかりますが。」



恋継の部屋からは、喜びの歌が聞こえる。桜はこれを破滅へのワルツと読んでい

る。


「兄貴、バカ面見に来たぞ。」

「マイシスターか。と言っても従兄弟だがな。マイシスターよ、俺は今日から生

まれ変わる。いや、変革する!」

「俺がガ○ダムだ!を見ただろ。」

「ぬ!さすがマイシスター。みと…」

「赤い人の名言を言うな。それにアンタはもう若くない!」

「ガ~~~~ン。だが俺はまだまだ、若いなとか青いなと三葉さんが言ってたぞ

!」


桜はここで結婚相手の名前を知った。

机を見たら、恋継と誰かが写っている写真があった。


(これが三葉さんか…。なかなか美人だ。しかも…)


「三葉さんはお前と違って、おっぱいが大きいんだ!!!」


ブチッ!!

何かが切れた。


「誰が貧乳だぁぁ!!」






そして、桜たちは家へと戻った。


「で、ボコボコにして帰ってきたんですか?」

家に戻った桜は事を知った茜は呆れた顔をしながら言った。


「だって…乙女の…」

「どうせ胸のことを言われたんでしょ。まったく・・・」






そして、運命の結婚式を向かえる。




次回予告

桜「今回は時間の都合で短く・・・次回からタイトルがあの愛の歌になります。」

恋継「桜が愛?・・・ぷっ!!」

桜「どおおおりやああ!!」

恋継「ひでぶーーー!!!!」

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