16 最後の勝利者
桜たちのレースも三周目、最後の一周となった。
順位は桜、七海、南、氷柱である。
まず、最初にしかけたのはパック(七海)であった。
前の周でとったアイテム“ブースター”を使用。
“ブースター”は一定時間飛躍的に速度を上げる。
加速したパックは桜の後ろにつく。
このパックのパワータイプの特徴として、通常時の最高速度・加速は遅いが、アイテムを使ったとき、他のタイプよりも効果が強くい。さらに体当たりしたときに他キャラを退ける重量キャラである。
そして、その特性をいかし、ポリオ(桜)をどかした。
「あ、七海!やらせん、やらせわせんぞ!ジ〇ンの栄光を」
そこへ後ろから“ミサイル”による迎撃。ヨッシャー(南)からの攻撃であった。
「はい♪ごちそうさまぁ~♪」
そのまま、ヨッシャー(南)にぬかれた。
「まだセリフが途中だったのに!」
そして、長いストレートにでた。七海はアイテム“ロケット”をとったが、前に相手がいないので使えないでいた。
一方の南は“ブースター”をとったが、まだ使い時ではないので、温存している。
桜が、アイテムをとる。“マルチロックミサイル”をとった
“マルチミサイルロック”は前の相手全員をスリップさせる。
「いっっけぇぇーーー!!!」
前の七海と南はスリップその隙にまた桜は一位にでた。
しばらくアイテムのない平坦なストレートなので、ここでは純粋なキャラクターの最高速度の差がでる。
パック(七海)は最高速度ではヨッシャー(南)には劣るので、南が二位となった。さらにここで先程とった“ブースター”を使い、桜とほぼ同位置についた。
そして、180°カーブ。
ここで、プレイヤーとしての力量の差がでた。
このゲームを得意とする桜のテクニックで、カーブの内側をとり、南は外側を走ることを余儀なくされ、桜が一位をキープする。
このゲームの特徴として、ゲームを盛り上げるため、後ろのキャラクターは前のキャラクターに比べ、いいアイテムがでたり、速度が速かったりする。
だが、テクニックでは桜には及ばないので、カーブではあまり、差をつめることはできない。
最終ストレートにでる。
このストレートではアイテムが二箇所ある。
まず一箇所目で、桜はスカをとり、南は、ロケットをとった。
七海が“ブースターMK-Ⅱ”をとった。いわゆる“ブースター”の強化版。
パック(七海)の性能もあり、ストレートで一気に前の二人、桜と南にならんだ。
だが、ブースターを使う前、いままで前に出てこなかった氷柱が動いていた。
氷柱は“マグネット”をとっていた。
“マグネット”は前のプレイヤーのすぐ後ろまで自動で加速する。
これを七海が使った直後に使った。
そして、結果、最終180°カーブで4人は並んだ。
正確な順位は、一位から、桜、南、七海、氷柱である。
やはりテクニックで勝る桜がコーナーの内側を走る。
コーナーへ入る直前、それぞれがアイテムをとる。
そこで南がブースターを使い、外側から桜を追う。
その南を桜が迎撃にでる。
桜は急にブレーキを使い減速をする。
すると南が一位になり、桜の前へとでる。
桜が“ロケット”を使い、南に攻撃。
桜ほどの腕なら、まっすぐにしか飛ばないロケットをプレイヤーに当てるなでど、簡単なことであった。
南がスリップし、その間、他の二人に抜かれる、
そして、桜は道の端っこにあるアイテムをとる、しかし、それは内側から少し外に外れなくてはならないので、とっている間に七海に並ばれた。しかし、まだ桜の一位は変わらない。
このカーブの終わりがゴールである。
カーブがもう少しで終わる所まできた。
「桜ぁ!これで終わりだ!」
パック(七海)が、アイテム“ミサイル”を使った。相手をゴールまえで確実にスリップさせ、抜くつもりである。
だが、桜はそれを読んでいたからこそ、コースを外れて、アイテムをとったのである。
そして、運よく狙い通りのアイテムが出ていた。
桜にミサイルが当たるその前にアイテム“ウイング”を使った。
“ウイング”はキャラクターに翼が一定時間生えロケットやミサイルなどの攻撃を避ける。ついでに少しだけ速度が上がる。
「戦いとはいつも二手三手を読むものだよ!」
七海は最後の手を使い、おそらく桜を抜くことは困難であろう。
最終コーナーを曲がり、ゴールが見えた。
南、七海が桜の一位を確信していた。
だが、氷柱だけが違った。
「桜。私はあなたの上、四手目を詰ませてもらうわ。」
氷柱が、アイテム“プラズマ”を発動させる。
これは最下位のキャラクターにしか出ない。
おそらく、南を抜く直前にとり、全員が手を出し切るまで待っていた。
“プラズマ”の効果はキャラクター全員を小さくする。さらに速度を落とす。
「ごめんなさいね」
桃姫(氷柱)はご丁寧に前のパック(七海)とポリオ(桜)を踏み潰し、ゴールを決めた。
「それじゃあ、私の勝ちでいいわね♪」
「「「・・・・・・」」」
「北海道についたらいろいろお願いしようかしら」
「「「何卒穏便に」」」
そして北海道へついた。
次回予告
南「氷柱ちゃんが勝っちゃったよぉ」
七海「まぁ氷柱も鬼の子じゃない・・・いや氷柱自体が鬼か・・・」
南「鬼だね」
氷柱「誰が鬼ですって?」
南「うわっ!!氷柱ちゃん」
七海「つつつ氷柱!このコーナーは二人以外でちゃいけないんだよ」
氷柱「私にそんなルールはきかないわ。さて、次回はいろいろ飛ばしてスキー編よ」
七海「そ、そういうわけでお楽しみに。」
氷柱「二人ともあとでちょっとお話しましょうか?」
七海・南「ひいいぃぃぃ~~~~」