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雲の上学園生徒会記録  作者: skyofnet
第2章『三月旅行』
15/119

15 エア・バトル

待機時間が終わり、一年生一同は飛行機の自分の席に着座していた。


飛行機の座る場所はクラスごとではなく自由である。


桜たちは飛行機の三列にわかれている椅子の真ん中。

そこには椅子が四つある。

桜、氷柱、七海、南がそれぞれ座った。

その後ろに識、間宮が座っている。

ちなみに生徒会席というわけではない。


「こっからだいたい二時間ってとこかな?」

「そうね、国内線だから、ビデオとかないのが残念って顔してるわ」

「えっ!?顔に出てた?」


「南、お菓子ちょうだい!」

「あっ!これは宿についたら食べるコ〇ラのマーチなのにぃ・・・」

「北海道限定のがあったら買ってあげるから」

「ううぅ・・約束だよぉ。七海ちゃんのことだから、勝負にかったら買ってあげるとかいいだすんじゃないかな?」

「うっ・・・。そんな悪いことはしないって」


その後ろの席で識は震えていた。

間宮はうざったいと思っていたが、十分間ずっと震えていたのでいい加減、聞いてみた。


「どうした中嶋」


識はうつろな目をし、か細い小さな声で答えた。


「ひ、ひ、ひ、飛行機は鉄の固まりだ。こんな大きな鉄が浮くわけない浮く分けない浮く分けない・・・」

「・・・・・」


このまま放置しようかと思ったが、震え+ブツブツと呟き始めたので、鞄からあるものをとりだす。


「中嶋、今の飛行機はそう簡単に落ちない。99%落ちない。」

「百回あったら一回落ちる・・・。今がその一回かもしれない」

「もうウザイからこれを飲め、気が楽になる。」


白い錠剤を識に渡した。


「これは睡眠薬だ。二時間だけ眠るよう調整してある。」

「本当か?じゃあこれを・・・」


その時、


「は、は、ハクショイ!」


識はタイミング悪く、くしゃみをしてしまい、受け取った錠剤をとなりの席へ飛ばしてしまった。


「やべ!取りに行かないと!」


その時、ポォンと音が鳴り、席で閉めていた安全ベルトが固定されてしまった。


「ととととととれねぇぇ。つつつつかもう離陸すんのかぁ!?すまんもう一錠くれ!」

「残念だが、錠剤はあれで最後の一錠だ」

「落ちる落ちる落ちる空が落ちる」

「・・・空は落ちない」

「お客様申し訳ございませんが、離陸しますので座席に・・・・」

「ここここここれが落ち着いてっ!」


識はいきなり頭をカクンと下へおろした。

というより気絶をした。

となりで間宮が手刀で識を打ったようだ。


「すみません」

「・・・・え~っと・・・」


さすがにスチュワーデスも今の光景には困惑していた。



そして飛行機が離陸を開始した。


おおよそ機体が斜め45°のとき、識は目を覚ました。


「ん・・・俺はたしか・・・・っっ!!」


目を覚ましたかと思えば、飛行機の傾きを感じ、ショックでまた気絶をした。




「何か後ろがうるさいな」


七海がチラリと後ろを向いた。七海の席の後ろは識や間宮ではなく別の人が座っていた。


「倉田さん?なんかあったの?」

「いえ、何もありませんよ。ね、村瀬さん?」

「はい、いたっていつも通りですよ」


また新キャラである。

“倉田”は一年G組の生徒である。

顔がかなり老けており60代に間違われる。

髪は白い。

ちなみに杖は必要ないのだがなぜか持っている。


“村瀬”は倉田の専属メイドである。一年G組の生徒である。

倉田とは違い若い容姿をしているが20代のような落ち着きをしているため、年齢を間違われる。そのたびに怒る。

長く綺麗な黒髪を持っている。顔は常にトロンとしたような顔をしている。


「いつも通り、間宮さんが識くんをボコっただけですよ。」

「それがいつも通り!?」



機内放送で、立ち上がり自由となり、何人かはトイレに行ったり、飲み物をもらいに席を立った。


桜たち4人は席に座ったままであった。


「暇だね」

「暇ね」

「暇だ」

「暇だねぇ~」


上から。桜、氷柱、七海、南である。

桜は席の前にあるモニターを隣にあるリモコンでいろいろいじっていた。


「あ、これ4人で対戦できるゲームがあるよ!」

「じゃあ、ゲームって苦手だけど、やろうかしら。」

「お!いいね!やろうやろう!」

「やっちゃおう!」



桜が選んだゲームは、“ポリオレース”というこの世界では大ヒットゲームである。

このゲームは何度か生徒会のメンバーでやったことがあるので選んだ。


4人はそれぞれキャラクターを選んだ。

桜・ポリオ(ノーマルタイプ)

氷柱・桃姫トリッキータイプ

七海・パック(パワータイプ)

南・ヨッシャー(スピードタイプ)


4人のみのプレイヤーのみの対戦である。

コースはシンプルなポリオサーキットを選ぶ。

このコースは∞の字をしたコースである。


画面で赤黄青とランプが光り、それぞれスタートした。


先に前へ出たのは、ポリオを使う桜である。

桜はこのゲームではかなりの勝率を誇る。当然スタートダッシュを使う。


その桜の少し後ろにいるのはパックこと七海。

七海もスタートダッシュを成功し、桜に並ぶが、キャラクターの性能の関係上、桜より少し遅れた。


氷柱の桃姫と、南ヨッシャーはスタートダッシュができず、ほぼ同じ位置にいる。



最初のアイテムポイントに桜がつく。

上位のキャラクターは大抵、あまり強力なアイテムが出ない。


桜がとったのは“スカ”であった。

この“スカ”とは名前どおり、はずれである。何もとらないと同じである。


「スカかぁ。まぁ一位だしこんなもんか」


七海がアイテムをとる。


“ロケット”をとった。

これは前の相手をスリップさせる道具である。

画面でうまく操作し、相手に打つアイテムであるが、まっすぐにしか飛ばない。


「くらえ!桜!」

「見える!」


パック(七海)の打ったロケットは、ポリオ(桜)の右を過ぎさった。


「見える、私にも敵が見える!」

「キャラクターが赤いからって3倍にはならんぞ!」


その後ろで、ヨッシャー(南)はアイテム“ミサイル”をとった。

“ミサイル”は前の相手をロックオンし、確実に相手をスリップさせる。


ヨッシャー(南)の前であるパックに向け発射!命中!


「ごめんね、七海ちゃん♪」

「南か!やったな!」


その間もポリオ(桜)は一人距離を広げる。


「ふふふ、そうやって足を引っ張っていたまえ。やってやる・・やってやるぞ。シャ○少佐だって・・」

「言ってることはよくわからないけど、桜。ごめんなさいね」


今まで沈黙を続けていた桃姫(氷柱)が動いた。アイテム“ホーミングミサイル”を使う。

これは選択した順位の相手をロックオンし、発射する。

スリップ時間が長いのも特徴。


「くっ!氷柱!?」


スリップをし、4人はほぼ同じ位置に並んだ。

ここで七海が口を空けた。


「ねぇ、これ罰ゲームつけない?」

「罰ゲーム?」

「まったく七海は好きだよね、そういうの。」

「で、罰ゲームは 1位の人は他の人になんでも一つずつ命令できる。」

「お!いいねそれでやろう。」



まず、三人の思考・・・・

 (((これで氷柱に命令できる!)))

氷柱の思考

 (また脅迫のネタが増える!)


そして四人の思考は一つになる・・・・


((((絶対に負けられない!!))))



こうして飛行機の中、火花散る白熱したバトルの火蓋が切って落とされた。




次回予告

桜「ども!」

氷柱「こんばんは、かしら?」

桜「すぐに北海道スキー編をやりたかったんだけど、ゲーム編が意外と長くなっちゃって・・・」

氷柱「そうね、こんな話間にちょっとやるつもりが、次回に続くなんてね」

桜「そういうことで、次回は決着編!誰が勝利者となるのかお楽しみに!」

氷柱「それと、次回は倉田さんと村瀬さんよ」

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