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雲の上学園生徒会記録  作者: skyofnet
第2章『三月旅行』
12/119

12 旅行に行く前には前日にしっかりと準備をしましょう。

今回は、今後の設定にあたり、東海林桜の家を少し紹介します。

三月の卒業式が終わり、各学年、それぞれ別の場所に旅行に行く。


三年生はフランス

二年生は中国

一年生は北海道

に行く。


桜は明日の旅行のために家で準備をしていた。


東海林桜家。かなりの豪邸である。横は広いが、縦は二階建てである。

真ん中に大きなドアがあり、そこを中心に左右対称な作りをしている。

庭も大きい。ドアの前に噴水があり円を描くように園芸で飾られている。

ドアから100m行った場所に大きな門がありそこが東海林家の敷地の範囲である。

その門から家を囲むように柵がならんでいる構造になっている

桜の両親は母が死に、父が音信不通であるため、この屋敷の主は桜となっている。


桜の部屋は家の二階にある。


「茜さ~ん。防寒具しらない?」


“茜”というのは東海林家で働いているメイドである。

東海林家本家という桜のお爺がいるところで雇われ、今は桜のところにいる。

長い髪を綺麗に巻いており身長も170くらい。

かなり若く見える。桜より少し上の20歳と本人は言う。


「防寒具ですか?普段使わないから黒井さんの倉庫にありますよ。」

「黒井さんね。今どこにいる?」

「たしか、黒井さんは地下で車の点検をしてますよ。」

「ありがと茜さん。」


桜は家のエレベーターを使い、屋敷の地下一階へと行った。


地下一階は主に車が数台ある。

そのうちの一台、黒いポルシャの点検をしていた。


「黒井さん、ウチの防寒具しらない?」

「お嬢、いらしたのですか。お嬢の防寒服はここです。」


黒井と呼ばれる男性は車から離れ、車とは反対側の場所に行き、その壁を触り、隠し扉を開けた。


そこには様々な服があった。

非常用の防弾チョッキから防寒具、スキューバーダイビングの道具、パラシュートなど。


そこから、桜は防一番シンプルな防寒具を取り出した。


「お嬢、雪山にいかれるのでしたっけ?」

「うん、北海道の小樽ってとこ」

「でしたらこのアンダースーツを着ていってください。保温性と対ショック性に優れています。最近開発されたものでして、おじい様からお嬢さま宛に届きました。」

「そんなの来てたの?ウチしらないよ。」

「お嬢が中身を見ないで倉庫にいれるよう行ったのですよ」


黒井はあきれるように言った。


“黒井”も茜同様東海林家本家に雇われている。

彼は自称年齢27。

顔には細い銀色の眼鏡をかけている、

髪は短髪の黒。

いつも黒いスーツを着ている。


「あれ?服のポケットに何か入っている?」


桜は防寒具のポケットに違和感を感じ探ったところ、一通の手紙が入っていた。


「誰からだろ?」


桜は中身をのぞいてみた。


『桜へ 12月10日

 翌年3月28日に一族会議を開きます。

 年度末報告をよろしく

 by御春』


非常に簡単な文であったが、内容はとても理解できた。


「ややややややばいやばいよー!!!!」


桜はものすごい取り乱した。


「お嬢、落ち着いてください。」

「これが落ち着けないよ!!!」


この“年度末報告会”、そして“御春”について説明しよう。

“年度末報告会”とは、東海林家が数年に一回、本家に集う。数年間の出費、収益などの報告、活動報告などを手書きの文面で作成する。しかも、文面はその家の主、つまり桜が作成しなくてはならない。執事やメイドにやらせても、本家の審査で速攻ばれる。

“御春”とは、桜の母方の母。つまり祖母である。歳は80を越える。

東海林家本家は桜の母方の家である。


「年度末報告会なんて聞いてないよ!やばいってこれ!今回下手な報告会やったら祖母ちゃんに殺されるって、今回はまずい!黒井さん!今後のウチのスケジュールどうなってる?」

「お嬢のスケジュールを確認します。明日から三泊四日のご旅行、帰ってこられて二日空きまして、恋継様の披露宴をこの屋敷で行います。そこから一日空きまして年度末報告会です」

「二日しかないか…」

「では、お譲がご旅行に行かれている間に資料を全てそろえておきますので」

「そうだね。黒井さんたちに書いてもらいたいけどばれたら殺されるからね」



桜は防寒具など、旅行の準備を整え終わり、晩御飯までゆっくりしようと思った。


「桜。旅行先でお祖母さまや親族の方のためにお土産を買ってきてもらえますか?」

「なるべく庶民的なものがいいかな?」

「そうですね。いつも皆さんお高いものを食べておられるので庶民的なものがいいですね」

「は~い」


茜に言わた。それから、桜は家をでようとした。だが


「桜、資料作らないと間に合わないませんよ」


桜は逃げる。


「旅行から帰ってきたらやる~」

「待ちなさい桜!もう!」


茜は傍にあったレバーを5つほど引いた。

ガシャンっという音と共に桜の悲鳴声が聞こえた。


庭では四角の檻が地面からつきでていた。

その他、電磁式トラップ、ハンマートラップ、落とし穴など桜を捕らえるためのトラップが作動していた。

そのうちの落とし穴に落下していた。

その穴の上から、茜は顔だけのぞかせ、


「桜~、今日はずいぶん早く捕まりましたね。」

「…」


桜は捕獲された。


「何していんるですか?僕のテリトリーで」

「あら白井くん、またこの野獣が逃げ出したものだから、ランクBのトラップを作動したのよ」

「おやおや、桜嬢がランクBで捕獲されるとは、何か悩みでもかかえていたんですかね。恋の悩みとか」

「それは天変地異がおきたとしても、神様がそんな奇跡起こしませんよ」


笑顔でひどく毒づく。


「すいませ~ん、助けてくれません?」


穴の中で取り残された桜がポツリと呟いた。



彼は東海林家で働く庭師“白井”

白髪白スーツを着た真っ白な優男である。

彼は庭師であるが、基本的にはさみは使わない。竹箒に仕込んである刀で庭の手入れをする。



「桜~、書類作るって約束しますか?」

「するから助けて~」

「茜さんと桜嬢って時々主従関係無視してますよね」



こうして桜はその日ずっと部屋で書類作成をしていた。

時々ゲームをしようと思い、ゲーム機を見たらコンセントだけ茜に没収されていた。




翌日

「桜~、起きてますか?」

「ZZzzz・・・・」


桜はグッスリと眠っていた。

桜を起こすため茜は桜をゆする。


「ほら、今日から旅行ですよ。」

「・・・寝むい」

「仕方ありませんね」


茜はふとんのシーツを勢いよく引っ張り、ベッドから桜を転がし落とした。


「朝食できてますから、着替えて降りてくださいね。」

「ふぁ~い、二度寝したらいきま~す」


桜はベッドにまたころがる。

その桜を茜は蹴飛ばす。・・・主人を蹴飛ばすメイドである。


朝食をとり、桜は出かける準備を終え、家を後にする。


「それじゃあ、行ってきます。」

「気をつけてくださいね。」

「いってらっしゃいませ、お嬢。」

「桜嬢、お気をつけていってらっしゃいませ。」


茜、黒井、白井の三人に見送られて、屋敷を後にし、集合場所にまで歩いていった。





次回予告

桜「やっと次から学年旅行にいけるわね」

茜「あら、そうしたら私の出番なくなる?」

桜「茜さんにはお土産かって来るからそこは我慢してよ」

茜「そうですね。でも次の章あたりで、出番多いのでいいですわ」

桜「そんなわけで、次回は旅行バスで羽田まで編!」

茜「高校生の旅行ですか・・・懐かしいわ」

桜「それって何年前?」

茜「さ~く~ら。それは禁句ですよ」

桜「痛い痛い!ほっぺたひっぱらないで!」


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