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おまかせ料理7

鍋の中に入っている湯飲みの中を確認する。


「うん、ちゃんと固まってる。」


これは与一君とよしさんの分も作ってある。

今日のお礼に渡そう。


「与一君もよしさんもデザートどうぞ。あっ残った料理も食べて大丈夫そうなので。先に夜ご飯食べていて下さい。お客さんも満足そうでした。」


信長様に作った料理の残り物なのでお腹いっぱい食べる事はできないけど、三人のお腹を満足させる事ぐらいはできるだろう。

私は最後の料理を渡しに信長様の元に向かった。


「こちらプリンです。」


湯飲みを信長様に渡すと興味深く覗き込んだ。


「ぷりん?飲み物には…見えんな。」


「飲み物じゃないですよ。食べ物です。え~と、甘いお菓子ですね。」


「あぁ、甘味の事か。」


そうか…この時代だと甘味って言うのか。

覚えておこう。


「見事な黄色だな。…卵を使っているのか?」


「はい、卵も使っています。後は牛乳と蜂蜜ですね。それをよく混ぜて蒸せば完成です。」


「中々面白そうだ。」


そう言って信長様は匙でプリンをすくい食べた。


「旨い…。卵と牛乳がここまで合うとは思わんかった。普段嫌われ同士の二人だが中々良い相性をしている。そしてこの蜂蜜の甘さがまたこの二つを包み込んで旨さを際立たせているな。最後の料理にふさわしい一品だ。」


「あ…ありがとうございます。」


プリンを食べてからの信長様の食レポに圧倒されてしまった。

デザートになってから凄くじょうぜつだ。

でも凄く美味しいという気持ちは伝わってきた。

こういう反応してくれると作った甲斐があるってものかな。


「本当にお前は面白い料理を作る。高価な材料や料理法についても気になるところだが…聞かないでおいてやる。また来る。」


そう言って信長様が立った時だった。

一人の男性がお店に入ってきた。


「信長様っ!ここに居たんですかっ!」


「猿か…。行くぞ。」


「はっ。」


猿と言う人と一瞬目が合ったが直ぐ信長様と一緒に店を出て行ってしまった。

そして後に少しの間だけ二人はこの店の常連さんになる事となる。


お客さんが帰った後、残り物を三人で食べ今日の出来事を笑って吹き飛ばした。

与一君がハンバーグを一口食べて言う。


「師匠が肉を刻んで丸めた理由がわかった。」


「でしょう~。」


「あら本当ね。」


小さなハンバーグを箸でつつきながら笑う。

こうして夜は更けていったのだった。


翌日の早朝…。

開店前の事だった。

一人の男性が訪ねてきた。


「あの~、やってます?」









お子様ランチにはやっぱりプリンですよね~

次回もお楽しみに!

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