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熱々でどうぞ!!

今日振舞う料理の準備を終わらせた後、いつも通り惣菜まんを売ろうと外に出ようとした際に初さんに声をかけられた。


「ちょっと、料理は?もしかして…あの人に何か言われたのかい?」


「いえ、もう終わりました。これから時間まで惣菜まん売ってきますね。」


初さんは何度か瞬きした。


「作るのがちょっと早すぎるんじゃないかい?それに今日は売らなくてもいいんじゃ…。」


孫次郎さんと同じ事言ってる。

ちょっと面白いな。


「大丈夫ですよ。ちょうどいいぐらいです。それより孫次郎さんにも同じ事言われました。」


「ちょうどいい?あらそう…。」


初さんが少し心配するのをよそに私はいつもどうり惣菜まんを売るのだった。

全て売れた時に路上から賑やかな声が聞こえて来た。


「よっ、今日はよろしく~。」


「………。」


「はい、楽しみにしていて下さいね。」


太郎さん達の後ろには五歳から十歳ぐらいの子供達が付いて来ていた。

女の子も男の子もいる。

きっと一座の子達だろう。

皆小さくて可愛いなぁ~。


早速、店に戻って鍋を温め直す。

ついでに石も温めた。

熱々の石を別の鍋に入れて、先に店の客席側に運んだ。


「おいっ、まさか石を食えって言うんじゃないだろうな。」


「はははは~、違いますよ~。」


太郎さんがどこかで聞いたようなセリフを…。

孫次郎さんと初さんは前に見たことがあるので流石に驚いていない。

子供達は興味深々に中を覗き口々に石だ~と言っている。


「熱いから触っちゃ駄目だよ~。」


「「は~い。」」


素直ないい返事が返って来る。

はぁ~可愛いっ!

気分は保育所の先生気分だ。


調理場に戻り熱々になった鍋を持ち運ぼうとするが…これがまた想像以上に重い。

それは汁のせいだろう。

気合を入れて運ぼうと思った時に孫次郎さんが後ろに立った気配がした。


「えっと…どうかしましたか?」


「……。」


孫次郎さんは何も喋らず首を横に振りズレろと言う。

静かに横に移動すると、孫次郎さんが鍋を店の中まで運んでくれた。

その鍋の上に置いて欲しいと言う前に鍋をそこに置いてくれた。


「ありがとうございます。」


「違う……。女房がうるさいからだ。」


あぁ、なるほど。

どうやら本当に初さんには頭が上がらないらしい。

とにかくこれで準備は整った。


「今日の料理は〜おでんです!!。」


「「おでん??」」


子供達も大人達も首を傾げる。


「色んな具があるので気になったのを選んで下さい。まず具の紹介からしますね。」


「まずは…大根、椎茸、昆布、里芋、つくねです。次は少し私なりに考えた具できのこの肉巻き、山菜の肉巻きです。」


練り物がない分何か足したくて考えたのがこの二つだった。

本当は練り物も足したかったんだけど今回は量も多い為断念した。

生魚の入手も難しいらしいし。

りゅうさんと虎さんは一体どうやって…考えても無駄なんだろうけど。


「以上です。皆一列に並んで好きな具を二つか一個づつ言ってね。私が皿に盛るから。それと生姜味噌と粉唐辛子も用意したから味を変えたくなったらどうぞ~。」


「「は~い。」」


最初は子供達からだ。

子供の中にはやっぱりどれにしたらいいか困っている子供も。


「どっどうしよう~。」


「お友達は大根か椎茸か里芋を選ぶ子が多かったよ。」


選択肢を絞って、尚且つ同じ年の子が選んだものを上げて選びやすくしてあげた。


「じゃ…大根。」


「はい、大根。また気になったのがあったらおいで。」


「うん!」


子供達は食べるのを少しためらっているのか、慣れない場所だからなのか大人しく仲間を待っている。

どうやら皆一緒に食べるみたいだ。


私的には熱々のおでんを楽しんで貰いたいけど、子供には熱すぎるかもしれないからこの方がいいのかもしれない。


子供達は全員集まると自分達がどんな具材を選んできたのか皿の中を覗き込んでいた。

それはまるで現代の遠足の時のお弁当見せ合いっこによく似た光景で何とも微笑ましかった。


「どれ選んだ?」


「これ。」


「あっ、俺も。」


時代は変わっても変わらないものがあるってこういう事かな…。



寒い時期にはやっぱり…ですよね!

次回もお楽しみに~

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