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勝負の日

初日に比べ少しずつ売れ始めた惣菜まん。

徐々にだけど常連さんも増えて来たが、太郎さんの情報は何もつかめないままだった。


今日は張り切って惣菜まんを二十五個作ってみたけど作りすぎたかも。

私の予想だと今日が一番売れると思うんだけど。


「う~…寒い。」


今日は朝もそうだったが日中も寒い。

そろそろ冬が近づいて来たからだろうか…。

指先が痛くなった頃やっと孫次郎さんの店に着いた。


「こんにちわ~。今日は一段と冷えますね~。」


お店の中には一人のお客さんと初さんがいた。


「本当にね~。水に触れるのが怖いのなんのって。」


「た、確かに…。」


朝の顔を洗うと言う修行を思い出して身震いした。

現代の温水が出る蛇口に感謝する日々…この時代に温水が出る蛇口を持って来たかった。

最初の冷たい水が出るのも今なら温かい目で待てるよ。


「こんなに寒いのにまた随分作って来たのね。」


「今日は勝負の日なので、張り切っちゃいました。」


「勝負?まぁ、あんたなら大丈夫さ。あの人なら料理場だよ。」


孫次郎さんがいる料理場の入り口まで行くと、いつも通り作業している孫次郎さんがいた。

私もいつも通りの挨拶をする。


「こんにちわ。今日もよろしくお願いします。」


「……おう。」


毎日挨拶をしている内に孫次郎さんも挨拶を返してくれるようになった。

まだちょっとぎこちないけど一歩前進かな。

挨拶を終えた私は惣菜まんを売るべく寒い、寒い外に出る。


「あったかいをお持ち帰り、満足する美味しさ。惣菜まんいかがですか~!」


一人の男性が立ち止まる。

おっ早速チャンスが到来。


「一口食べてー。」


その顔を見て言いかけていた言葉が止まった。

たれ目の下にほくろが二つっ!!

ここはゆっくり本人確認しよう。


「あー、えーっと、一口食べてみませんか?味見にお代は頂きませんから。」


顔をあまり見ないように自然に振舞おうとするがつい見てしまう。

よしさんに似てないような気がする。

本当に太郎さん本人だろうか…。


「おっ、中々美味いな。」


男性は惣菜まんの試食をして気に入ったみたいだった。

惣菜まんを食べて何度も頷いている。


「ありがとうございます。そう言えばお客さんはあそこでやっている一座の催し見ました?」


「あぁ、見たよ。」


「私まだ見てないんですよね。どんな感じですか?」


「まだ見てないんだったら尚更そういうのは自分の目で見た方がいい。」


やっぱり私には回りくどいのは向いていないらしい。

その後の言葉が見つからない。

普通に聞こう。


「あの~もしかして…太郎さんですか?」


「……そうだけど。俺に何か用かい?」


やっと見つけた太郎さんだ。


結局ゴールんウィーク最終日になってしまいました。

すみませんでした~

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