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芋煮会1

私達は山を下り、やすさんの家に向かった。

やすさんの家に行くと先程まで会っていた与一君がいた。


「おぉ、与一。お前、この前貰った里芋あるだろ?あれ一袋持って来い。」


「うん、わかった。」


与一君はやすさんの言われた通り、大きな袋を重たそうに持って来た。


「師匠、これで料理するの?」


「まぁね。」


「…ふ~ん。」


何作るか気になっている顔だな。

でも残念ながらまだ何も決まってない。


「何作るかは具体的に決まってないの。」


「そうなんだ。はい、これ。」


「こんなにいっぱい。ありがとうね。」


袋には大小の里芋が沢山入っていた。

これだけあれば皆にいきわたりそうだ。


「やすさん、ありがとうございます!」


「「ありがとうございます!!」」


私がお礼を言うと子供達が続けてお礼を言う。


「おう!」


やすさんは嬉しそうに笑った。

子供達にお礼を言われると自然に笑顔になってしまうのはよくわかる。

五郎さんはやすさんの近くに行くと何か話した後、頭を何度も下げていた。


「菜ちゃん、そろそろお邪魔しよっか。」


「はい、そうですね。与一君、やすさん、また。」


「おう、またな。」


やすさん達とお別れをと思ったが、与一君が何やらやすさんと話す。


「俺も行って来る。いいだろ。」


「しっかりお礼言って来い。」


「うん。」


話終えると与一君が私の方に歩いて来た。

まさか…と思うと案の定。


「師匠の料理手伝うよ。」


「そんな事だろうと思たよ。でも今日は大仕事になりそうだし、お願いしようかな。」


本当に料理が好きなんだな。

ふふふっと笑っていると与一君に睨まれてしまった。


「与一、後で迎えに行くからよ。」


「うん。」


私はやすさんに居場所を伝え、家を後にした。

だが、沢山入った里芋は重く隣町に付く頃には皆手が痺れていた。

交換交換で袋を持ってたけど流石に腕が限界だ。


「ん?菜か?お前こんな所で何やってんだ?」


「孫次郎さん!!」


私は孫次郎さんに何故ここで休憩しているか訳を話した。

孫次郎さんは私の話を聞くと、重い袋を肩に担いでみせた。


「孫次郎さん…?」


「仕事は終わったからな。初にも会って来た帰りだ。手伝ってやる。」


「ありがとうございます!!凄く助かります!!」


それは凄く助かる。

私がお礼を言うと子供達も元気よくお礼を言う。


「「ありがとうございます!!」」


「…おう。」


孫次郎さんは照れながら小さな声で返事を返していた。

孫次郎さんらしいな。

里芋を運んで貰っている際に五郎さんが改めてお礼を言う。


「なんかすみません。運んでもらって…。」


「別にいい。気にするな。頼る時は頼った方がいい。」


「…ありがとうございます。」


五郎さんは何か考えるよな素振りを見せながら孫次郎さんに感謝を伝えていた。

そして孫次郎さんのお陰で何とか川辺に到着。


「助かりました。」


「気にするな。今日は芋煮か何か作るのか?」


孫次郎さんの何気ない一言で今日のご飯は決まった。


「芋煮!!それにしましょう!!」



次回もお楽しみに~

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