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色んなお餅が食べたい!!

楽しい餅つきが終われば、続いては食べる時間だ。

つきたてのお餅を食べたい気持ちを抑え、お餅が料理場に運ばれるのを見守る。


「つきたてのお餅が一番美味しんだけどなぁ。」


少しガッカリしつつ運ばれるお餅を見送っていると、後ろから誰かが近づいて来た気配がした。


「食い意地がはった娘だ。そんなに気になるならお前も行け。許可する。」


「和尚様!!今日は誘って頂いてありがとうございます。」


「私を忘れてたくせによく言う。いいからささっと行け。」


それを言われると少し痛い。

でも和尚様からせっかく許可を頂いたのだからお餅を追いかけよう!


「ありがとうございます!!行ってきます!!」


お餅は色んな味付けが存在するのだ。

お寺で出るお餅はしょっぱいのだろか?甘いのだろうか?考えるだけでワクワクが止まらない。

あわよくばあの…あの…お餅が食べたい!!


私は和尚様にお辞儀をしてからお餅が運ばれた方向に走った。

私が走り去った方向を見つめていた和尚様が静かに後ろに立っている人物に声を掛ける。


「貴殿も好きにするといい。」


「ありがとうございます。」


時次さんが私を見守っている事に気が付かず私は呑気に料理場でお手伝いをしていた。

料理場に来た私を玄道さん達は優しく迎えてくれた。

前合ったようなぎこちなさは玄道さんにはなく、以前の玄道さんに戻っていた。


「菜蔵!待ってたぞ!」


「えっ?私をですか?」


「そうだ。俺だけじゃねぇ。ここに居る奴、全員お前と料理するのを楽しみに待ってたんだ。」


そいういえば私はあの時、捕まっていたから料理する事は出来ず玄道さんに口頭で料理方法を話すだけで一緒に料理はした事無かった。


「私も皆さんと一緒に料理出来るのすごく嬉しいです!」


「今日はお前の好きなもんを作れ。和尚様からは許可は貰っている。」


お坊さん達は玄道さんが話した後に大きく頷いた。

これは…精一杯頑張るしかない!!


「っありがとうございます!」


さてはて…何を作ろうか。

ひとくちにお餅と言っても様々なお餅がある。

そのどれもが美味しい…。


「う~~~ん…。」


私が悩んでいると玄道さんが不安そうな顔をする。


「おい、おい、一個ぐらいは餅料理知ってるだろ?もしかして知らないのか?」


「知ってますよ。でもどれにしようか悩んでて。」


「だったら全部作ってしまえ。お前が知っているやつ全部。こんなに餅があるんだ。大丈夫だろ。」


その言葉に背中を押され、私は頭に浮かぶ限りのお餅の料理を作ってみる事にしたのだった。

作ると言ってもきなこやあんこ、くるみ、味噌などメジャーなものは揃っていたので、私はその他のお餅料理を作る。


「え~っと、じゃあ私の大好きなお餅から…まずは納豆を用意してください。」


「納豆?餅に納豆か?」


「これが美味しんですよ~。」


玄道さんは不思議そうにしていたがどこからか納豆を持って来てくれた。

そして私はあるものが無いことに気がつく。


「っおしょうゆが無い!!」


「しょ…しょうゆ??」


玄道さんはまたもや首を傾げた。

納豆餅にはお醤油とお砂糖が欠かせないのだ。

お砂糖は最近導入されたらしくあるのだがお醤油は流石に無い。


「どうしようかな…。」


納豆と睨めっこしていると、肩をトントンと優しく叩かれた。


「一人で悩まず、私に相談してください。こちらですね。どうぞ。」


そう言うと時次さんは壺を私の目の前に置いた。

まさか…と思いつつ壺の中身を確認すると開けた瞬間に醤油の匂いが鼻に届いた。


「えぇ、どうしてお醤油持ってるんですか。ありがとうございます。」


「菜さんが料理場に行ったのが見えたので用意しておきました。お役に立てて良かったです。」


この人…できる!!そう思わずにはいられなかった。

どうやって用意したのか、という疑問が残るけどいくら考えても答えが出ないのがわかっていたので考えるのはやめた。


読者の皆様が知っているお餅が出て来るか…

次回もお楽しみに~!!

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