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【電書化】大嫌いな婚約者が理想の旦那様でした【コミカライズ】  作者: 沢野いずみ
本編

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20/56

20:パン屋で働く婚約者



「また来ましたわアルバート様!」

「すごいな……いきなり来るなって昨日言ったばっかりなのにもう来たよ……」


 アルバートはがっくりと肩を落とした。


「まあ、この間の鉱夫スタイルも素敵でしたが、パン屋さんスタイルも素敵ですわね!」

「ただのコック服だろ……」

「わかっておりませんわね! それぞれの違いがあるのです!」


 クラリッサは理解してくれないアルバートにプンプン怒っている。


「まーぁ! 綺麗なお嬢さんじゃないかい!」


 二人の会話が聞こえたのか、厨房からパン屋のおかみがやって来た。あきらかに没落しかけている貴族のご令息であるアルバートを、快く雇ってくれた貴重な人間だ。

 とても気さくな笑顔でクラリッサを見ると、おかみはアルバートの背中をバンバン叩いた。


「この子が婚約者かい? 隅に置けないねえ!」

「やめてくれよおかみさん……」

「話のわかる方ですわね!」


 おかみの褒め言葉に、クラリッサが嬉しそうに上ずった声を出す。


「そうです! わたくしがアルバート様の婚約者、美少女クラリッサでしてよ!」

「やめろそういうの」

「あら、では大金持ちのクラリッサと名乗った方がいいかしら?」

「どっちもやめろよ」


 おかみはアルバートとクラリッサのやり取りを見て、うんうん頷いた。


「うん、相性はいいみたいじゃないか」

「どこが!?」

「ですわよね!?」


 正反対な反応をする二人を見ておかみはさらに笑った。


「あーっはっは! いいじゃないか! アルバート、あんたのその荒い性格でもいいって言ってくれてるんだろ? そうそういないよ、いいところのお嬢さんでそういう子は」

「そうですわよアルバート様」

「なんでいつもそんなに自信満々なんだよ」

「人間自信は持った方がよろしくてよ」


 クラリッサに反論する気もなくし、アルバートはおかみから焼きあがったパンを受け取って店内に並べる。

 カランカラン、とドアに備え付けられているベルが鳴った。来店の知らせだ。


「いらっしゃいませ」


 爽やかな笑顔を浮かべて接客するアルバートに、「ひぃっ」とクラリッサは鳥肌を立ててそばから離れた。

 アルバートはその態度に思うところはあるものの、今は接客中である。顔には出さずに、客である女性に笑顔で接する。


「いつものパンが欲しいんだけど」

「こちらですね。すぐにお包みします」


 アルバートは慣れた手つきで女性の好きなパンをささっと袋に包む。


「はい、丁度ね」

「いつもありがとうございます」


 いつも通り丁度の代金を手渡してきた女性に、よりいい笑顔を浮かべてお見送りをする。カランカラン、と扉が閉まり、アルバートがいつものぶっきらぼうな顔に戻って振り返ると、腕を摩りながら引いているクラリッサがいる。


「すごいですわ……見事な接客ですわ……さすがアルバート様…………引きます……」

「褒めてんのか貶してるのか、どっちなんだよ!!」


 王子様が苦手と言っていたクラリッサにとっては確かに今のアルバートの対応は引くものだったのだろうが、あからさまに態度で出されるとやや傷つく。


「いえ、でもおかげで見たいものが見れましたわ」

「なんだよ」

「アルバート様の接客の腕ですわ。問題ないどころか素晴らしかったです」


 クラリッサはようやく鳥肌が治った様子で擦るのをやめ、にこにことアルバートに告げた。


「いっぱい女性を落としてくださいませ、アルバート様!」



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『大嫌いな婚約者は理想の旦那様でした~一途なわたしの恋の物語~』本日配信開始
 
本日5/2

『大嫌いな婚約者は理想の旦那様でした~一途なわたしの恋の物語~』

配信開始されました!



こちらかつて配信されていた
『大嫌いな婚約者が理想の旦那様でした』
が改題&加筆修正したものになります!

かつて販売されていた1~2巻を合わせた
合本版になります!

さらに書き下ろし番外編も!

ぜひお楽しみいただけると嬉しいです!

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結構改稿してるんですけど、なるべくナチュラル(?)に改稿してるのでどこかわかるだろうか……

たぶん読みやすくなったと思います!
あと色々説明不足だったところ補足してます!

タイトル違うのだけ注意してください!

(注:大嫌いな婚約者『が』
新タイトル→大嫌いな婚約者『は』)
検索する時は『大嫌いな婚約者』で検索するといいかと思います!


 



あと昨日なんですが
『妃教育から逃げたい私』
最終巻も配信されました!


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どちらもお楽しみいただけると嬉しいです!
よろしくお願いいたします!
― 新着の感想 ―
[一言] クラリッサ、さすがです。 自分自身は、鳥肌が立ってしまうのに、アルバートの接客の腕は、ちゃんと評価してるし。 売り上げのためなら、手段を選ばない! アルバートの爽やかな笑顔で、目指せ、売り…
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