表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/7

幼少期編 01



 あ~よっこいしょ。まったく、寝返り打つのもラクじゃないわ。毎回毎回赤ん坊から始めんのもしんどいわ。

 今度はどんな家に生まれたんだろーな。まあ多くは望まないし、前回みたいな一般家庭が一番かな。


 辺りを見渡すが、この部屋の内装はとても日本的じゃないな。まあ親の趣味かもしれんし、時代がかなり空いてる可能性もある。

 いかに両親が明らかに西洋っぽい顔立ちでも、日本に住んでる外人さんかな?とか思ってしまいます。

 それとも俺、ついに日本以外に転生した…?わーお!!


 でも気になるのが髪色だ。確か自然の色は黒、白、茶、赤、金しかないんじゃなかったっけ?違ったっけ?

 母は見慣れた黒髪だが、父は見事な緑色。染めてるのかと思ったが、あまりにも自然で鮮やかな髪だ。自分の髪はまだ不明だが。

 まさかここは…。……うん。も少し調べてから判断しよう。


 そう思い窓の外に視線をやると…





 人間が空を飛んでいました。ええ、飛行機などではありません。


 ほらあれ、武〇術みたいな?アン〇ンマンでもタケ〇プターでもいいよ。




 すごいなあ。実は俺、日本から出たことないのよ。旅行とかでも外国に行くことはなかった。今考えると、海外旅行行っときゃ良かったなあ。外国では、人が空を飛ぶ技術が進んでるなんて…。

 うん、現実逃避はやめよう。さあ、大きく息を吸ってー、


 「いえうあいあーーー!!」




 異世界じゃねーかーーー!!?








 とまあ、無事(?)ここが異世界だという確証を得てから早数年。俺5歳になりました。男の子です。

 ちなみに名前はシャルトルーズ。カッコよくない?前世は文太でした。今まで日本人な名前だったから、新鮮だが反応が遅れる。最近やっっと慣れた。



 ちなみにこの世界、魔法がある!なんてファンタジー!一部の人間だけが使えるとかじゃなく、全ての人間に魔力はあるらしい。

 それを知った時の俺がどれだけテンション上がったかおわかりだろうか。

 いや、わかるでしょう。現代に生きる人間(特に若者)ならば!


 


 そして魔法は、身近にたくさんあった。文明レベルでいえば、現代日本の方が何倍も上だろう。

 だがしかぁーし!!!この世界には魔道具と呼ばれるものがある!!


 例えばこちらのお道具ですが、一見するとただのイヤリングに見えることでしょう。ですがなんと!こちら遠く離れた人と話ができる電話なのです!

 一瞬某有名な探偵漫画のアイテムが脳裏に浮かんだが、俺は速攻で意識の外に蹴り飛ばした。考えてはいけない。

 さらにこの電話、結構お高いらしい。庶民は一家にひとつありゃ充分なのだとか。多分金持ちは、一人ひとつ持ってんだろうなー。




 なにはともあれ、この生活に不自由はない。こちとら平安時代から生きてましたから。地球の文明がどんどん発達していくのを見るのは楽しかったんだよなあ。




バキッ!バカン!



 「ん?そとで、なにかきこえる...。」


 俺が思考の海に潜っていたら、何かを割るような音で引き上げられた。

 窓から外を見てみると、父親が薪を割っていた。魔法で。


 「おおーー!」



 俺はダッシュで外に向かう。まともに魔法を見たのは初めてだったのだ。



 「おとーさん!」

 

 「ん?おお、シャル。どうした?危ないからあんまり近づくなよ?」

 

 「はーい!そのかわり、とおくからみててもいい?」

 

 「ああ。面白いもんでもないが…そこから動くなよ?」



 父の許可を得て、俺はその場でまじまじと観察する。この父だが、少し見た目が怖い。

 緑色の髪をツーブロックにしており、ガタイがいい。常にサングラスをしているし、父でなければ恐らく近づきたくないと思っただろう。せめてグラサンはやめない?

 その隠された瞳は黒。母は黒髪に青い目。そして俺は、両親から受け継いだ黒髪黒目だ。


 つまんねーーー!!日本でさんっざん見飽きたわ!!顔立ちは母にそっくりだと言われてるが、つまらんったらつまらん。

 ちなみに俺には去年妹が生まれている。薄緑髪に青目だ。

 ずっりぃーーー!!それ俺が欲しかった!




 いろいろ考え事をしつつも、俺は魔法の見学を怠らない。なんつーか、やっぱゲームや映画とは違うな。

 長ったるい詠唱なんざナシ。技名を叫ぶこともなく。いや、その方がいいけどさ。

 ただ対象に手をかざすだけ。それで薪が見事に4分割。すげーな…。俺も早くできるようになりたい…。



 「ねえおとーさん。おれにも、まほーおしえて?」


 必殺!幼児のおねだり攻撃!!俺は目をキラキラさせて父に訴える。

 可愛い我が子に可愛くおねだりされたら堪らんだろう!さあ、俺に魔法を!!



 「んー?はは、まだ無理だなあ。」

 

 「えー!?」

 うっそだろ!?効かないの!?


 「もー...。じぶんでおぼえるもん...。」


 ちなみに俺、子供の演技超得意。肉体年齢に引っ張られることもあるが、基本的に中身は大人です。このように成人男性が使ったらドン引きされる言葉も自在に使いこなします。


 とぼとぼと家に戻ろうとする俺に、爆弾が落とされた。


 「ははは。お前が魔法を使ったら、こわ~いおっちゃん達に捕まるぞー?」

 

 「へ?」

 

 「ちゃんと魔法使用許可の免許を取らないとな。学校卒業しないと貰えないぞ。」

 

 「え…えぇーーーーー!!!??」







 なんじゃそりゃーーーー!!!




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ