ボケ子とツコ美Ⅱ
ボケ「はい、どうも~」
ツッコミ「よろしくお願いします」
ボケ「お客さんは笑てますけど、実家の親は泣いてます」
ツッコミ「余計なことを言わんでエエねん」
ボケ「最近、ニュースを見てて『なんじゃこりゃー!』って思うことがあってん」
ツッコミ「デニムに着替えたんは、このためやったんか」
ボケ「プログラミングが必修化されるんやて」
ツッコミ「あぁ、そう。英語の次は、プログラミングか。とても日本とは思われへんな」
ボケ「ホンマに、時代が変われば、教育も変わるもんや。あたしらの時代は、代用教員が青空教室しとったのに」
ツッコミ「終戦直後やないの。そこまで昔とちゃう」
ボケ「ちょっと調べたんやけど、この必修化のバックには、問題解決能力や論理的な思考を身に付けさせようって目的があるらしいねん」
ツッコミ「プログラミングで、そんな力が身に付くか?」
ボケ「ぶっちゃけ、これで潤ってるのは、情報機器メーカーと、塾や家庭教師の類だけなんとちゃうかな。知らんけど」
ツッコミ「ええ加減な調べやな」
ボケ「あたし、思うやけどさ。プログラミングを教えるくらいやったら、漫才こそ必修化すべきとちゃう?」
ツッコミ「授業になるか? 先生が言うたことに、生徒が『何でやねん!』ってやってたら、先進まへんで」
ボケ「ちゃうちゃう。生徒同士でペア組ませて、ネタを発表させるんや」
ツッコミ「なんや、そっちかい。そら、生徒は楽しいかもしれんけど、学校で教えるほどのことか?」
ボケ「わかってへんな~。今どきの子どもは、一人でスマホと睨めっこしてるばっかで、他人と話す機会が、ごっつい少ない」
ツッコミ「たしかに『よその人に声掛けられても無視しなさい』って教えてる家庭も、多いもんなぁ」
ボケ「会話は人間関係の潤滑油やねんで? 就職活動する直前になってから、コミュニケーション講座に通うようでは遅すぎる」
ツッコミ「なるほど。小さい頃から習慣付けることが、大きゅうなってから役に立つわけやな?」
ボケ「そういうこっちゃ。ほんで、いざ必修化となれば、教える人間が必要になるやろ?」
ツッコミ「せやね。教職課程に、漫才っちゅう項目はあらへんもんな」
ボケ「せやろ? そこで、あたしらの出番や。まだ売れてへん暇な若手芸人は、全国に腐るほどおるからな」
ツッコミ「せやせや。そのまま腐らせてたら、もったいない」
ボケ「お客さんの中で、文科省に知り合いのいるかたは、いらっしゃいませんかー!」
ツッコミ「……シーン」
ボケ「これで収入が安定したら、イケメンの婿はんもろて、親を喜ばせられると思てんけどなぁ」
ツッコミ「自分のためやったんかい。ええ加減にしなさい!」
二人「どうも、ありがとうございました~」