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彼方vsリックル2

◇◇◇

【アイテムカード:ディフェンダー零式】

【レア度:★★★★★★★(7) 無属性の短剣。装備した者の防御力と呪文耐性を大幅に上げる。具現化時間:3時間。再使用時間:15日】

◇◇◇


 幅広の短剣が具現化された。ダークグレーの刃にはびっしりと魔法文字が刻まれている。その文字が黄緑色に発光していた。


 彼方はディフェンダー零式を掴み、リックルに向かって走り出した。


「今度は具現化能力か」


 リックルは魔法のポーチから魔法の文字が刻まれた金属の棒を取り出し、その先端を彼方に向けた。


 ――先端に穴が開いてる。飛び道具か。


 金属の棒から、小さな矢が飛び出した。


 ――やっぱり!


 彼方は矢を右に避けながら、リックルとの距離を縮める。


 周囲に半透明の壁を作った球体が彼方の前に移動した。その球体を彼方はディフェンダー零式で斬った。


「その時間で十分さっ!」


 動きを止めた彼方に二本の矢が迫る。

 それをぎりぎりで避けた瞬間、彼方の側面で赤い矢じりが爆発した。

 ガラスの割れるような音とともに数十本の赤い針が彼方の腕に刺さる。


「くっ…………」


 痛みに顔を歪めながら、彼方は数歩下がった。


 ――毒…………じゃないか。でも、針に何かの効果があるな。


「へーっ、狂魔針が刺さっても、まだ戦う意思があるんだ?」


 リックルは首を傾けて笑った。


「普通なら、痛みに耐えられずに転げ回るんだけどなぁ。もしかして、その短剣の効果かな?」

「…………まあね」


 彼方は短剣を構えたまま、呼吸を整える。


 ――リックルは『殺しがいがある』みたいな言い方をしてたけど、あからさまに殺す攻撃はしてこないか。赤い網の攻撃も僕の動きを止めるのが目的だ。僕を無様に負かしたいってところかな。ただ…………。


 彼方は笑っているリックルの顔を見つめる。


 ――リックルの言動や戦い方を観察すると、観客の前で華麗に勝ちたいって感じだな。計算高い性格で自分が作ったマジックアイテムを自慢したい気持ちも強い。そして、状況によっては人を殺すことにも躊躇がない。


「さあ、そろそろ終わらせようかな。君の能力も一通り見せてもらったし」


 リックルは金属の棒を彼方に向ける。


「最後に君で実験させてもらうよ」

「実験?」

「うん。君がどれだけ狂魔針に耐えられるのか気になってさ。マジックアイテムの効果で防御力が上がってるみたいだけど、痛みはあるんだろ?」

「ほどほどにはね」

「なら、試させてよ。体中を針だらけにされても耐えられるかどうかを…………さ」


 二本の矢が彼方に向けて発射された。

 彼方は上半身を傾けて、矢をかわそうとする。

 その動きに合わせて、赤い矢じりが爆発した。

 数十本の針が彼方の体に刺さる。


 彼方は顔を歪めながら、リックルに近づく。

 二つの球体が彼方の行く手を塞いだ。


 ――連射は二回までか。次の矢を発射される前に勝負をつける。


 彼方は右の球体を斬り、そのままディフェンダー零式を投げた。


 リックルは上半身を大きくそらして、その攻撃をかわす。


 ――避けるのは上手いけど、その体勢なら、次の動きが遅れるよ。


 彼方の周囲に三百枚のカードが浮かび上がる。


◇◇◇

【アイテムカード:生きている短剣】

【レア度:★★★(3) 闇属性の短剣。千人の死刑囚の肉と骨から造られた短剣。傷つけられた者は強い痛みを感じる。具現化時間:1日。再使用時間:7日】

◇◇◇


 彼方の手に不気味な短剣が具現化された。刃は肉色で青紫色の血管のようなものが無数に浮き出ている。


 半透明の壁の下をすり抜けると同時に彼方は生きている短剣を振った。

 肉色の刃の先端がリックルの手の甲に触れた。


「があああああっ!」


 リックルの悲鳴が訓練施設に響き渡った。


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― 新着の感想 ―
[一言] リックルって自分が与えた痛みには無頓着でも、他人から受けた痛みには凄く敏感だったりしませんかね。人格が豹変しちゃうくらいに。リアルにもそういう人いるんですよね・・・。
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