表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【WEB版】異世界カード無双 魔神殺しのFランク冒険者  作者: 桑野和明(久乃川あずき)


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

223/338

浮遊島の戦い2

 強い風が吹き、彼方の体が飛ばされた。

 彼方は飛行船のへりに手をかけ、甲板に戻る。


 ワイバーンは操縦室の屋根の上に降り、胸元を大きく膨らませた。


 ――ブレス攻撃だな。


 彼方は呪文カードを選択する。


◇◇◇

【呪文カード:オーロラの壁】

【レア度:★★(2) 指定の空間に物理、呪文、特殊攻撃を防御する壁を五秒間作る。再使用時間:2日】

◇◇◇


 白、赤、緑に変化する半透明の壁が現れた。その壁がワイバーンが吐き出した炎を受け止める。


「加勢するぞ!」


 エルメアが魔風の弓でワイバーンを攻撃した。黒い矢がワイバーンの金色の瞳に突き刺さる。


「ガァアアアアア!」


 ワイバーンは怒りの咆哮をあげて、エルメアに視線を向ける。


 ――ナイスサポートだよ、エルメア!


 彼方は左足を大きく踏み出し、渾身の力を込めて神殺しの斧を投げた。斧は回転しながら、ワイバーンの長い首に突き刺さった。


「ガゴッ…………グゥ…………」


 ワイバーンの巨体が傾き、そのまま、飛行船からずり落ちた。


 彼方は甲板の後部に移動して、視線を動かす。百数十メートル先に黒い髪の女がいることに気づいた。


 ――あの女が魔獣使いのメルーサか。


 女――メルーサは胸元から二つの小瓶を取り出し、そのフタを開く。

 三つの頭部を持つ黒い犬――ケルベロスが二体現れた。全長三メートルを越えていて、目は燃えているかのように赤かった。


 メルーサが右手を動かすと、二体のケルベロスは彼方たちがいる飛行船に向かって走り出した。


 ――巨大クモにワイバーン、そしてケルベロスが二体か。他のモンスターも使ってくる可能性があるな。早めにメルーサを倒しておいたほうがいい。


 彼方は意識を集中させ、一枚の召喚カードを選択した。


◇◇◇

【召喚カード:両盾の守護騎士 ベルル】

【レア度:★★★(3) 属性:水 攻撃力:100 防御力:5000 体力:5000 魔力:500 能力:魔法の盾を二つ装備する護衛専門の騎士。召喚時間:1日。再使用時間:7日】

【フレーバーテキスト:要人警護なら、このベルルにおまかせあれ! でも、攻撃力は期待したらダメっすよ】

◇◇◇


 十七歳ぐらいの水色の鎧をつけた少女が姿を現した。髪はショートボブの水色で、瞳は濃い青色。両手に円形の水色の盾を装備していて、腕には銀色の鎖が巻きついている。


 少女――ベルルは片足を上げて、盾を持った両手を左右に広げる。


「お待たせっす。愛と正義の守護騎士ベルル! ここに参上っ!」

「ベルルっ! 君は船の上にいる僕の仲間を守って!」


 彼方は素早くベルルに指示を出して、仲間たちを見回す。


「みんなはクモの糸を切って、飛行船を飛ばせるようにして」

「了解したにゃ」


 ミケが腰に提げていた短剣を引き抜く。


「ミケの本気を見せてやるのにゃ」

「うんっ、頼むよ!」


 彼方はミケの頭を軽く撫でると、縄ばしごを使って草原に下りる。

 同時に一体のケルベロスが彼方に襲い掛かってきた。

 彼方は前転して攻撃を避け、ワイバーンの死体に駆け寄る。突き刺さっていた神殺しの斧を掴み、背後から迫っていたケルベロスの胴体を真っ二つに斬った。

 ケルベロスは炎の息を吐き出しながら、絶命する。


 ――もう一匹は?


 視線を動かすと、もう一体のケルベロスは甲板の上でベルルと戦っていた。ベルルはケルベロスの炎を二つの盾で防いでいる。


 ――これなら、なんとかなるか。


 彼方はメルーサに向かって走り出す。

 彼方の動きに気づいて、メルーサは新たな小ビンを取り出した。フタを開くと、今度は尾が二つある巨大なサソリが現れた。

 同時にメルーサは彼方に背を向けて走り出す。


 ――サソリは時間稼ぎだな。そして、あの躊躇のない逃げ方。最初から、逃げるつもりだったか。


 ――罠の可能性はある。だけど、ここは追う。


 彼方は一直線にサソリに駆け寄り、体を捻って神殺しの斧を真横に振る。サソリの頭部がぐしゃりと潰れた。

 動かなくなったサソリの横をすり抜け、メルーサが逃げた林の中に入る。数十メートル先にメルーサの背中が見えた。

 彼方は左足を大きく踏み出し、神殺しの斧を投げた。斧は縦回転しながら、メルーサに迫る。


 その斧が半透明の壁に突き刺さった。壁が割れると同時に斧が地面に落ちる。


 ――呪文で作られた壁か。ってことは…………。


 彼方の周囲に三百枚のカードが浮かび上がった。


◇◇◇

【アイテムカード:深淵の剣】

【レア度:★★★★★(5) 闇属性の剣。装備した者の攻撃力を上げ、呪文の効果を打ち消す効果がある。具現化時間:3時間。再使用時間:7日】

◇◇◇


 漆黒の剣が具現化された。

 彼方はその剣を掴み、視線を左右に動かす。


「…………やっと会えたな」


 十数メートル先の茂みから、二十代の男が現れた、髪は青紫色で黒い革製の服を着ている。


 男――ティルキルは髪をかき上げながら、にやりと笑った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ