表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【WEB版】異世界カード無双 魔神殺しのFランク冒険者  作者: 桑野和明(久乃川あずき)


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

203/338

夜の訪問者

皆さんのおかげで、総合25000pt突破しました。ありがとうございます。

 数日後の夜、彼方たちが城の中庭で夕食を取っていると、サキュバスのミュリックがやってきた。

 ミュリックは彼方の隣にいるダークエルフを見て、ピンク色の眉をひそめる。


「何? そのダークエルフと有翼人は?」

「エルメアとニーアだよ」


 彼方が二人の名前を口にした。


「名前じゃなくて、どうして一緒にいるかを聞いてるのっ!」

「いろいろあってさ、仲間になったんだよ」


 彼方は簡単に事情を説明した。


「…………ふーん。ダークエルフを仲間にねぇ」

「気に入らないの?」

「そうね。いくつか気に入らないことがあるわ」


 ミュリックはぷっくりとした唇を尖らせた。


「何で、あなたが仲間にするのは女ばっかりなの? 色事なんて興味ないふりして、めちゃくちゃ女好きじゃない! しかも、有翼人は十歳ぐらいよね? ミケより幼いし、少女趣味にも程があるわよ!」

「それは偶然だよ」


 彼方は、ぱたぱたと両手を左右に振る。


「第一、僕から彼女たちを誘ったわけじゃないから」

「その通りだ」


 エルメアが彼方の言葉に同意した。


「彼方は私たちを助けてくれた。その恩に報いるために私は身も心も捧げる決意をしたのだ」

「ふんっ、さすが狡猾なダークエルフね。すぐに彼方の実力を見抜いたってわけ。でもね、あなたは四天王デスアリスの部下だった女よ。信用できないわ」

「君だって、ザルドゥの側近だったじゃないか」


 思わず、彼方はミュリックに突っ込みを入れた。


「私はいいのよ。今は彼方を愛してるから」

「…………で、他に気に入らないことって?」

「これよ! これっ!」


 ミュリックは金色の首輪を指さす。


「どうして、ダークエルフには首輪をつけてないの? デスアリスの部下だったんだから、奴隷になる首輪をつけるべきでしょ!」

「持ってないからだよ。それに、その首輪は特別製で高いからさ」

「じゃあ、私の首輪をダークエルフに使うべきでしょ」

「いや、エルメアが僕を裏切る可能性は君より低いから」

「はぁっ!? 何それ?」


 ミュリックは眉を吊り上げた。


「私だって裏切る気なんてないわよ。あなたの強さが魔神を越えてるって知ってるんだから」

「そうだろうね。君は打算的な考えで動くから」

「打算だけじゃなくて、あなたへの愛もあるんだから!」

「うんうん。そうだね。で、サダル国の動きは?」


「…………はぁ」


 ミュリックは深く息を吐き出した。


「サダル国はリシウス山に城を作る気よ」

「リシウス山か…………」


 彼方は脳内に地図を浮かび上がらせる。


 ――ガリアの森の南にある小さな山だな。ここからだと、歩いて三日ぐらいの距離か。


「国境にも兵を集めてたみたいだし、一気に領土を広げるつもりなんでしょうね」

「動きが予想よりも早いな」


 彼方は視線を南の夜空に向ける。


 ――ただ、あの場所に城を作るってことは、一気にヨム国の王都を狙う気もなさそうだ。まずはガリアの森の西側を確実に手に入れようってところかな。


 ――こっちの戦力が整ってないことがわかれば、一気にキルハ城まで狙ってくる可能性はあるか。


 彼方は結んでいた唇を開いた。


「ミュリック…………リシウス山の城のこと、もっと調べてもらえるかな」

「そりゃあ、構わないけど、そこまで警戒する必要あるの? あなたの力なら、城が完成しても、すぐに落とせるでしょ?」

「それはわからないよ。サダル国にも強いSランクのパーティーがいるみたいだし」

「Sランクのパーティーねぇ…………」


 ミュリックが首を右に傾ける。


「たとえ、Sランクが十人集まっても、あなたに勝てるとは思わないわ。五万の人間の軍隊でもね」

「それはわからないよ。僕の力にも制約があるから」

「どんな制約なの?」

「それは聞かないほうがいいって」


 彼方は苦笑する。


「君とは一蓮托生なんだから、制約の内容を話すとは思えないけど、拷問されるなんて可能性もあるしね。それに、僕が用心深いほうが君も安心だろ?」

「たしかにそうだけど…………」


 ミュリックは眉間にしわを刻んで、彼方に顔を近づける。


「もっと、強引に動いてもいいのに」

「これぐらいでいいんだよ。目立つのは苦手だし、やれることをやらないことが武器になるから」

「やれることをやらない?」

「うん。そうすることで敵は僕の能力を見極めることが難しくなる」

「意味わかんないよ!」

「いいんだよ。わかんなくて」


 彼方は、ぽんとミュリックの肩を叩く。


「まあ、今夜はゆっくり休んで。今、紅茶を煎れるから」

「紅茶よりも、他のものが欲しいんだけど。たとえば、彼方の熱い…………」


 ミュリックの言葉を無視して、彼方は紅茶の葉が入った小さな壺を手に取った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] 鈍感系って誰特?朝ちゅんでも描写すればいいのに
[一言] サキュバスを相手にしてあげないのは種族的問題でかわいそうだと思うんだ……… だからほら……ね………?あとはわかるだろ……?(ゲス顔)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ