第八話 起動キー
武器防具屋に着いた四人は早速店の中に入ろうとするが、その前に上空からジェット機特有の轟音が聞こえた。
その音に神無、玲奈、ユウヤの三人は咄嗟に空を見上げる、他の回りにいた人々も空を見上げ手を振りながら声を上げるな。
「大鷲様だ!」
「大空の勇者様だ!」
「女神様もいるぞ!」
大鷲と呼ばれた其は神無達の世界では既に退役済みの戦闘機 F-15Cだった、其に並走する様に翔んでいるのは…灰色に塗装されている戦闘機を思わすフォルムのロボットだった、神無達の世界では空を飛ぶロボット何て無かった。
F-15Cは羽を左右に振り、ロボットはF-15Cに着いて行くように其のまま何処かに飛びさって行った。
「何で異世界に戦闘機が居るんだよ…」
「あの方々は大鷲と女神と呼ばれる勇者だ、変わり者だが貴様よりは好感が持てる」
「あー!だろうな!許されないと思うが悪かった」
「まぁ……貴様とは長い付き合いになりそうだ、もう気にしなくていい…貴様が気にしてればの話だがな」
そんな二人を見ながら、神無と玲奈は防具店にはいる…続けて二人が店に入る。
「いらっしゃい、欲しいのは軽い鎧か?重い鎧か?」
「プレートアーマーを」
「オーダーメイドか?」
「いや違う」
「となると……金貨2枚だな」
そんな会話をするリーシャに金の入った袋を投げ渡しその袋をリーシャは受け取り、その中から金貨2枚を取り店主に渡す。
「確かに受け取った、取り敢えず着いてこい」
そう言い店主とリーシャは店の奥に行った、其を見届けた後店の周りを見る、周りには均等に置かれた剣やメイス、所々に防具が飾られている…その何れも非常に質の良い物ばかりだった。
「中々良い場所だな、良い剣だ」
神無はその中から一つを取りながら言った、暫くすれば標準的なフルプレートアーマーを着て腰に店に飾られているどの剣よりも良い剣を差しているリーシャと木箱を抱えた店主が現れた。
「おかえり、ってその木箱は?」
そう聞くと店主は先程のぶっきらぼうな表情では無く、賑やかに笑いながら答えた。
「アンタら勇者のパーティーだろ?其にアンタら美人二人は其処の元騎士団長様に匹敵するぐらいの実力の持ち主だろ?なら問題ないだろ」
そう言いながら、木箱を置き中身を見せる……其処には日本刀が三振りがあった。
「銘は?」
神無、玲奈、ユウヤ……特にユウヤは日本刀を見て驚いた、神無はその三振りをじっと見つめながら店主に言った。
「さぁな、分かってる事はコイツが魔導人形の起動キーでとある勇者が作った事だけさ」
「魔導人形?」
神無と玲奈は見知らぬ単語に首を傾げた、二人の疑問に答えたのはユウヤだった、彼は得意気な顔をしながら言う。
「魔導人形ってのは、この世界独自の…あーそうだな……魔法で造られたロボットだ、そしてその魔導人形を起動する鍵が今目の前にある日本刀だ」
第一回世界観説明
魔導人形
ユウヤが言った通りで、神無達が今いる異世界独自のロボットで武器や動物に扮した起動キーで起動する事が出来る。
ドラゴンや魔王に対抗する為に太古の時代に造られた人類の切り札。
現在では勇者達が持ってきた魔導人形の様な物も混ざっている。