第四話 狡猾な奴隷
展開はや!雑!
馬車が一両『エナーシア王国』に近付く、この王国は魔法に優れた者が多く『勇者』を大量に保有している国でもある。
その馬車の中には複数の女や男が無造作に入れられていた、彼彼女等に共通しているのは、共に鎖や枷等を付けられているということだ。
この馬車に入れられている男女は奴隷としてエナーシア王国の奴隷市で売られる事になる。
当然奴隷達の目には光が無く、暗い雰囲気が場を支配していた。
その中に神無と玲奈は居た、二人は賊に会った後其のまま捕らえられ賊の長との交渉により、二人一セットの奴隷として売られる事になった。
「ねぇ神無暇だからセックスしよ」
「お前な…手塞がってるだろ」
そんな中手枷を嵌められた玲奈は鎖で繋がれている神無に近づきそう言ったが神無は呆れたように言った。
「んー……じゃあキスしよ?キス」
呆れてる神無を他所に玲奈は手枷が付けられている状態で器用に神無のに抱き付く。
「人が見てるだろ」
「別に良いでしょ?私達此で最後何だから」
神無が溜め息を吐き、無言で目を閉じれば玲奈は優しく唇と唇を合わす…そして其のまま二人は自分等の世界に入り長い間キスをする。
互いに互いの舌を奪い合う激しいキスは他からすれば共に捕まった同性愛の恋人が別れのキスに見えるが、単に玲奈が神無とキスをしたいから適当にでっち上げた理由なだけで、二人はこの状況をピンチとは捉えていない…逆にチャンスと捉えている。
暫くすれば馬車は目的地に着いたのか止まり、屈強な男数名が奴隷達を奴隷市に搬入する作業に移る。
二人も自分等を繋ぐ首輪の鎖を男に引っ張られながら、此れから売り物にする店の中に入る、その建物は随分と立派な建物で屋根も付いている、だいたい野晒しで売られると思っていた神無は驚きながら前を歩く男に着いていく。
無言で数分歩けば、二人分のスペースがある牢屋に連れられ其のまま中に入れられる。
そして……客が来るまで二人は待つことになる。
「ねぇ神無、来ると思う?」
「なにがだ?」
「私達買う奴…いないと私達の計画が」
「大丈夫だ俺達は可愛いそして強い、戦闘奴隷や性奴隷の適正はかなりある、上玉って賊やアイツらも言ってたろ?………待て誰か来た…二人だな………着いてるぞ玲奈、シャバが俺らを向かいに来たぜ」
神無の言葉通り、二人が居る牢屋の前に奴隷商と興奮ぎみの若い日本人の青年が居た。
二人は顔を見合い笑った