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第12話 斑鳩

ユウヤは夢を見ていた、魔導人形同士或いは魔物と戦っている戦場の空を駆ける二機の魔導人形。

一機は斑鳩(いかるが)、その横に追従する機体の肩には『若草伽藍(わかくさがらん)』の文字。その空を飛ぶ機体は二機しかおらず、たまに二機に向け地上から矢や魔法が飛んで来るがそれらを悠々と回避する。

その二機に襲い掛かる赤黒の竜。


竜の口が開き其処から魔力の炎がちらつく、その数秒後には魔力の炎は巨大な球体となり二機目掛け発射された。

通常ならば二機は回避するのが普通であり、そうなれば必然的に味方に被害が及ぶ。


二機は回避をしない、そして魔力弾が着弾した。

凄まじい爆音と煙が立ち込むが、その煙を切り裂くように何条もの白いレーザーの様な物が現れ、竜を貫き絶命し地に墜ちた。

煙が晴れれば其処にいるのは、無傷の斑鳩と若草伽藍。


そのまま、二機は目の前に聳え立つ魔王の城へ突撃していった。






「おはよう」


目が覚めれば上から少女『斑鳩』の声が聞こえた。周りを見渡すユウヤだが、状況は何となく理解したのか顔を赤くする。周りは真っ白な空間で背後には二機の魔導人形が立っていた、斑鳩と若草伽藍だ。

つまりはユウヤは斑鳩により、膝枕をされていたのだ。

斑鳩は非常に残酷で口が悪いが、容姿は文句無しの美少女だ。

そんな彼女が今やユウヤに膝枕をし優しい笑みを浮かべているのだ。

幼馴染みの桜以外まともに女性との絡みが無かったユウヤにとっては仕方無い事だ。


「正直…彼以来だった」


斑鳩はユウヤの頭を撫でながらそう言った、彼女の言葉から昔を懐かしんでいる事が分かる。


「彼……アタシと一緒に魔王の軍勢と戦ったあの人は自分が信じる信念の元戦い……死んでいった」


頭を撫でながら震えた声でそう言った、ユウヤの頬に彼女の涙が落ちた。


「この世に絶対なるもの無し、それ故悩む事もある、何かを成し遂げる或いは困難を乗り越える為には、其れ即ち確固たる意思と信念他ならない……彼が良く言ってた言葉よ」


更に彼女は続けた。


「アタシ達魔導人形はアンタ達『信念無き者達』は乗せない、本来ならね……だけどアンタはまだ未熟だけど確かにアタシに信念と意思を見せてくれた」


そして斑鳩は立ち上がった、次第に周りの空間が歪む。


「アタシがアンタの矛となり盾になってあげる」


その言葉と共にユウヤは精神世界から覚醒した。

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