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第十話 ユウヤの試練

神無は老人…魔導人形の起動キーと対峙し口を吊り上げる、何せこの世界に来て久しぶりの人との…厳密には人間では無いが人型との戦闘其れも何よりも好きな強者との戦いに遂に口元が弛んでしまった。


「……成る程、戦狂いかお主」


上段に構え太刀の範囲ギリギリ外にいながらそう老人が答える、油断の無い構えだ。


老人は刀を担ぐ様に構える…上段の構えを取る、この老人の狙いは神無の首というのが分かる…がフェイクの可能性も十二分にある。


対する神無の構えは中段、狙いは老人か刀を振り上げたその隙に首を突き刺すと言うものだ。


「戦狂いじゃないがこんな辺鄙な場所でアンタ見たいのと対峙出来て嬉しくてね」


其のまま二人は射程圏外をギリギリ保ちながら殺気を飛ばしあう、先に動いた方が不利だ……達人同士の殺し合いは実の所一瞬で終わると言う事は稀である、達人同士の殺し合いは相手の先の先更にその先を先読みするので長期戦になりやすい。


「………やめだ」


老人はそう言いながら刀を鞘に納めた、同時に老人が発していた殺気も一瞬にして掻き消えた。


殺しあいの雰囲気ではない事を察し、神無も殺気を消し刀を鞘に納めた。


すると…竹林から和室にまた戻っていた、老人も又美人に戻っていた。


「やめだやめ、ただお主の力さえ分かれば良い殺し合いなぞ必要なし」


ドサッと適当に座りながら女はそう言った、確かにあのまま斬り合いになれば両者共得になる事は一切ない、少しだけ不機嫌な表情を見せながら同じく座る神無。


「其でアンタ女なのか?其とも男か?」


「刀に性別を聞くか、そんなのはない…其こそお主こそ本当に女なのか?」


お茶を飲みながら聞く女に対し、神無は苦笑いをしながら答えた。


「一応女さ…複雑な訳があるんだ、其でどうだ?」


神無のこの問いは、刀である女が神無を身を任せれる用な使い手であるかと言う問いである。


「合格よ、実際お主は過去に儂を使おうとしてきた有無現象共より遥かに良い」


「有無現象共?」


「然り、武器を持つべきではない弱者共の事よ…だがそんな事はどうでも良い所有者よ、儂の名は『月明(げつみょう)』かつては『叢雲乃剣』等とふざけた名を持つ武器よ、必要な時になったら儂の名を呼べ」


刀が自ら名を変えたと言う事に戸惑うが、意思を持つのなら其れも有るのだろうと納得する。


「さぁ行け主よ」


その言葉と共に神無は現実世界に戻っていた、その神無の周りには店主と眉を潜めるリーシャと怪訝な表情を浮かべる玲奈がいた、腰には魔導人形の起動キーであろう白い鞘の刀を差していた。


そして……


「あぎっ!ぎ!ぎぎぎぎぎぎぎ!!」


エクソシストに成仏されかけの悪魔の様に地面をのたうちながら、ユウヤは声にもならない悲鳴をあげ目と鼻から血を出していた。


「どういう事だ?」


その問いに店主が答えた。


「拒絶反応さ、強力な魔導人形に良くある事だが……」


「拒絶反応にしては異様に長い」


リーシャが変わりに言った、拒絶反応は相応しくない使用者を殺してしまうが…ごく稀に拒絶反応を起こされても魔導人形に認められる事がある。


「あば!ばばばば!?あー!ばーあー!あー!ばー!あー!」


更にユウヤが地面を跳ね回る。


















「其で?諦めて死んだら?」


刀を持つ少女が冷めた目で両手両足を斬り落とされ達磨になった、ユウヤを見つめながらそう投げ掛ける。


「個々はアンタの精神世界だから、諦めない限りアンタはその無様な格好を幾らでも治す事が出来る」


ユウヤは少女を睨みながら、両手両足を元に戻し少女と同じ刀を構える。


「またやるの?」


「五月蝿い!」


ユウヤが刀を構え駆ける!転生者で自分を選ばれた者と言うだけある常人を超す速度!そして刀を横凪ぎに振るう……が刀を握っていた両手首が地面に落ちる。


音もなく少女の斬撃が両手首を落とす。


「ぁぁぎゃああ!?」


ユウヤが後ろに後退する、その両目に横一文字の切り傷……つまり少女は両手首を斬り落とし、更に返す刀で両目を斬ったのだ。


恐るべし手練れ!


「まだやるの?死んだら?死んだら楽になれるよ?」


冷ややかに声を投げ掛ける…だが、またもゴキブリの如く身体を再生させ刀を構えるユウヤ。


「本当に懲りない屑」


少女は刀を鞘に納め中腰になる、居合いの構えだ。



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