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晴耕雨読に暮らしたい!  作者: 一介のうどん好き
3/3

言葉の壁の突破(しかし新しい問題が発生)

読んでくださりありがとうございます。続きです。

 やばいな。言葉が通じないことに気付いた私はそう考えた。目の前では不思議そうにこちらを見ている人間(予想)の女の子。

 背丈は私よりも高く、だいたい中学校2年生くらいだろうか。手には籠を持ち、なかに野菜らしき植物が入っていることからこの森へ食べ物を採りに来たのだろう。サラサラで触ったら気持ちいいだろうと思われる金色の髪に、沖縄の海(見たことがない)のような澄んだ青い瞳をもち、将来はきっと美人さんになる見た目である。

(...って、こんなことしてる場合じゃなかった!早く言葉の壁をなんとかしないと!)

 気が付いたら、少女をじっと見つめて観察していたことに気が付いた私は、まず手始めに少女に日本語で話しかけてみることにした。

「こ、こんにちは」

「Mn!?,cbha,cbhafd'dcda!?」

あ、驚いてる。私がしゃべったことに驚いているらしい女の子は、しばらく固まった後、私に恐る恐る話しかけてきた。

「Da',Da'lcb'hemfc'?」

うん、言葉がわかんないと何も意思疎通が図れないね!何となく覚悟はしていたけど実際になんて見ると厳しいね。これからどうやって話そうか...

 そうやって考えていた私の脳裏を、管理者アドミンからの手紙のある一文がよぎった。


____________あと、「晴耕雨読」に生きられるように特殊な技能スキルをつけておいたので、頑張って異世界ライフを楽しんでください!


これだ!異世界転移・転生物での定番、『スキル』!いやー、今の今まですっかり忘れてたよ。

 スキルの存在を思い出した私は、ボディーランゲージ(肉体言語ではなくジェスチャーのほう。ここ重要)を駆使して女の子に「待っていてくれ」と伝え、ポケットの

中から手紙を取り出して、二枚目(ぴったり重なってて気づかなかった)を見た。


『P.S.ここに君につけた技能スキルを書いておきます。ちなみに、後からでも新しいスキルを身につけることができるので、頑張っていろいろなことにチャレンジしてください!

                              管理者より


【所持スキル一覧】

言語理解

サバイバル 熟練度100

小道具製作 熟練度100

武具作成  熟練度100

建築    熟練度100

リフォームの匠

釣り    熟練度100

罠師    熟練度100

料理    熟練度100

                         残りスキルスロット/11』


ほほう、なんだこれ。

 手紙を確認した私は、そのあまりにも混沌としたラインナップに頭を抱えた。いや、確かに生活に必要な技能が一通りそろっていることに変わりはない。むしろ、食料の確保のためにスキルをつけていることに感謝してもいいぐらいだ。しかし、なにぶんにもこの『リフォームの匠』というスキルの意味が分からない。なにこれ、模様替えでもするのか。するんだな、たぶん。

 目的の『言語理解』を発見した私は、さっそく使ってみることにしたのだが、

(あれ、そういえばこれ、どうやって使うんだっけ?)

使い方がわからなかった。

(えー、普通『X'ZY'IBUL』とかは『CB'HEMCB'FADCDE'M』してるようなものじゃないの?)

 そんな風に頭を抱えていると、女の子が近づいてきた。

「あの、大丈夫ですか?」

「へ!?」

言葉が通じた。なぜかはわからないが、どうやら言語理解の発動に成功したらしい。

 とりあえず、一番の悩みの種が解消されたので、私はこの女の子とコミュニケーションをとることにした。

「あ、大丈夫です。ありがとう」

「うん、よかった。こんな森に一人でいるから、お姉さんびっくりしちゃったよ?小っちゃいし言葉も最初はわからないような感じだったし」

う、するどい。このお姉さん、なかなかやるな。

「スキルの発動に手間取っちゃったから...」

「スキル?それって『技能』のこと?」

 おや?と私は疑問に思った。この世界ではスキルのことを『技能』というのだろうか。しかし、管理者アドミンからの手紙では『技能スキル』と書かれていたはずなのだが...

「うん。こっちではスキルではなく技能、ていうの?」

「うん、そうだよ。もしかして君、外の国から来たのかな?」

「あ、はい...」

よし、外国から来たといっておけば何とかごまかせるだろう。自分の出身について女の子の勘違いに便乗する形で乗り切った私は、自己紹介をしてみることにした。

「私、アカリ。歳は26歳だよ」

言ってから、しまった!と思った。管理者のドジで外見年齢が6歳になっているのに、26歳というのはあまりにも不自然すぎる。

 変に思われないかと内心びくびくしていると、

「え、まだ26歳なの!?危ないよ!何考えてるの、こんなに小さいのに国を出るなんて。ご両親は!?」

と、意外な言葉が返ってきた。あ、そうか、エルフって長命だから26歳だとまだ幼児の域を抜けてないんだ。でも、26歳で幼児って、大人になるまでにどれだけかかるんだろう...

「お母さんは...」

まずい。親とかそんな存在忘れていただけにどうやって言い訳しようか考え付かない。ていうか、親になるのにどれだけの年齢なんだろう。まさか200歳とか300歳とか?うわぁ...

 あまりにも長い大人への道のりを考え鬱々としていると、お姉さんが謝ってきた。

「あ...ごめん。そうだよね、何か事情があってここまで来たんだよね。大丈夫だよ、この国の人たちはいい人たちが多いから」

うん、「みんないい人」と言わないところにこのお姉さんのいいところが表れている気がするな、私は。

「私の名前はシャロ。シャロ・シルフィードだよ。よろしくね、アカリちゃん」

ふむ、シャロというのか。まあ外国人のような名前は置いておいて、問題は名字だな。この名字、もしかして...

「シャロおねえちゃんって、もしかして妖精だったりする?」

「シャロでいいよ。そうだね、私は『妖精族フェアリー』の中の『風妖精シルフ』って種族なの。アカリちゃんはエルフだよね?」

「うん、たぶん」

「たぶん?」

予想通りの言葉が返ってきた。エルフとシルフって似てないか?耳もとがってないし、なんか『妖精』って感じじゃないな。

 そんなことを考えながら、思い切ってシャロに尋ねてみることにした。

「あの、シャロおねえちゃん」

「ん?なに、アカリちゃん」

「あの、リフォル村を私は目指してるんだけど、どこか教えてくれないかな...」

と、聞いてみると、意外な答えが返ってきた。

「うーん、知っているけど、やめといたほうがいいと思うよ」

「なんで?」

まさかの行くのはやめておいたほうがいいという言葉を聞き、理由を尋ねた。

「うん、そこは私の住んでいる村で、シルフの里でもあるんだけどね...」

 なんと、シャロの住んでいる村だったのか。新しい情報に驚きつつも、「あれ、おかしいな?」と思った。

 自分の住んでいる村なのだから、環境が悪いというわけではないだろうし、何しろ、シャロはその人が嫌いだからという理由で村に入れない人のようには見えない。まぁ、見えないというだけで実はそうなのかもしれないが、少なくともそういう確率は低いと思われた。

「なんで?何で私は行かないほうがいいの?」

思ったことを聞くと、シャロはとても言いづらそうにしながら、そして申し訳なさそうに私に言った。

「アカリちゃんはこの国に来たばっかりだから知らないかもしれないけどね、実はこの国のエルフとシルフはね___________













_________________すっごく仲が悪いの」


新キャラを出してみました。レギュラー枠に入れる予定です。

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