7話 後は待ってりゃ勇者が出るか?
「はい、こんばんわー!フラッグです。多分、夜中に近い時間だと思います。お腹が空きました。お弁当は持ってきています!。おやつもあります!。フラッグです。フラッグです・・・眠いんです」
独り言を叫んでしまった
ビコん所からずぅーっと歩いてるけど、扉も無いしザコも出ねぇよ
どんだけ長いのこの通路・・・ここで寝ちゃうぞ
ってもなぁ、こんな通路で寝るのもなぁ
何か明るいしなぁ
「あ!いい事思いついた!よっと」
右手の剣指で壁に円を書き、左の掌で軽く突くと壁が粉になって流れ落ちてきて、奥行き50cmのトンネル状の窪みが出来上がった。
江湖の達人でも素手でこんな土木工事やらない・・・。
が、数十回繰り返してL字型の部屋を作ってしまった。
「おやすみなさい」
ポケットから、寝袋を取り出して早速寝てしまった。
女子力はこのバーバリアンには必要無いらしい。
「あ、アンシプル持ったままだった。出しとか無いと」
「ワルハトリ室長代行、フラッグ調査員とは連絡が取れましたか?」
「いえそれが・・・」
「では、どうではどうします?そちらの人員では捜索の手は足りないでしょう。正式の手順で要請をして貰えれば、協力できますよ」
「ガイドビーコンは設置して居りましたので、偵察機を投入しました。一両日中には何らかの情報、若しくは結果が判明すると考えています」
「では、行方が判明する可能性が高いと?しかし、アンシプルが繋がらず、反応も無いと云う事は最悪死亡も有り得ますよ」
「いえ、何某かのトラップの可能性では無いかと、アンシプルでの通信不能条件は、限られています。故障位であれば、あの程度の敵に遅れをとるフラッグでは有りません」
「解りました。では、引き続き探索を行って下さい。手に余るようなら直ぐに私に連絡をよこしなさい。万が一の場合にも貴方にとって不都合が起きない様上に話を通しておきます。今回の件は、室長代理就任前の事故として報告を上げておきます」
「あ、ありがとうございます」
「室長、そろそろ出発しないと今日中に着かなくなりますが?」
「そうですね。では、ワルハトリ室長代行後は貴女の判断で進めて下さい。我々は、これからゲートへ向かい出発しますが、到着は夜半の予定ですので、何か有れば引き返せます。くれぐれも無理はしない様に」
「はい、ありがとうございます」
そして、エネル達は出発していった。
エネルはフラッグの死亡を想定し、ワルハトリの方は無事を確信していた。
この違いは経験の差なのか、信頼の差なのか
簡単に説明すると、フラッグが機械を持っていると”壊れる”という特技から来ていた。
多重存在システムだろうが、事故修復だろうが身につけられるサイズの機械は全て壊れる。
丸二日以上連続で身に着けていれば、精密機械でも風車でさえ壊れるのだ。
大抵半日程度遠ざけていれば何事も無かったの用に復活する。
この事から、ワルハトリは何の心配もしていなかった。
そのせいでフラッグが本当に行方不明だと判明するのに時間が掛かってしまう事になる。
「Bee、無人機からの情報を要約してから報告をお願い。あと、迷宮のMAPが完成したら簿記の先生に送って、調査に行けって言っといて」
<『はい、現在無人機からのデータを収集していますので、どちらも1時間程で形になります。』>
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Now Loading・・・
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そういや、マイラー君以外名前わかんねーぞ
爺さん達、なんて名前なんだ?
「(Bee、このおっさん達なんて名前だっけ?)」
<『は?昨日一日どうやってたんですか?お爺さんは”グレン”お父さんが”ダイク”経理の人は”デッチ”ですよ。』>
そうか、そんな名前だったのか
さて、早速名前を呼んでみるとするか
「じゃあ、昨日のおさらいです。マイラー君前に来て」
マイラー君の名前は、知ってただろう。
何故その名前を呼んだ・・・デッチさんとかを呼んであげろよ。
昨日は、廃棄商品を帳簿から削除するところで悩んでたろう。
『何で、ちょっと位古くなった”商品”を捨てなきゃならん!まだ売れる!腐る直前が一番美味いんだ!”』とか言って納得してなかったよね。
「うん、そうだね。戻ってよいよ、じゃあ、今度はお父さんマイラー君のお小遣い帳をチェックして下さい」
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「では、今日はここ迄にして、明日から2日間は教室をお休みにします。練習問題の第1章を宿題とします。皆さんで相談してやってみて下さい。はい、ではお疲れ様でした」
「あ、マイラー君ちょっと帰る前にこっちに」
「先生何ですか?今日何か間違ってましたか?ごめんなさい。」
「あー、違う違う。先生昨日ね、こんなオモチャを作ってみたんだよ。ブレスレット何だけど、こう腕につけてからね。ちょっと走ってごらん」
「あっ、光ってる。何これ魔法?」
「(よし、光ったな)魔法じゃなくてね、これは腕につけて動き回ると光る様になってるんだ。沢山走ると長く光るからね。でも、オモチャだから光るだけなんだけどね」
「先生ありがとう。学校で友達に自慢してくる!」
「仲見世でも売っていないヤツだから無くさないでね」
「うん、大事にする。ありがとう!」
早速走って行ったな
これで1週間もすれば、検査終わるだろう
光ってたから何かのの素質は有るな
まぁ、どの程度なのかは1週間後のお楽しみだ
「(bee、何か見つけたらワルちゃんに報告ね)」
<『了解しました。別件で、ワルハトリ室長代行からの伝言です。「後でMAP送るから、迷宮にフラッグ迎えに行って」』>
「うぇ、マジで・・・アイツ、何処居んのよ?チヨと昨日潜っておけば良かったなぁ」
<『現在、無人機からの情報を分析中です。完了次第MAPを送りますので、迷宮内の広間にて待機して下さい。』>
うわー、フラッグのせいで面倒な事になったなぁ
帰ったらメシでも食わせて貰うか
「あれ?そういやさ、無人機で見つけられなかったの?」
<『偵察機で進入できるエリアでは、発見されませんでした。』>
「そんなら、俺が行っても同じじゃないの?無人機でも通れない所なんて、俺が入れるわけ無いし」
<『実は、扉があったのですが、全く開くことが出来ずに断念しました。』>
扉って・・・何それ、無人機ってドア位開けられないんだっけ?
ウチんトコの無人機って、そんな低機能だったのか
って事は、MAPも無しで潜るのか
あー、ヤだなぁ
面倒くせぇ
「なんだそりゃ、んなもんノブ回して、押すか引けば開くだろうよ」
<『勿論やりましたよ。上下左右のスライドと、回転も試しましたが動きもしませんでした。』>
「そんなん、どうしろっての・・・」
<『何とかしてください。』>
「え?」
<『冗談です。とは云え偵察機では何も出来ないので、現地で確認して下さい。』>
「んじゃ、その先のMAPなんて無いんだよね?」
<『大丈夫です。その為の装備を室長代行が製作中です。安心して下さい。』>
「ワルちゃんって、そんなの作れんだっけ?」
<『ええ、何やら自信有り気にしていましたから。』>
本日の登場人物
エネル
チヨ
エセック
ワルハトリ
マイラー君
グレン(御当主)
ダイクさん(マイラーパパ)
デッチさん(経理の人)
ブラッグ(前書き部)
bee