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4話 迷宮潜入?

「オラオラオラオラオラオラッ、どうした!お前の力はそんなもんか!本気でこいやぁぁぁ」


テロス迷宮の奥では、すっかりヒートアップしてしまったフラッグが、リッチの集団相手に無双していた。

壁は走るし、天井ですら駆け抜け最早、手の付けられない状態のフラッグであった・・・。


「ふっ、それは残像だ!ザコがっ!」


最早リッチ達に戦意は薄く、逃げる事も侭ならないフラッグの速度に翻弄され、次第に数を減らしていた。

その内の1体が何とか詠唱を完成させ雷撃を飛ばすが、残像と言われる始末。


「オラァっ吸印大法っ(エナジードレイン)!お前も!お前もー!」


フラッグに掌打を喰らいアストラルボディを維持出来無くなり、現世での実体迄も消滅していった。


「詰まらん!何の手応えも無い!」


既に当初の目的は、アルファケンタウリ拠りも遠くに行ってしまったらしい・・・

勇者探しは進まないが、迷宮探査は順調(?)に進んでいた。

もう、お前が勇者でも魔王でもなっちゃえよ。

「ん?なんか、あの雫長くないか?」

「雫って言うよりも・・・棒?」


先程まで、天井から滴っていた雫がいつの間にか一本の棒状となっていた。

中の人が立ち上がり、部屋から飛び出して行ったので普通の事では無いだろう。

周囲の見学者もざわざわと騒がしくなっている、中には拝んでいる人まで居た。


「スゲーなアレ、何年くらい風邪になら無く成るんだろな」

「何か違くない?しかも何で”風邪”限定?エセックの病気のイメージってそれだけなの?」


「広間に行くの止めてアレどうなんのか見てかないか?」

「(しじみちゃん、テロスの”命の雫(しずく)”何だけど、何か様子がおかしいのよ。ちょっと調べてくれる?)」

<『はい、少々お待ちクダサイ』>

「エセック、そっちの方でも何か情報持ってないの?」

「んー、無いんじゃない?(bee、しじみとリンクして”テロスの雫”のデータ調べてくれ)」

<『了解しました。何か解り次第報告します』>


「おー、棒が床まで届いたぞ。この後どうなんだ?」

「さぁ?このまま見てたら解るでしょ。広間はまた今度ねぇ」

「今日は簡単なお仕事(見てるだけ)じゃ無かったな。お、戻ってきたぞ」


最初に見ていた監視人以外にも二人入ってきたが、どうやら床まで届く”命の雫()”は初めての事らしく、周囲をグルグル回っているだけだった。

その内、一人が床を指差して全員で床を見つめていた。


「何してんだろ?俺は飽きてきたぞ」

「んー、まぁそうねぇ・・・珍しい事なんだろうけど、見てる分には”棒”だしねぇ。帰る?」

「よし!帰ろう!もう飽きた!」

「(しずくちゃん、私達ベースに戻るから引き続き監視しといて)」

<『はい、わかりマシタ』>


結局、エセックの”飽きた”の一言でテロス迷宮の奥へは行かずベースに戻る事になった二人。

周囲の観光客も同様に飽きた者も居て入り口へ引き返す人もチラホラと出てきていた。



■□■□■□■□■□■□■□■□■

Now Loading・・・

■□■□■□■□■□■□■□■□■



「で、bee。結局何だったんだ?過去の文献にはあんなの無かったんだろ?」

<『はい、工場と国の担当部署にある文献には同じ事象の記載は有りませんでした』>

「ふーん、じゃあ別の質問。あの棒って効果は”命の雫”なの?それとも”活力雫”なの?」

<『組成から判断すると”命の雫”も”活力雫”も同じ物です』>

「ん?あれって同じもんなのに効能が違うの?」

「大きさか何かで効果が変わるのかしら?」

<『現物を入手し解析を行えば詳細に解りますが、”活力雫”の入手は困難ですので・・・』>

「ふーん、じゃあいっか」

「フラッグが奥に居たはずよね?フラッグが何かやったんじゃない?あの人、結構無茶やる人よね?」


<エセック、今入り口よね?エネル室長が来てるのよ。早く室長室まで来て頂戴>

「あー、はいはい。今行く~」


あー、婆ちゃんかぁ・・・


「エセック、逃げちゃだめよ?」


先手を打たれた・・・

もしかして、俺を逃がさない為にチヨが来てたのか?

うーん、定食屋で逃げときゃ良かった・・・



■□■□■□■□■□■□■□■□■

Now Loading・・・

■□■□■□■□■□■□■□■□■



「ご無沙汰しております。お元気そうですね・・・」

「はい、久しぶりですねエセック。勇者は見つかりましたか?」

「まぁ、ボチボチやってますが、室長が不在なので撃てる手が少なくて・・・」

「勇者の探索に権限は必要ありませんよ。貴方の足と集積したデータを解析すれば解る事です」

(怒られてる、怒られてる。私は怒られなかったもんねー)

「ワルハトリ室長代行、フラッグの帰還は何時になりますか?」

「っ!はいっ。先ほどから呼び出しては居ますが、返事がありません。奇声は聞こえるのですが・・・」

(室長代行だと!?何?ワルちゃん役職付いたのか!うわー、めんどくせぇ)

「今日は良いですが、人員の管理は基本です。今後に向けて対応を考えなさい」

「はい、わかりましたぁ↓」

「(ワルちゃん、婆ちゃんってさ、その話しに来たの?)」

「(そうみたいよ、結局新しい室長が見つからないみたいなの)」

「室長。内示はもう済んだ様ですが、私達はこの後どうするのでしょうか?しばらく此方(シャスタ)に滞在して、サポートですか?」

「いえ、我々はこの後ゲートへ向かいます。そこで新たな探査域が割り振られる予定です」

「そうですか、わかりました」

(おー、婆ちゃん早くどっかいけー)

「エセック、フラッグと共にワルハトリ室長代行に従って、この地域の勇者探索を進めなさい。」

「はーい」

「代行とはいえ、貴女が室長なのですからキッチリ管理をして、勇者が居るならエスコートして、居ないのなら早々に切り上げて別の地域を探索するのですよ。解りましたね?」

「はい。そうします」


そうして、婆ちゃん一行は自分達のベースへ戻って行った

明日の夕方には、ゲートへ向けて出発するらしい

ワルちゃん(室長代行)の事だけなら、連絡入れるだけで良いだろうにワザワザ来んなよ

とは云えどうすっかなぁ、明日マイラー君に直接会ってみようかなぁ


本日の登場人物

エセック

ワルハトリ

エネル室長

チヨ

Bee

フラッグ(前書き部)

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