2話 やーめたっと
「ヒャッハー、消毒しちゃうよー♪あはははは。」
魔物の沸き続ける部屋で無双中のフラッグのせいで、床や壁には皹が入っていた。
256匹倒したら、もう沸いて来ないんじゃ無いかと思ったけど
まだ沸いてくるのね・・・もう、壁でも掘ってみようかしら
「戻るか、進むか・・・。」
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「よし!進もう!・・・破っ」
剣指をつくり壁に突き出すと、壁が粉々に砕け空間が現れた。
「おー、壁薄かったね。この部屋出られるかも!ラッキ♪」
んー、何か下に行けそうな階段が有るわね
戻るとまた雑魚部屋だし、降りてみるか
一応、ビコ置いておこうかな
「ワルハトリ、さっきの隠し部屋の奥に階段有ったから先に進んでみるわね」
<わかった、気をつけてね>
いやー、酷い目にあった
不意打ちでも何でも、危険が在るんならお守りが効くけど
持ち上げられて、筒に入っただけだとなぁ
もうちょっと融通利かせてくれるシステムでも良いんだけどな
てっきり”bee”相手に管巻いててサボってると思ってたけどちゃんとお仕事してたんだな
それにしても、ワルちゃんナイスよ、グッドですよー
「ちょっと予想外で疲れちゃったな。飯でも食って一休みするか。」
そう言って、エセックは町の方へ歩き出した。
マイラー君の事は、後回しにする積もりの様だ。
さて、昼に行った定食屋ウマかったから晩飯もそこにするか
「すいませーん、晩酌セットとローストチキンくださーい。」
「いらっしゃいませー、晩1チキン1入りまーす。」
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Now Loading・・・
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なんでアイツ帰ってこないで、ご飯食べてんの!
こっちは、ターゲット家族の監視してんのにどういう事?
「ちょっと、アイツの飲んでるお酒のアルコール度数80%にしてやってよ。」
『80%ですか?倒れますよ?』
「いいから、90%にしてやって」
『増えてますが・・・やりますけど。』
「んっ!」
さて、制裁はコレで良いとして、マイラー君の様子はどうかな?
ちっ、こっちも晩御飯か
「よし、今日のお仕事はここまでにしましょう。アナタは監視続行、行動と会話から明日の行動を予測しておいて。」
『了解しました。明日の朝に報告します。』
「あ、エセック倒れたら何とかしておいてね。」
『(それなら最初からやらなければ良いでしょう)・・・了解しました。』
さて、どうしようかしら?
私も町まで降りていって食事にするか、中で食べてもう休んじゃおうかしらね
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Now Loading・・・
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ほんの少しだけ時間を遡ると、定食屋でむせている男が居た。
バッチーン、バンッ!
「エセックくん見ーつけた♪」
「#◆!!(凸)<<<!がはっ・・・ぐっげッ」
丁度エセックが二口目を飲もうとジョッキに手を掛けた時、強烈に背中を叩いた者が居た。
「痛!なに?今の何???っていうか、何でここに居んの???お酒溢しちゃったじゃないの」
「何でって随分なご挨拶ね。仕事に来たに決まってるじゃないの。アラやだ、今日もお独りさま?丁度良いわ、出かけるわよ?」
「えっ、今から?何処に?何で?俺、メシ食ってるんだけど。」
こんばんは、エセックです。
突然沸いてきた同期に連れ去られそうになっています
なんで、コイツが俺の憩いのひと時を邪魔すんの?
つか、メシ食ってんだよ?見りゃわかるよね?
その前に何でコイツがこんな所に居るんだ?
「お前、オランチャに行ってる筈じゃ無かったのか?」
「んんー?オランチャでの魔王探しは終わったのよ?アッチは、ハズレよ。それで、人員不足のシャスタに応援に来たって訳♪」
「なにそれ、俺聞いてないよ?移動になったって事?」
「応援よ、どうせコッチもハズレなんでしょ?私達は、次にヴェルジェーズに行く事になったのよ。それで、その前に冷やかしに来たって訳ね。あ、他の人達はベースに行くって言ってたわね。」
「んじゃあ、俺を何処に連れて行こうとしてんだ?」
「決まってるじゃない、テロスよテロス迷宮♪」
「テロスになら、フラッグが潜ってるよ。『先月末の報告だと何も無くてツマンナイ』だってさ。」
「いーの、ほら早く早く。」
「俺のチキン~・・・すいませーん、ローストチキンお持ち帰りに出来ますか~」
「できますよ。もうすぐ焼き上がりますから、少し待って貰えますか?」
んで、テロスって何かあんの?
フラッグが云うには「流行の終わった観光地」らしいし、今更そんな所に行ったってなぁ
俺、地下って好きじゃないんだよな
天井とか、出口とかが崩落したら閉じ込められて怖くない?
でも、連れて行かれるんだろうなぁ・・・
良くわからない理由で俺は、テロスに行く事になった
本日の登場人物
エセック
ワルハトリ
定食屋の人
エセックの同期
フラッグ(前書き部)