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一章
「おはよ」
隣のクラスの大島君に声をかけられた。
確か、サッカー部で一年生なのにレギュラーしてるって、みゆちゃんたちが騒いでたな。
だから私が大島君の事を知っていても、向こうは私の事なんて知らないはず。
何か接点あったっけって悩みながら、何とか「おはよう」って返してみたけど、キョトンとした私の顔がおかしかったのか、大島君は訝しがるようなちょっと変な顔をした。
何か言った方がいいのかな。でも何を言ったらいいんだろう。
じっと見つめられあわあわしていると、大島君がふいに口を開いた。
「お前、まだ…」
「え?」
「いや、何でもない」
そういうとすぐ、私をおいて教室にむかってしまった。
「まだって、何がまだなんだろ」