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猫勇者~大きな猫のためにネズミ四天王を倒しネズミ大王に挑む猫たちの話

作者: 山田 勝
掲載日:2026/02/01

 託宣が下りました。

 ネズミ大王が現れました。


「ニャー!ニャー!」(クロよ。貴方が勇者です)

「ミャン!」(分かりました)


 行かなければなりません。狩りの出来ない大きな猫たちのために行かなければなりません。




 ・・・・狩りの出来ないママのために、僕はネズミ大王を倒す。

 ネズミ大王が来ると街の大きな猫たちが倒れる。

 それが言い伝えだ。


「ウニャ」


 僕はこの村で最もご長寿のミリーさんから勇者であるとの託宣を受けた。

 もう、ママとは会えないかも知れない。


 僕のお伴は剣猫のブチ。


「ミャー!」(いくぜ!)


 紅一点

 魔法猫のミーシャだ。


「ウミュアー、ミャン、ミャン」(早く終わらせてよね)


 それぞれママとパパにお別れをして村を旅立つ。


「クロー!」


 あ、ママだ。


「フフフフフ、旅の行商人から買ったの。これ、似合うかしら」


 首輪をつけられた。


「本当はお守りよ。でも、クロちゃん。時々見えなくなるから目印でもあるわ。素敵よ」


 ママ・・・


 僕は真っ黒だ。ママの家の粉挽き小屋の中で時々見失うことがあるらしい。

 大きな猫はあまり嗅覚がすぐれないから仕方ない。


「ニャン!」(行ってくる)


「クロちゃん?お友達と遊んで来るの?お夕飯には帰ってきてね」


 ママの笑顔に見送られて三猫で深い森に向かった。


 旅は過酷を極めた。


 ミーシャはブラッシングができないことにイライラしている。


「ウミャー、ミュー、ミャー!ミャー」(もう、お風呂でいいから入りたいわ!)


 ブチは思うように狩りが出来なくて焦っている。


「ニャー!ニャー!ミャン」(畜生、森の鳥は素早いぜ)



 時にはネズミ四天王率いる小部隊と戦った。


「ウミャー」

「ニャン!ニャン!」

「ミャー!ミャー!」


 子犬ぐらいのネズミだ。

 何とか倒しネズミ大王の居城に着いた。


「「「「チュー!チュー!チュー!」」」


 地面が黒くなるほどのネズミの大群だ。

 それを倒せなくてはネズミ大王にたどり着きも出来ない・・・


「ミャー、ミャン!ミャン!」(ここで私が食い止めるからさっさと倒してきなさいよね)

「ニャー!ニャン!ニャー!」(手柄はクロに譲るぜ)


「ニャン!ニャー」(みんな・・・)


「「ニャン!ニャン!ミャー!」」(行け。皆のために!)

「ニャー!」(振り返るな!)


 僕は皆の犠牲の下にネズミ城にたどり着いた。

 大きな穴だ。


 そこにいたのは・・・


「「「「「チュー!チュー!チュー!」」」(良く来たな。勇者よ)



 な、何だ、あれは、ネズミの大群・・・いや、尻尾が絡み合っているネズミだ。

 360度顔が向いている。死角無し。


 絡まったネズミだが、まるで一匹のネズミのような動きをしている・・・


 思念が伝わってきた。




 我は全にして個、36体のネズミの集合体だ。頭脳も体力も36倍である・・・

 勇者よ。我が軍門に降れ。さすれば外の仲間を助けてやる。


 ピピーとネズミの目から光が発し、壁に映し出された。


「ミュアアン」(み、みんな)


 360度、ネズミに囲まれ体力が付きようとしている。



 どうだ。勇者よ。面白おかしく暮らそう。人族どもを奴隷にして食用にするのだ。

 それには勇者の力が必要だ。

 お前は悔しくないのか?森の誇り高い猫族が人族どもの愛玩動物になっている。



「ニャン」(違う)


 ママは、震える僕を保護してくれた・・・・


 なら仕方なし。熱光線!


 しまった。油断した。モロに喰らってしまった。


 ブチ、ミーシャ、・・・ママ。


 しかし、目が暗くならない。


 ポト!


 ママがくれたお守りが焼け落ちた。

 そうか、お守りが僕の身代わりになってくれたのか?



「ニャン!ニャン!ニャン!」(ニャンニャンビーム!)


「「「「「チュー!チュー!チュー!」」」」」


 ネズミ大王は炭になった。やった。外のネズミも統制がとれなくなって、逃げ出した。


「ミャン、ミャン、ミャー!」(余裕なのだからね)

「ミャン!」(まあ、まあだな)


「ミュアン」(みんな・・)



 僕たちは一月かけて旅をして元の村に戻った。



「ブチ!なんだ。メスを追いかけていったのではないのかよ」

「ミーシャ、汚れて。湯浴みするわよ」


 ブチとミーシャは子猫に戻った。


 僕のママは・・・・



「フフフフ、クロちゃん。抱っこですよ」



 猫を抱いている。聞いたことがある。大きな猫にとって猫は代わりがきく。だからいなくなっても他の猫と暮らすようになると・・・


 僕はゆっくり離れようとした。


 バギ!


 枯れ葉を踏んでしまった。

 すると、ママはこっちを向いて、猫を放り投げて僕を呼ぶ。


「クロ、クロ、どこに行っていたのよ!」

 抱っこされた。


 放り投げた猫を見ると、ヌイグルミのようだ・・・


「グスン、あら、身代わりのお守りがとれているわね。でもいいわ。お守りがクロの危険を肩代わりしてくれたのね・・」


「ウミァ」


 僕はママの手を舐めた。


 僕の代わりがいなくて良かった。



・・・行方不明になった猫が帰って来る時がある。もしかして、それは大きな猫のために戦っているのかもしれない。




最後までお読み頂き有難うございました。

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