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異世界爆破紀行~最狂爆弾魔は異世界を遊び尽くします!なお、障害はすべて爆破する~ #なおしょう  作者: 瘴気領域
第6爆 爆弾狂、ダンジョンに挑む!

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第43破 落下ダメージも爆破する!

「「「ぁぁぁぁぁぁあああああああ!!!!?」」


 全身にかかる強烈なGと共に、キャノピーの外の風景が加速していく。機体がガタガタと軋み、振動で顎がガクガクする。やがて白い雲を突き抜ける。


「とまっ、止まって! 止まってぇぇぇえええ!!」


 私は舌を噛みそうになりながら絶叫する。このまま加速が続いたらぺちゃんこにされてしまう!


 ――了解しました、非パイロット。緊急脱出シークエンス中断。風霊エンジンを停止し、巡航モードに切り替えます。緊急脱出シークエンス中断失敗。風霊エンジン、出力上昇中です。


「ええっ!?」


 機内が赤く点滅を始め、振動がさらに激しくなる。天井からケーブル付きの部品がバラバラと落ちて暴れまわる。


「とっ、止まれないの!? なんでっ!?」


 ――了解しました、非パイロット。原因を調査します。システムチェック。オペレーションシステム……グリーン。人工魂魄システム……グリーン。ハードシステムエラーです。エーテル供給ノズルの圧力異常。バルブを確認して下さい。


「確認って! どうやって!?」


 ――機外から風霊エンジンのカバーを外し、マニュアルB‐4‐iiに基づき分解をおこなって下さい。


「機外って!? 外から!?」


 ――キャノピーを開放します。ハンドレールを伝って……


「キャノっ!? ダ、ダメェェェエエエエ!!」


 だが、私の叫びは間に合わなかった。

 キャノピーが僅かに持ち上がった瞬間、隙間から入った暴風がキャノピーを引き剥がして後方に吹き飛ばす。凄まじい風圧が私たちを襲い、悲鳴どころか息をするのもままならない。


んぐ(死ぬ)っ! んぐ(死ぬ)ぅぅぅ……!」


 私はうめきながら見をひねり、後方に向かってC4を投げる。狙ってなんていられない。そのまま最短時間で爆破する。


 ――ぼぉぉぉぉっごぉぉぉぉぉぉぉおおおおおぉぉぉおおん……


 C4が爆炎を広げ、身体が一瞬軽くなる。爆炎がすごい速度で遠のき、ドップラー効果で間延びした爆音が聞こえてくる。ステルス戦闘機の後部が見事に消え去り、白煙を引きながら今度は斜め下に滑るように落下していた。


「だっ、脱出! 脱出!」


 泡を吹き白目を剥きかけているトレードとハイヤーンさんの襟首を掴み、暴風に耐えながら座席から引きずり上げる。


「なっ、何すか!?」

「なななな何が起きたっ!?」

「飛び降りる! 捕まって!!」

「「はあ!?」」

「早く!!」


 問答している暇はない。二人を抱えて操縦席から飛び出した。私たちは三人でもみくちゃに回転しながら機体後方に投げ出される。


 ――ぼっごおおおおおおん!!!!


 直後、残った機体が爆発。機体がバラバラに分解しながら落ちていく。半分になった飛行機がそのまま飛び続けられるわけもないのだ。


「で、ででで、どどうするんすかこれ!?」

「このまま落ちたら死ぬぞ!?」

「だ、大丈夫! 身体を結んで!」


 実際のところ大丈夫かどうかはわからないが策はある。問題は重量だが……そこはなんとかなると信じるしかない。


 空中で四苦八苦しながら、服やベルトでお互いの身体をきっちり固定する。私の体の前面で二人を抱きかかえるような形だ。


 そうこうしている間に雲を突き抜けていく。視界が失われ、方向感覚を失いそうになるが両手両足を広げてなんとか姿勢を保つ。EoG試合開始時も飛行機から飛び降りるのだ。落下地点の調整もプレイヤースキルのひとつである。


 雲を突き抜けると、地面が見えてきた。

 海岸線が見えるがそこまでの軌道修正は難しい。少しでも衝撃を軽減できそうな場所……小麦畑らしき場所に狙いを定めて姿勢を変える。


「ちかっ、地面近いっすよ!?」

「小生の研究の道もここまでか……また来世であうことがあればよろしく頼むぞ」

「縁起でもないこと言うんじゃないっす!?」


 トレードがパニックになり、ハイヤーンさんが悟ってしまっているがまだタイミングが早い。ただでさえ重量が超過しているのだ。着地までもたなければ意味がなくなってしまう。


 地面をにらみ、距離を測る。

 現在2000メートル。まだ早すぎる。

 1500メートル。まだ早い

 1200メートル。1100……1000……900……いま!!


 私は腕をふるい、慣れ親しんだジェスチャーをする。背中に出現したバックパックが開き、中身のパラシュートが展開。両肩にストラップが食い込み、一気に吊り上げられるような感覚に襲われる。


 私が持てるスキルポイントのすべてをC4に注ぎ込み、他の武器は何も持っていない。しかし、パラシュートパックは必須で外すことのできない装備だ。C4と同じく、装備ならジェスチャーで出し入れできる。


「すっ、すごいっす!!」

「これで助かるのか!?」


 質問に答えている余裕はない。大幅に減速しているが3人分の重量だ。このまま地面に叩きつけられれば高確率で死ぬ。今度は両手にC4を出現させ、高度と速度に集中する。


「いまっ!!」


 C4を足元に向けて投げる。そして計算した距離で発破!


 ――ぼっごぉぉぉおおおん!!!!


「うわぁぁぁあああ!?」

「おおおおおおおお!?」


 吹き上がった爆風が私たちの頬を焼く。パラシュートが爆風をはらみ、身体が一瞬吹き上がる。ショルダーストラップに一気に力がかかり、肩が抜けそうな痛みに歯を食いしばって耐える。


 ――ぶちっ……ぶちぶちィっ!!


 続けて、嫌な音。ストラップが引きちぎれ、パラシュートからも切り離される。さらに互いを結んでいた紐もちぎれてバラバラになる。そしてそのまま地面に叩きつけられる。


 ――どっしーん!! ごろごろごろ


「痛たたたたた……何度も死ぬかと思ったっす……」

「い、生きているのか? ここは天国ではないのか?」

「だーかーらー、縁起でもないこと言うんじゃないっすよ!」


 爆風による減速はなんとか間に合ったようだ。

 パラシュートが出せることは以前に実験して確かめていたのだが、実際に使うのは初めてだし、ましてやそれが3人分の重量を支えられるかなんてわからなかったのだ。


 私は麦と土まみれになって言い争いをするトレードとハイヤーンさんを見ながら、ほっと息をついた。

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