第8話 2回目の襲撃
住民達が寝静まったあと天界での仕事を片付けて、世界が早朝になったら戻った。
散歩がてら街を歩いて居ると数は少ないがもうお店を開いてる所をチラホラ見かける。
昨日の襲撃は略奪されかけたものの、破壊活動はされてなかったので復興は早い。
お店を何件か訪ねたあと、警備兵の隊長がいる街の検問所に行くことにした。
「おはようございまーす」
「おはようございます、救世主様。」
「救世主様?」
「はい、昨日名前をお聞きしていなかったので、救世主様とお呼びしました。」
「ああ、そうだったね。俺の名はウジガミ カミト。カミトと呼んでくれればいいよ!」
「カミト様ですね。しっかりと覚えさせて頂きます。」
「隊長さんの名前は?」
「はい、私はブルーム王国軍騎士団所属エリオス警備部隊隊長フー」
「隊長!!」
急いで来た警備兵が駆け込んでくる。
「どうした?何故そんなに慌てている?」
「門の外に大規模な軍勢が押し寄せています!!」
「なんだと!?偵察の者から報告は上がって居ないぞ!」
「偵察の者との通信が複数途絶していますので、殺された可能性が高いと思われます」
「なんと…ということは敵がいる方角に向かった騎士団は壊滅したのか…」
「今すぐに動ける警備兵と自警団を動員し、住民の避難指示と門の守りを固めろ!」
「了解!」
警備兵が走って行く。
「我々も行きましょう」
「はい、まず敵の情報を集めるために敵がよく見える高台に行きましょう」
「分かりました、では案内致します!」
俺達は外壁の高台に行き敵を観察した。
「これはもう小競り合いじゃ済まない規模なんだが…」
「そうですね、我々警備兵だけだと10分も持ちませんな」
数万人規模の軍勢がこちらに向かって前進してきているのが分かる。
「1番前にいる丸腰の奴らはなんだ?」
「恐らく、奴隷もしくは犯罪者たちかと思われます。」
「奴らだけでも数千は居るな」
「どうしましょうか、我ら警備兵と避難誘導に当たっている自警団を合わせても二千に届くかどうかの兵力しかありません。」
「騎士団団長と騎士団主力は帰ってこないのか?」
「敵のいる西の方角に行った部隊は壊滅したと思われますが、団長がいる南西方面と北西方面の部隊はもうしばらくすれば帰ってくると思います。昨日通信の時点で任務は終わって帰投の準備をしている段階でしたので。」
「なら、帰ってくるまで持ちこたえるしかないだろう。警備兵と自警団は外壁と門の守りを固めてくれ。あとは俺がやる」
「分かりました、カミト様を信じます。ご武運を」
時間がないので急いで準備に取り掛かった。
俺はこの世界で大虐殺するのを禁じられているため高位の広範囲魔法を使えない。なので防御全振りすることにした。
人を殺さないのであれば魔法の制約はないのだ。
まず、外壁に防御魔法を付与して簡単に破壊されないようにし、水魔法を使い外壁に纏わせた。
これなら登れないし破壊もされないだろう。
次に門は土魔法で塞ぎ外壁と同様に防御魔法と水魔法を付与した。
あとは警備兵と自警団に任せて俺は門の外行き敵に嫌がらせの準備をしようかな