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半妖の僕とヤンデレ姫様の妖退治譚  作者: マシュマロン
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第二章 九十九家 要請

15.要請


「ユキっていろんな人から気に入られるよね、羨ましいな」


先ほどの話の続きだろうか。しかしその声音に厳しさはなく雑談の様だっだ。それにしてもあの妖に気に入られたというのもミヤの推測である、推測で責められたらたまったもんじゃない。僕自身、彼女などできたことはないためモテるなどとは口が裂けても言えない。


「僕に彼女ができたことがないってことはミヤが一番知ってるでしょ?それにそんなこと言ったら、ミヤの隠れファンも相当いるって話だけど」


不知火家に仕えるものの中にミヤに好意を寄せるものも多くいると聞く。外見は文句なしの美少女なのだ、傍若無尽なところを除けば完璧と言っても間違いない。ちなみに表立ったファンが多いのは紅様である。その大人な雰囲気に男女問わず人気がある。もはや崇拝というレベルだろう。そう考えると普通に話せてる僕は幸せ者なのだろう。そんなことを考えていると脇腹を思いきり抓られた。


「また別の女のこと考えてるでしょこの浮気者。それにユキに彼女がいないのなんて当たり前じゃない、私が潰しているんだから。あとファンなんて何人いても一人に振り向いてもらわないと意味ないからね」


そのまるで自分と付き合っているみたいな態度はやめてほしい。僕たちは健全な幼馴染みだ。まぁ確かにずっと一緒にいた幼馴染みにそういう相手ができるのは嬉しくはないだろう。ミヤに関しては負けず嫌いなだけだと思うが。ただ最後の意見は同意できた。自分を好きな人が何人いても悲劇になるだけである。なぜならその思いは叶わないのだから。ん?ファンがたくさんできてから言え?はい、すみませんでした..。


「相手がいない者同士これからも仲良くしようね♪」


「ミヤは作ろうと思えばいつでも作れるだろうに、同盟になってないよ」


その答えに周りの空気の温度がぐっと下がるのがわかった。また余計なことを言ってしまっか。ミヤの表情は窺えない。


「ん〜そろそろ我慢の限界だなぁ、わからせた方がいいのかなぁ。私にそういう相手ができてもいいの?ずっと一緒って言ってくれたのに、嘘だったの?」


「そんなわけないよ、僕よりミヤの方がモテるからね少し卑屈になっちゃったごめんね」


「いや全然、全く、これっぽっちも気にしてないよ。そうかぁユキは嫉妬しちゃったんだね。可愛いんだからもう♪」


セーフである。どうやら大外れの後に最適解を出せたみたいだ。ミヤの機嫌が底から天辺まで跳ね上がった。


「ユキ約束ね、抜け駆けは絶対にしないこと!そんなことしたら私どうなっちゃうか分からないから」


生憎、そんな相手いたこともないし、できる予定もなかった。僕はいろんな人に気に入られているとは思うが、それはこの中性的な顔立ちのせいもあり、男としてではなく可愛がられているという感じだった。


「わかったよ、まずそん心配するだけ無駄だと思うけど..」


その答えにミヤは満足した様だ、右腕に自分の手を絡めてくる。そしてその状態のまま海を後にしたのだった。


館に帰る頃には辺りは暗くなっていた。何やら館の中が騒がしい、一体何があったのだろうか。そこで護衛の者の一人からミヤに向かって声がかけられる。


「姫様、紅様がお呼びです、広間にお向かいください」


「わかったわ、身なりを整えたらすぐ行く。ユキも同行しなさい」


黙って首肯する。軽く汗を流し紅様の元へ向かった。部屋に一言断りを入れて入室するとそこには神妙な面持ちの紅様がいた。遅れてミヤがやってくる。


「雅、ちょっとした問題が発生したの、聞いてくれるかしら?御三家の一つである九十九家は知っているわよね、あの家から応援要請が届いたから明日にでも向かってくれるかしら」


どうやらまた厄介ごとに巻き込まれそうだった。


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