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序章
体が重い…
眠らせてくれよ。
「お願い!助けて!」
そんな声に目が覚める。
定まらない視界には少女の姿。
どうやら声の主はこの少女らしい。
「助ける?」
「追われてるの!お願い!」
必死の形相で訴える彼女の背中越しに小さく追手と思しき影が見える。なるほど確かに追われているらしい。
覚醒して来た全身に力を込め拘束を破壊する。何故拘束されていたのかと疑問に思いつつも、追手の集団に向かって弾丸の如く突っ込んで行った。
それは正に一騎当千、それ以外に「彼」を表す言葉が見つからなかった。拘束解いたかと思うとまたたく間に追手を破壊し、再び機能を停止してしまったようだった。
―機械が感情を持ち既に数世紀、突如として反旗を翻したロボット達により人類は絶滅へと追い込まれて行った―