泥人
短いですが、読んでみてください。
僕は、穢れている。
周りは僕をそう言う。
汚い、穢れている、汚物。
同じ人の形をしているのに、そう蔑まれている。
なんでかな?
ねぇ、なんで?
僕にはわからない。
なんで、僕がこんな気持ちにならなくちゃいけないの?
ねぇ、どうして?
僕の心の中で何かが塵になっていく感覚がした。
僕は、穢れているんだ。
そうか、僕は泥人。
泥まみれ、穢れまみれな汚い人なのか。
そんな僕でも、できることは沢山あるよ。
かわいた土を泥に変え、植物たちを豊かにしたり。
人間にだって、役に立っているはずなんだ。
あいつらは、そんことを考えすらしない。
思ったままに、ただ自分たちだけが正しいと言わんばかりに僕を疎外する。
冗談じゃないよ。
何もしてないじゃないか。
何も、してないのに。
「なにも、僕は酷いこと.......してないのに。」
心から溢れる。
憎いほどの感情が。
溢れてくる。
蓋を押し返して溢れ出てくる。
我慢の限界だ。
もう、いいや。
もういいんだ。
我慢なんてしない。
「ボクは、泥人だ。」
ボクに感謝しないやつは、残らず.......
「土に還るがいい。」
少年は静かに村へ向かうのであった。
読んでいただいてありがとうございます!