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俺はやはり不幸だ

閑話が結構長くなってしまいました。

本編に戻ります

俺は脱獄成功後がむしゃらに走っていたが人里が見つかるどころか人影一つ見えやしない。

「どうしたもんかなー」

土の上に寝っ転がる。

青い空、白い雲、飛び回る大きめの鳥。

あっ!

「そうだ!鳥に偵察に行ってもらえばいいんだ!」

何となく強そうな鳥を考える。

「そういえばテレビで世界一強いのはオウギワシっ て聞いたな」

オウギワシ…オウギワシってどんな姿だ?

最強ってんだから体は大きいよな…。

くちばしもきっと針のように尖っていて…。

動物を掴んだりするんだから足はデカいか…。

こんなもんかな。

想像したワシを魔力で具現化する。

現れたのは不格好なワシ?らしきもの。

小さい頭には合っていないサイズのくちばしと大きい胴体、そして無駄にデカい足。

…失敗だな。

この魔法は万能に思えるが使い手がバカだと使えないらしい。

「まぁ、姿はどうあれ飛べばいいや。ほれ、行って こい」

ワシ?はふらふらしながら空に飛んでゆく。

「落ちないか心配だな」

願うことしかできないが。

ワシを戻ってくるまで待つか。


五分後。

あれ?

放っていたワシ?の気配が消えた。

食われでもしたのか?

もう一度放ってみるか。

今度は想像出来る鳥をだす。

「出てこい、雀!」

目の前に知った姿の雀が現れる。

よっしゃ成功。

「行ってこい」

雀は一直線に上空に飛んでいった。

もう一度休もうと座る。

「はぁー」

大きくため息をつく。


ボタッ


何かが落ちる音がした。

「様子見に行くか」

前みたいに捕まるのはごめんだ。

護身用のナイフを手に持ち、草を掻き分けながら音のした方向に向かう。

音の正体が分かった。

「俺の作った雀だ…」

雀が片腕がもげて死んでいる。

「上空に何かいるのか?」

空を見るがなにもいない。

この作戦を続けでも時間の無駄か…。

作戦変更だ。

前方に小さめの山がある。

あれに登って街をあの辺り一帯を見渡そう。


30分後。

「ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ」

一年間運動してない体に山登りはきつい…。

何か使える物はないか。

某ロボットがポケットから出す○○コプターなんてどうだ?

それがあればひとっ飛びだ。

いや、今度は俺が死んだ雀みたいになりそうだ。

やっぱり普通に登るしかないか。


さらに30分後。

「やっと、ついた…」

山の頂上だ。

「あった!」

遠目にだが集落がある。

成果はあったな。早くまともなベッドで眠りたい。

早く山を降りよう。


ひっく、ひっく


声が聞こえる…。

後ろを振り返ると洞窟っぽい場所がある。

声はあの洞窟から聞こえる。 

嫌な予感しかしない。

どうするか…。

  

ひっく、ひっく


きっと酔っ払いが間違って洞窟に入ってしまったんだ。そうだ、そうに決まってる。

…んなわけないか。

結果、好奇心が恐怖に勝った。

ゆっくりと洞窟の中へ入る。

人影が見える。

頭に角もないし、人間か?

もう少し近づいてみる。


どうやら少女が一人で泣いているようだ。


放っておくこともできないので話しかけてみるか。

「君、どうしたの。こんな所で」

少女はビクッと体を震わせてからこちらに振り返る

さっきは分からなかったが、豪華そうな服を着ている。いいとこ育ちかもしれない。

「あなた…誰?」

…どう答えるべきか。俺は何者だ。

異世界から来た者です、なんて頭がいかれてると思われそうだ。

正直に脱獄者です、なんて言えば危険人物だ。

無難にいくか。

「通りすがりの旅の者です」

「………」

あれ?結構普通に挨拶したんだが。

この異世界だと冒険者は変なのか?

「一体何の様?」

良かった、怪しまれてないようだ。

「いや、君こそこんな所で何してるんだい?」

少女はうつむいてしまった。

まずいこと聞いたか?

「…て…れ…たの…」

「え?」

「        」

少女が何か叫んだがその声は俺の後ろに来たやつに遮られた。

俺は反射的に後ろを振り向く。


そこには…巨大な鳥のような化けもんがいた。


やはり、俺は女が絡むと不幸になる体質は未だに健在らしい。




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