第1章 7:怪しい影の調査
夜のフローリア村は、昼間とは違う静けさに包まれていた。
そんな中、森のほうから不気味な影が見えたと、村人たちが噂するようになった。
「冒険者さん、なんとかしてくれないかしら?」
村の女性アンジーとサリーの会話を冒険者は聞いていた。なぜか今日は沢山の人たちに話しかけている。
ギルドに向かうとヴォーイギルド長とアルファ村長も“不気味な影”について話をしていた。
「ちょうど良かった、冒険者。
森に何かいるみたいなんです。
調べてくれないかな?」
頼みを受け、冒険者は懐中灯を手に、影の正体を探るため森へ足を踏み入れた。
暗闇の中、木々の間に動く影がちらりと見える。
音もなく枝が揺れ、心臓の鼓動が早まる。
しかしよく見ると、それは小動物が群れで動いていた影が、月明かりに映って大きく見えていただけだった。
さらに奥へ進むと、森の中に迷い込んだ旅人の影も見つかった。
「あなたは?」
「私は旅人。森に迷った、助けてほしい」
冒険者は道案内をしながら森を抜けさせる。お礼に『異世界で使えるクーポン』を2枚貰った。
村に戻ると、村人たちは安堵の表情を見せた。
怪しい影の正体は、ただの小動物や迷子の人影だったのだ。
「安心しました。
ありがとう、冒険者」
村の女性アンジーとサリーがお礼を言いに来た。そして2人からも1枚ずつ『異世界で使えるクーポン』を貰った。
異世界で使えるクーポンは、アルファ村長とヴォーイギルド長からも1枚ずつ貰った。
「影に怯えることはない。
でも、注意深くなることは大切だよね」
そう心に留め、森の不思議さと、人々の不安を和らげた一日だった。
それにしても。
クーポンとは、なんのことだろう?
「いま企業コラボキャンペーン中なんです。
毎日誰かに話しかけるか、クエストをクリアすると1〜2枚貰えますよ」
レベッカが説明してくれた。異世界のファーストフード企業とのコラボ企画で使えるクーポンらしい。
“異世界で使えるクーポン”の使い方は
・3枚フライドポテト(S)と交換
・5枚でソフトドリンク(S)と交換 ・ フライドポテト サイズアップ いずれか
・10枚ハンバーガー・チーズバーガー・フィッシュバーガーいずれか1つと交換
なるほど。
このクーポンのために色んな人たちに話しかけていたわけか。




