第1章 6:盗まれた村の宝物
フローリア村の広場で、村人たちがざわついていた。
「大変だ……!
村の宝物がなくなった!」
村の宝物とは、代々村に伝わる古い金の紋章で、祭りや祝いごとには欠かせないものだった。
アルファ村長は顔を曇らせ、冒険者に助けを求める事にした。
「冒険者、力を貸して欲しい」
ヴォーイギルド長が頭を下げている。内密に解決するには人手が足りないらしい。
「犯人はまだ村の中にいるかもしれません。
手分けして調べましょう」
冒険者は村の家々を回り、目撃情報や足跡を探す。
小道や森の入口、川沿いにも痕跡が残されていた。
やがて森の奥にある小さな洞窟の前で、金の紋章を抱えた影を発見する。
驚いた小動物が紛れていた。たまに村に現れる、いたずらモンキーだった。
どうやら、宝物を間違って洞窟に落としてしまい、洞窟の入り口で動けなくなっていたらしい。
冒険者は慎重に宝物を取り戻し、無事に村へ返す。
村人たちは安堵の笑顔で迎え、アルファ村長は深く礼を述べた。
「ありがとう。
これで村はまた平和だ」
私は微笑みながら、村に静けさが戻るのを感じた。
小さな事件だったが、村人との信頼をさらに深める一日となった。
「光苔や蝙蝠の翼はパーソンさんが喜びます。ケロケロ皮は防水布として貴重なんです!」
目の前に目を輝かせながら興奮してるレベッカがいた。
小さな洞窟の中はダンジョンになっていた。
そうだ。そこで採取した素材を売却していたんだ。
紋章は洞窟の奥まで入り込み、“小さな洞窟の主”の背中にあった。小さな洞窟の主は大きな蛙で、そこまで辿り着く間にも様々な魔物と遭遇した。
「お待たせしました、冒険者。
今日の清算は、11,500コインです」
素材の売却に加えて数々のギルドからの依頼も受けてきた。久しぶりにステータスを開いて所持金を見てみよう。
所持金、600コイン……。
いつの間にか万能ナイフに加えて弓を装備していた。さらに驚いたのは矢の数だ。1,163本もある。
どうやら、この弓矢は当たると消滅して本数が減るらしい。私はこの村でのんびり過ごす事に決めたし躍起になって戦闘に向かうつもりはない。
なぜ、こんなに矢があるのだろう?疑問はあるが深く考えるのは止めよう。所持金の使い道は弓と矢を購入したと思われる。それが判明しただけで良い。
それよりも。ステータスを開いて気がついた。
レベルがLv.7になっていた。この事の方が嬉しい。




